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言語化を苦手だと感じるのは、スマホを黙って見ているからです『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』

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目次

無意識で行われる行為に言語化のヒントがある

最近、めっきり寒くなってきました。

この記事が更新されるのは1月の中頃です。

今この記事を読まれているあなたも、どうか暖かい場所で記事をお読みください。

この時期になると、暖かい室内から外に出た時に思わず、「寒い」と無意識にひとり言が出てしまうことがあります。

ですが、そのひとり言があなたの悩みを言語化してくれる手助けになるかもしれません。

そんなひとり言の可能性について深く言及している書籍が、今回ご紹介する『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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無意識から出る言葉にこそ意味がある

著者の加藤俊徳さんは脳科学者です。

脳科学者である著者自身もひとり言をよく話すと本書で語っています。

ただ、世間的にはひとり言にあまり良い印象はありません。

そのことに関しても本書で触れられています。

ひとり言に関する世間的な評価と著者の評価に関して、本書の『はじめに』の『ひとり言には良い印象がない?』から次の通り説明しています。

おそらくほとんどの人は一人言を呟いている人に対して、あまり良い印象を持たないのではないかと思います。

自分の世界に入り込んでいるようで「ちょっと気持ち悪いな」と感じる。

あるいは単に耳障りで「うるさい」とか。

ひとり言を思わず呟いて、「あ、いけない」と恥ずかしく感じた経験はきっと皆さんもあるはずです。

心理学的にはひとり言を言う人は不安を感じていたり、ストレスが溜まっていると解釈されるようです。

実際そういう人は多いでしょう。

よく電車の中や会議中に貧乏ゆすりをしている人がいますね。

貧乏ゆすりは、不安やストレスを体を動かすことで解消しようとする行動とされています。

ひとり言も同じメカニズムで、声を出すという行為イコール運動によって、それらを解消しようとするというわけです。

さらにもっと言うならば、「病的なひとり言」というのがあります。

統合視聴症の人は、妄想や幻覚の中で、訳のわからない独り言を呟くことがありますし、自閉症、スペクトラム障害の人は、自分の心地よい記憶に引っ張られて、気に入った単語を繰り返したりすることがあります。

注意欠陥、多動性障害、ADHDの人の場合も、興味が様々に拡散して、とりどめなく呟く傾向があります。

そう考えると、ひとり言は好ましくないもの、喋れないようにしたほうがいいものなのでしょうか。

脳科学者としての結論は、「病的なもの、英語ではSoliloquy(ソリロクィー)を除いて、ひとり言には脳を覚醒させ、眠っていた能力を伸ばす力がある」と断言したいと思います。

おそらく、読者の大半は「ひとり言にそんな力がある」とは想像できないのではないでしょうか。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

