先延ばしをしてしまう人の典型的な特徴
何かをつい先延ばしにしてしまうことはありませんか?
先延ばしにしてしまうことは私も心当たりがあるので、気持ちは痛いほどよくわかります。
「やらなきゃ」と思うところまではいいのですが、いざ始めようとしても腰が重かったり、それでも何とか始めても気が散ってしまい作業が止まってしまう。
やりたくないことならいざ知らず、自分がやりたいこと、或いはやらなくてはいけないことが目の前にあっても、先延ばしする気持ちが生まれてしまうことに悩んではいませんか。
私も以前は先延ばしにする癖が酷かったので、「このままではダメだ」と思い、先延ばしする自分を変えるために様々な先延ばしを克服する方法を試しました。
しかし、先延ばしが癖になっている人間が先延ばしを克服する方法を試そうとしたところで、その先延ばしを克服する方法自体を先延ばしにしてしまうという、本末転倒な結果に終わってしまったことが数えきれないほどあります。
先延ばししてしまう人は、ずっとこのまま変われないのでしょうか。
そんな焦燥感に駆られていた時に、ある一冊の本が先延ばしする私を変えてくれました。
その本のタイトルは、『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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本書は二人の著者が手掛けた共著です。
二人の著者とは、禅僧であり精神科医である川野泰周さんと経営コンサルタントの恩田勲さんです。
バックグラウンドは異なりますが、二人には共通してある認識がありました。
それは「現代人は動けなくなっている」ということです。
本書はそんな動けない人に向けて共著という形で執筆されたものです。
動けない人とはどの様な人を指すのか、以下の通り定義しています。
「朝起きたけど、ベッドから出られない」
「しなくてはいけない電話をまだ掛けられていない」
「提出しなくてはいけない書類を出せていない」
この本は、毎日そんな自分にイライラしながらも、何とか変わりたいと思っている人の為に書かれました。
「とにかく一分だけやろう」
「作業を出来るだけ小さく分けてやる」
「ご褒美を用意する」
先延ばしを克服するコツはたくさん知っているけど、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう。
そんな人はまず本書にあるマインドフルネスとモメンタムのワークを実践してみてください。
簡単に出来て、ユニークなものを厳選しました。
好きな時に楽しみながらやってみる。
そうする内に、いつの間にかあなたの心に勢いが出来て、面白いように行動し続けられる人になるのです。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
上記で例に挙げられた先延ばしを克服するコツは、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
先延ばしを克服するコツは知っているのに、それすらも行動しようとしない。
これは正に本書が定義する「動けない人」そのものです。
なぜ、行動しようとしないのでしょうか。
その理由は「知って満足して、それだけで出来た気分を味わっているから」という考えだけではないと、典型的な動けない人である私は実体験からそう思います。
「やろうとする気持ちがあっても、億劫な気持ちの方が勝る」から、動けないのではないでしょうか。
億劫な気持ちが生まれても、そこから前へ一歩進めさせることが出来るのがモメンタムという考え方です。
マインドフルネスとモメンタムという聞き慣れない言葉が上記の引用で登場しましたが、その言葉の意味を本書で以下の通り説明しています。
マインドフルネスは瞑想などを通じて、今この瞬間に意識を向けることで物事をありのまま姿に捉え、受容する心の在り様です。
それにより脳の疲れが癒え、心のモヤモヤ、イライラが晴れるなど、人間本来の生き生きとした心の在り様を取り戻すことが出来ます。
マインドフルネスとは、人生を健やかに生きていくための叡智の塊であると私達は考えています。
川野はこれまで、禅にルーツを持つマインドフルネスの普及活動を行ってきました。
また恩田は、禅やマインドフルネスを組織開発に活かすべく、研究と実践を重ねてきました。
一方で、マインドフルネスだけでは解決出来ない問題や、マインドフルネスの副作用も私達は痛感することになりました。
つまり、心のモヤモヤ、イライラを晴らすだけでは幸せになれない人がいるのではないか。
人が行動する為には、また別の要素が必要ではないか。
端的に言えば、こんな風に生きたいという気持ちや、夢や目標などを漠然とでもイメージ出来る状態に心が耕されていない人は、マインドフルネスによって心が晴れやかになったとしても、行動を起こすまでに至らないことがあるということです。
また、心のエネルギーそのもののボルテージが低くて、瞑想的な充電では行動のレベルにまでは達しきれない人が少なくないことも、これまで瞑想指導に当たった経験から実感しています。
(中略)
やがて私達が辿り着いたのが、モメンタムという考え方です。
それはパッとしない状態から心を引っ張り上げて、さらに活力を与えるような心的エネルギーのこと。
心を落ち着かせるのがマインドフルネスだとするなら、心を勢いづかせるのがモメンタムと言えます。
実は本来、マインドフルネスとモメンタムは二つで一つの物。
マインドフルネスのルーツである禅には、心を落ち着かせる要素だけではなく、心を勢いづけるモメンタムの要素が多分に含まれているからです。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
勢いづかせてしまえば、確かに行動を起こせるようになり、前へ進めそうな気がします。
しかし、「心を勢いづかせる」と言われても、あまりピンと来ないかもしれません。
「心を勢いづかせる」とはどの様な状態なのか、次の通り解説しています。
同様に私達は時々、勢いという言葉である状態の心を表現します。
「人生には勢いが大事だ」
「あの人は勢いがある」
「勢いで結婚しました」
などなど。
「心の勢いって何?」と真剣に考えたことがある人は少ないかもしれません。
でも心の勢いがない状態なら、皆さん心当たりがあると思います。
「電話一つ掛けるのにダラダラ、グダグダためらっている」
「資料作成の締め切りが迫っているのに、面倒くさくて先延ばし」
「体はすこぶる元気、睡眠時間だって十分、なのに心が付いていかない」
「どうしてこんなに気分がパッとしないんだろう」
「最近どうも頭がすっきりと働かない、集中が出来ない」
そこにいるのはすぐ動けない自分です。
こんな毎日が続くと、「ああ、またやってしまった」、「だから自分はダメなんだ」とまるですぐ動けない自分こそが自分自身の本質かの様な錯覚が生じ、余計に気分が落ち込んでしまうようになります。
そう自分を責めたくなるのは、すぐ動けない自分とは正反対の人もいるからです。
やるべきことをすぐやれる人。
さっきまでコーヒーを飲みながらのんびりと時間を過ごしていたと思ったら、次の瞬間スッと立ち上がってサクッと行動に移せる人。
あなたの周りにはそんなすぐ動ける人はいませんか?
面倒くさい、失敗するかもしれない、何だか疲れている、何の意味があるのかわからない、明日やればいいかといったネガティブな想念は多かれ少なかれ誰にでもあるもの。
しかし、それを突破出来る人と出来ない人がいるのです。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
心に勢いがない状態の方が想像しやすいのは、心当たりがあるのがより強いからでしょう。
それなら、動けない自分に自己嫌悪してしまう気持ちも理解出来るのではないでしょうか。
そして身近にすぐに行動に移せる人に対して、比較してしまう気持ちもよくわかるはずです。
行動するかしないか、たったそれだけの単純なことなので、両者の違いが鮮明に浮き彫りになってしまう分、比較もしてしまいがちです。
それでは、すぐに行動に移せてネガティブな想念を突破出来る人は、ネガティブな想念を出来ない人と何が違うのでしょうか。
その違いに関して、以下の通り見解を示しています。
なかなか動き出せない人とすぐに動ける人の違いはどこにあるのでしょう。
やる気や根性でしょうか。
それとも、持って生まれた性格でしょうか。
確かにやる気や根性のボルテージが高く備わっている人は、すぐに動ける傾向があります。
「幼い頃からこの子は活発で」と親に褒められて育った人なのかもしれません。
その様な人はあれこれ考える前に行動出来て、やるべきことを先延ばしにすることもありません。
でも、私達はこうも思うのです。
やる気があってもなお、やる気に火をつける着火剤を私達の心は必要としています。
着火剤が無ければ心の勢いは生まれず、電話一つ掛けるのだって苦労します。
逆に心に勢いがあれば、様々な理由で行動をためらいがちな私達を、前へ前へとプッシュしてくれるでしょう。
それは仕事や人生を大きく好転させる力になるに違いありません。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
ネガティブな想念を突破出来る人と出来ない人の違いは、心の着火剤の有無です。
すぐに行動に移せる人には心の着火剤がありますが、移せない人には心の着火剤がありません。
では、心の着火剤とはどの様にして手に入れられるのでしょうか。
その心の着火剤を手に入れられる方法こそが、先述したモメンタムです。
「パッとしない状態から心を引っ張り上げて、さらに活力を与えるような心的エネルギーのこと」と説明されている通り、モメンタムが心の着火剤の役割を果たしてくれます。
モメンタムの必要性はこれまでの説明でわかりましたが、どうすればモメンタムを扱うことが出来るようになるのでしょうか。
モメンタムが生まれるのは、次のような時です。
心を勢いづかせる着火剤が発動する条件
「何のためにこんなことを?」
「気持ちが乗らない退屈な作業」
「どうせ上手くいかない、つまらない」
「ネガティブな想念が邪魔をする」
「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」
「集中力を維持出来ない」
私達が行動を先延ばしにする要因には様々ありそうです。
しかし多くの場合、誰かに邪魔されているわけではないはずです。
つまり、動けない原因は自分の心の中にある。
「やる気がない」、と自分の心を責めたくなるのはそのせいでしょう。