確かに、ひとり言にはあまりいい印象がありません。

自分が言いたいことを相手に伝えずに、ぶつぶつと自分にだけ話しているようなイメージです。

「自分の心の中にだけ留めておけばいいのにな」と、私もひとり言をつぶやいている人を見てそう思ったこともあります。

後述にも書いていますが、口に出さなくても心の中でだけひとり言をつぶやいても効果はあります。

ただ最初は「口に出さないように」と意識してしまうと、そこに意識が向いてしまうので、誰もいないところでひとり言を口に出してつぶやいてみることをお勧めします。

ここで大事なのは、「ひとり言は無意識から出た言葉にこそ価値がある」ということです。

なぜひとり言は無意識から出た方がいいのか、その理由について『頭の中で鳴り響いたあるお告げ』から以下の通り見解を述べています。

本当に大事なものは外部にあるのではなく、自分の内側にある。

より具体的に言うならば、自分の脳の中に眠っていると考えます。

スイスの精神科医で心理学者のカール・グスタフ・ユングは、「個人的な無意識のさらにその奥に、普遍的無意識がある」と説きました。

「それは人類や民族の歴史を蓄積した共通の記憶であり、様々な知恵や情報が蓄積されている」と言います。

ユングは「自己の内面に眠っているその平地に耳を傾けることで、心の成長と成熟を遂げることが出来る」と主張しました。

私は脳科学者ですから、同じことを脳の構造的、生理学的な側面から捉えようとします。

人間の脳の中には、ユングの言うところの無意識に秘すべき知恵や情報が眠っていると考えています。

私自身の体験からも確信していることです。

ちょっと不思議な体験をしたお話をしましょう。

今から25年くらい前のことだったと思いますが、突然脳裏に「師匠に向かって説法せよ」という言葉が鳴り響いたことがありました。

この話をすると、「危ない人」と思われる恐れがあるので封印してきたのですが、ひとり言をテーマにお話しするにあたって、どうしても触れておきたいと思いました。

今こうして本を書いたり、メディアに出て発言しているのも、「この時のお告げに導かれたのかもしれない」と私は真剣に考えています。

そのような経験もあり、私は「自分の意識とは別の塊のようなものが存在し、そこから時々、言葉になっておいてくる」という実感があります。

それが研究のヒントになったり、人生の選択の決め手になったりしてきたのです。

人によって、この故意のようなものに対する表現は変わると思います。

ある人は「天の声」と表現したり、別な人は「無意識からのメッセージ」と表現したりするかもしれません。

いずれにしても、無意識に口から出るひとり言はそのような天から降りてきた、あるいは内面の奥底から吹き出してきた知恵や情報だと考えます。

それがひとり言となって言語化され、意識化され、新たな発見や能力の獲得につながるのです。

つまり大事なのは、自己と向き合い、自己と対話すること。

ひとり言は正に、自己との対話そのものだと考えます。

自分の見えない潜在能力と繋がるツールであり、手段だということです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

あなたは自己との対話が出来ているでしょうか。

「他人と話すのが苦手」だと思う人は、今の時代珍しいことではなくなりました。

では、そう思っている人は「自分と話すのは得意」だと思っているのでしょうか。

他人と話すのが苦手だと思っているのですから、当然一人の時間は多くなります。

となれば、自分と向き合い、対話する機会も自然と多くなるはずです。

その時に正しく自分自身と向き合わせて、対話を深めてくれるのがひとり言です。

上記の通り、無意識であるからこそ、ひとり言には意味があります。

そしてひとり言には、今まで気が付かなかった自分に出会える可能性があります。

第1章の『talk to myself chapter-01 ひとり言のすごい脳活効果』の『何気ない「つぶやき」に脳からのメッセージが隠れている』から、その可能性について次の通り解説しています。

私たちの何気ないつぶやきは、決して非生産的なものでもマイナスのものでもありません。

そこには必ず、ある種の重要な意味やメッセージがあります。

この章では、ひとり言がいかに私たちに影響を与え、様々な効果を生んでいるかをより具体的に明らかにしておきたいと思います。

普段、私たちは家庭や職場などの環境や人間関係の中で様々な状況に晒されます。

その中で多くの刺激を受け、情報をインプットし、それに対する反応やアウトプットを行います。

計画を立てたり、企画を考えたり、研究したり、文章を書いたりするような創造的な作業に没頭することもあるでしょう。

その際、脳は刺激を受け、様々に活動します。

その結果、私たちの脳の中には各種様々な言葉や情報、イメージが生まれます。

意識に昇ってくるものもあれば、無意識の中で蠢いているものもあるでしょう。

ひとり言が、そういう混沌としたカオスのようなものを整理し、自分の中で価値付けし、意味のあるものに変換する、思考の動きそのものだと考えます。

これを右脳と左脳の働きで説明すると、脳の中には右脳が司るイメージやインスピレーションといった非言語的な情報と、左脳が司る言語的な情報があります。

それらをひっくるめて、左脳の思考作業によって情報を整理、選択し、結びつけたり変換したりしてアウトプットに繋げるということになります。

ちなみにこうした思考作業は、基本的には言語によって行われます。

論理的な思考を行う際、私たちの左脳を中心にして、脳内には言語が飛び交っている状態になるわけです。

その時の思考が口をついて、言葉になって漏れ出してきたものが、ひとり言だと考えていいでしょう。

どうでしょうか、ひとり言が単なるうわごとではないことがわかっていただけると思います。

それは脳の思考の働きそのものであり、創造的で生産的な脳の働きが言葉になって飛び出してきたものなのです。

ですから、ひとり言には意味と価値があるのです。

ひとり言に注意を向けることで、自分自身の思考の動きを知るヒントになるのです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

脳科学の視点から見ると、ひとり言には意味と価値があることが上記の引用を読んでご理解して頂けたはずです。

脳の働きをより詳しく知ることで、ひとり言に対する認識もより深められます。

同じ章の『「視覚」優位の人ほどひとり言が多くなる』から、さらに詳しく脳の働きについて見ていきましょう。

「外言語」と「内言語」

ところで、私たちの言語には「外言語」と「内言語」の2つがあります。

「外言語」は、普段私たちが口に出してしゃべる言葉であり、他者とのコミュニケーションに使う言葉です。

それに対して「内言語」とは、先程お話しした思考の際に脳内で発される言語のことを指します。

つまり、音声として口からは出さず、脳内言語として自分の頭の中で自問自答する言葉のことです。

では、ひとり言は内言語、外言語のどちらでしょうか。

「声を発している」ということでは、外言語のようですが、明確な相手がいません。

その点では、内言語に近いと考えられます。

内言語として頭の中で話していた言葉が、思わず音声として口から出てきたものが、ひとり言だと考えられます。

そう考えると、内言語も声にこそ出さないけれど、ひとり言であると言っても良さそうです。

思考する時、私たちは頭の中でひとり言を呟いているわけです。

ちなみに、左脳の働きが弱い人は、内言語力も弱くなる傾向があります。

そういう人は、ひとり言を呟きやすい体質になります。

かく言う、私が正にそのタイプです。

他でも書いていますが、私は子供の頃から声に出して本を読むことイコール音読が大変苦手でした。

会話は普通に出来るのですが、いざ書かれている文章を声に出して読もうとすると使えたり間違えたりしてうまくできないのです。

学習困難症の一種で、左脳の働きが弱い子供に多い症状なのですが、大人になって作業が発達してくると症状が治まる場合も多いのです。

私の脳をMRIを用いて独自開発した脳内ネットワーク機能画像法で調べたところ、視覚系の脳は人並み以上に発達しているのに対して、聴覚系の脳はそれほどまではありませんでした。