でも、人間の脳の仕組みを知ると動けないのはやる気のせいではないことがわかります。
というのも私達は、やる気があるから行動するだけではありません。
行動するからやる気が出るのです。
楽しいから笑うのではなく、笑っている内に楽しくなる。
走りたいから走るのではなく、走っている内にもっと走りたくなる。
これが人間の脳の仕組みです。
この仕組みのカギを握るのは、脳の中で働いているドーパミンというホルモンです。
ドーパミンは脳内で精製される神経伝達物質の一種で、報酬や快楽、そしてやる気に関係する物質として広く知られています。
ここで注目するべきは、ドーパミンは何らかの行動に伴い分泌されるという事実です。
つまり、じっとしている内はドーパミンは分泌されにくく、したがってやる気も生まれません。
やる気が出るのは行動した後のこと。
私達の頭の中を変えようと思ったら、体を動かすのが先決とも言えます。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
行動を起こさない時を思い返してみると、確かに頭の中で言い訳を並べていることに気付きます。
逆説的に言うと、頭の中は働いているのです。
しかし、それだけでは行動には結びつきません。
何かしら体を動かさないとやる気は生まれないのです。
でも、そもそも動けないから悩んでいるんですよね。
動けないから悩んでいるのに、動いて解決するというのはどこか矛盾しています。
ただ、最初に動く動作はあなたが思っているよりも、ハードルは低めに設定されています。
少しわかりにくい話かもしれません。
それに「やる気がないから動けない」と困っている人が、「やる気を出すために行動しろ」と聞いたら、「それが出来ないから困っているんだ」と反論したくもなると思います。
でも、安心してください。
行動と言っても、ほんのちょっとで構いません。
むしろ、ほんのちょっとだからこそいいのです。
身近なシーンを舞台にわかりやすい例を挙げてみます。
「今日は大掃除をするぞ」と思うと腰が上がりませんが、「机の上だけでいい」と思えば始めやすい。
「たった一分でも」と決めて動き始めると、ドーパミンが分泌され気分が乗ってきた結果、5分、10分と続けられることも少なくありません。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
上記の引用の通り、いきなり目的の行動に移さなくてもいいんです。
少しずつ刻みながら目的の行動に近づいていけばいいのです。
さらに本書からもう一つ身近な例を挙げましょう。
以上を踏まえて、モメンタムの発動条件を一言で言うと、何でもよいので行動することです。
例えば、「会社行きたくない」とベッドの中で悶々としていることを想像してみてください。
いくら待っても、「会社に行きたい」という気持ちが芽生えることはなさそうです。
しかし、ただ立ち上げるだけなら出来る気がしませんか?
そして立ち上がるだけでも、心は動き始めるのです。
(『クヨクヨしない すぐやる人になる「心の勢い」の作り方』より引用)
「何でもよいから行動する」
これがモメンタムの発動条件です。
先述した内容に、「先延ばしを克服するコツはたくさん知っているけど、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう」とありましたが、そこで例に挙げられている内容は大き過ぎます。
例えば「一分だけやろう」としたら、時間を気にかけてばかりでやるべきことに身が入らない。
目の前にある、それだけに意識を向けられる様なもっと小さな行動から、取り組む必要があります。
そしてもうひとつモメンタムにおいて大切なことがあります。
それは「なぜ」行動するのか、背景をきちんと理解することです。
先延ばしを克服するコツに限らず、なぜその考えに至ったのか背景を理解しなければ、行動を起こしても意味がありません。
先延ばしを克服する為に、小さなことでもいいので行動を起こす。
その理由は、行動を起こすことでドーパミンという神経伝達物質を刺激させて、体を動かすことが先決であるから。
背景まで理解することで、自分の中で腑に落ちる感覚を掴むことも、行動に繋げる上で大切な要因だと私は考えています。
もちろん言われたことをとにかくやってみることも大事ですが、なぜそれが大切なのか背景を理解した上で行動を起こすことも大事です。
「何でこんなことをするんだろう?」という思いが、「行動を起こしたくない」という理由に結び付いてしまうこともあります。
自分の中で腹落ちしていれば、行動だけに意識を向けられてより行動を起こしやすくなるでしょう。
実はモメンタムには、着火モメンタムと燃焼モメンタムの二種類あります。
火を起こしても燃え続けなければ消火してしまうように、行動を起こしても続けなければ行動は止まってしまうからです。
ここまでご紹介したのは着火モメンタムの入り口までですが、燃焼モメンタムやモメンタムのより詳しい内容は本書に記載されています。
最後までこの記事を読んだあなたのモメンタムが発動している間に、そのままの勢いで本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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