視覚認知と聴覚認知のバランスが良くないのです。

子供の頃ほどではないにしても、今でも文章を一文字ずつ追って音読するのは得意ではありません。

逆にページ全体を映像として、パッとその内容や趣旨をつかみ取ることが出来ます。

いずれにしても聴覚優位の脳を持つ人は内言語力が強く、私のような視覚優位の脳を持つ人は内言語力が人に比べて弱くなります。

左脳よりも右脳が発達しやすくなるのです。

そういう人は、声に出して外言語に頼る傾向があります。

つまり、それだけひとり言が多くなるということです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

あなたは普段、ひとり言をよくつぶやいているでしょうか。

「ひとり言を言っているのが多いな」と自覚されているなら、それは左脳よりも右脳が発達しているからかもしれません。

先述した通り、ひとり言とは無意識で出て来るものでなければいけません。

意識して「ひとり言をつぶやこう」と思ったところで、私達が本当に求めているひとり言は出て来ません。

「無意識」から湧き出るひとり言を、「意識」することですくい上げなければなりません。

無意識から湧き出るからこそ素通りしてしまうものですが、ひとり言が湧き出た瞬間に意識する必要があるのです。

その無意識から出たひとり言に意識を向ける大切さに関して、同じ章の『本当の知恵や宝は自分の中に眠っている』から以下の通り解説しています。

左脳由来であれ、右脳由来であれ、ひとり言は自分自身の内側から自分に向けられた重要なメッセージであることに変わりはありません。

そのメッセージをいかに真摯に受け止めることが出来るか、つまりひとり言を言っている自分をしっかり認識することが大切になります。

例えば思わず、ひとり言が口から出たとき、ほとんど気にも留めずひとり言を言っていることすらも気がつかない人もいます。

それではせっかくの重要な情報、メッセージを見逃してしまうことになります。

「あれ?今何かを呟いたぞ?」

「なんだ?今何て言ったんだっけ?」

ひとり言を再確認するという行為がとても大事になるのです。

それによって無意識で出たひとり言を、意識化することが出来ます。

その上で、「きっとどこかに違和感を覚えたから、そんなことを口走ったのかな」とか、「なんで自分はダメだと思ったのだろう。じゃあどうすればいいのさ」とひとり言に対する返答を口に出してみてください。

まるで一人二役のように、ひとり言で会話を続けてみるのです。

すると、「どうしてその言葉が出てきたのか」、「自分がそれに対してどう考え、どうしたいのか」ということが次第にはっきりとしてくるはずです。

つまり、ひとり言と向き合うということは、自分自身と向き合うことイコール自己認知に他ならないのです。

SNSやチャットGPTなど、私たちは答えを自分の外のデータや情報に求めがちです。

ですが、自分が何をしたいか、何が大切か、どうするべきかといった自分の問題の答えは自分自身の中にしかありません。

本当の知恵や宝は自分の中に眠っているのです。

禅は、「すべての答えは自分の中にある」という思想を大前提としているそうです。

自分と向き合う独り言こそ、自己を認知し、内なる答えを見つける究極のツールなのです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

ひとり言とは、つぶやいただけでは意味がないのです。

無意識から出たひとり言をすくい上げ、そこから会話を繋げていくことで意味が生まれます。

そしてそれは難しいことではありません。

上記の引用の通り、チャットGPTなどのAIに何かを尋ねることは私達も普段から行っています。

そんな感覚で気軽に尋ねてみればいいのです。

もしかしたら、最初の内は返事が返ってこないかもしれません。

それでも問いかけ続けていく内に、いつか返答が返ってきます。

そうやってひとり言から会話を繋げていくと、様々な効果が生まれてきます。

そんなひとり言の効果について、同じ章の『ひとり言のすごい効果①気持ちが整理され、心が軽くなる』から以下の通り解説しています。

ひとり言のすごい効果

ひとり言を発することで様々な効果、効用が得られます。

ここからは、その具体的な例を挙げてみたいと思います。

まず一つ目は、内省を促し、心の整理がつくということです。

ひとり言は、自己の内面からおのずと溢れ出てくるものです。

それだけに、ひとり言と向き合うことは自己と向き合うこと、イコール内省に繋がります。

「どうしてあんなことを言ったんだろう?」

「なんであんなことをしたのか?」

自分の発言や行動を振り返って、至らない思いや悔しい思いに囚われることもあると思います。

そんな時、思わずひとり言をこぼしていることがありませんか?

自分の言動や行動を後悔する気持ちや責める気持ちが強いほど、心の中には強いストレスが生じています。

ひとり言には、そんなやる方ない不満やストレスを言葉にすることで解消し、消化する力があります。

「あーあ」とか、「もう」というような感嘆詞は、そんなひとり言の一部かもしれません。

また、「はぁ」と大きくため息をつくこともひとり言の一種だと言えるでしょう。

いずれにしても、溜まったストレスを声に出すことで発散する作用があります。

意識的にも無意識的にも、このようなことを皆さんは日常の中でやっているのではないでしょうか。

さらにひとり言を呟くことで、単にストレスを発散するだけでなく、「次にどうしたらいいか」という対処の仕方が分かったり、心の整理がつく場合があります。

「よし、次に会ったら謝っておこう」

「今さら気にしても仕方がないさ」

「どうにかなるって」

ストレスを発散しながら自問自答をする内に、不安や心配が少し軽減されるでしょ。

ひとり言にはモヤモヤした気持ちが整理されたり、踏ん切りがついて心が軽くなるという効果があるのです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

行き場のない思いが生まれた時に、つい出て来るのがひとり言です。

「ある思いや感情が自分の中ではもう抱えきれない」と感じた時に、無意識に言葉が生み出されます。

この時に生み出された言葉を拾って自問自答すると、自分の中で腑に落ちたり、受け入れられるようになってスッキリするはずです。

頭や心がぐちゃぐちゃになっている状態でも、ひとり言をつぶやくと自然に整理されていきます。

そして、それは内省にも繋がります。

悩みを抱えている時もひとり言をつぶやくことで、自然と解決策が見つけられる場合があります。

同じ章の『ひとり言のすごい効果④「悩み」を言語化することで解決に導く』から、ひとり言でどうして悩みが解決出来るようになるかを以下の通り解説しています。

悩みというのは、脳科学的に言うと、問題を言語化できていない状態だと言えます。

例えば、「なかなか彼女ができない」と悩んでいる人がいたとします。

職場に異性が少なく、出会いがないとか、性格が消極的で自信がないとか、容姿が人より劣るとか、彼女ができない理由がいくつかあるはずです。

その理由をしっかりと認識しているのであれば、改善できるものは改善すればいいということになります。

仮に、「背が低い」とか「容姿が人より劣っている」と感じていたとしましょう。

それでも、おしゃれをしたり、清潔にして身だしなみを整えることで、かなり印象が変わります。

「消極的で自信がない」という人は例えば、自分の趣味や興味のある分野を突き詰めて、「他人にこれだけは負けない」とか自慢出来るというものを持つことで、かなり意識が変わるはずです。

職場に出会いがないのであれば、サークルだとか勉強会など、いろんな場に足を運んでみることだって出来るでしょう。

その上で、どうしても改善したり、変えることが出来ないものもあります。

例えば、自分の出自だとか、出身地、人種などは、どうあがいても変えることは出来ません。

そういうコントロール不可能なものに関しては、最初から悩んでも仕方がないでしょう。

残ったコントロール可能なものに関しては、とにかく改善、改良をすればいいということになります。

つまり、悩みというのは、本来は解決するべき問題や課題に変えることが出来るということです。

問題や課題に出来るということは、必ず解決する方法があるということなのです。

ですから、何かに悩んでいる人は、「悩みを問題化することが出来ない人」ということが出来ます。

ここで、ひとり言が大きな力を発揮することになります。

「何が問題なんだろう?」

「どう改善すればいいのかな?」

声に出してもいいし、声を発せず、内言語でもいいでしょう。

いずれにしても、そうやって自問自答を繰り返すことで、悩みはいつの間にか解決するべき問題に変わっていくはずです。

ひとり言は、悩みを問題化し、解決に導く有効な手段なのです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

悩みを抱えていると、それが本当に自分で解決出来るものなのか、その線引きがあやふやになってしまっていることがあります。

上記の引用の通り、悩みはコントロール可能なものに関してのみ注力すればいいのです。

当たり前のことですが、悩みがあると人は「その悩みが本当に自分で解決するのが可能なのか」をつい忘れてしまいがちです。

悩んでいる当人が「悩まなくてもいいことは悩まなくてもいい」ということに、気付いていないことは往々にしてよくあります。

なので、悩みがあるならまず自分自身に問いかけるようにして、ひとり言を発してみてはいかがでしょうか。

あなたが今抱えている悩みがコントロール可能かどうか、その線引きが引けるだけでも心は軽くなります。

ここまでの文章を読んでいても、「ひとり言を言うだけで本当にそんな効果があるのだろうか」と疑問に思われているかもしれません。

実はひとり言を言うだけでも、脳全体が活性化されることが本書で語られています。

第2章の『talk to myself chapter-02 ひとり言と脳の関係』の『「脳番地」から読み解くひとり言と脳の関係』から、ひとり言と脳の関係について次の通り説明しています。

スマホを黙って見ていても、脳は働かない

前章では、本当に大事な情報は自分の頭、イコール脳の中にあるというお話をしました。

ひとり言とは、その脳からのメッセージであり、同時にその脳との対話そのものでもあるということでした。

この章では、ひとり言と脳との関係を改めて詳しく解き明かしていきましょう。

それによってひとり言の本質とそれが持つ力、可能性がより理解出来ると思います。

私は脳科学者として、これまでたくさんの人の脳を自ら開発したfNIRS(エフニルス)によって画像解析してきました。

その結果、一千億以上あるといわれる脳の神経細胞は、その働きごとに集団を形成していることがわかりました。

集団ごとに得意な役割があり、それぞれの集団が得意領域の活動をすると共に、互いに密接に情報をやり取りし、高度な人間の脳の働きを作り上げていることが分かったのです。

その役割ごとの脳の領域を、私は「脳番地」と名付けました。

合計120ある脳番地は、大きく8つの系統に分かれます。

それが以下の脳番地です。

1 思考系脳番地、物事を深く考えるときに働くエリア。

2 感情系脳番地、喜怒哀楽などの感情を受け取ったり、表現するときに働くエリア。

3 伝達系脳番地、コミュニケーションを通じて、意思疎通を行うときに働くエリア。

4 理解系脳番地、与えられた情報を理解し、将来に役立てるときに働くエリア。

5 運動系脳番地、体を動かすこと全般に働くエリア。

6 聴覚系脳番地、耳で聞いた情報を脳に集積させるときに働くエリア。

7 視覚系脳番地、目で見た情報を脳に集積させるときに働くエリア。

8 記憶系脳番地、情報を蓄積するときに働くエリア。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

脳は大きく分けても、8つの系統に領域が分かれています。

どの脳番地も私達が生活を送る上で欠かせない領域であり、それらが組み合わさることで私達は日々の生活を送れています。

今までなんとなくでしか感じとれていなかったことが、こうして言語化されて説明されると、脳がどれだけ複雑な構造になっているのかが理解出来たはずです。

もちろん、ひとり言にも脳番地は使われています。

「ひとり言を言う場合、これらの脳番地が緊密に連携し、高度なネットワークを作り出します」と本書にも説明があります。

では、ひとり言を言う場合は、実際にどの脳番地が使われているのでしょうか。

同じ章の『ひとり言はすべての脳番地を使っている』から、ひとり言で使われる脳番地について以下の通り解説しています。

ひとり言は脳のどこから生まれてくるのでしょうか。

例えば、何かに対して深く考え込んでいるとしましょう。

そのときに活発に働いているのは思考系と伝達系の脳番地です。

思考系でいろいろ考えている言葉が、思わず口に出ることがあります。

このとき、思考系と伝達系の脳番地で考えた言葉が、運動系脳番地のエリアを通って表出されます。

言葉として表出されたときは、左脳の回路を主に使っていると考えられます。

それだけでなく、人間は感情的になったときにも思わず声を上げます。

その場合は感情系脳番地を源にしたひとり言だと言えます。

また新しい発見をしたり、難しい問題が解けた時に思わず声を上げる場合があります。

これは理解系脳番地由来のひとり言だと考えられます。

さらに「やったー」とか、「わかったぞ」とひとり言を発声したとしましょう。

この時に働くのが運動系脳番地です。

顔の筋肉や、喉や下の筋肉を動かすことで、言葉を発声するのです。

その直後、今度はその声を聴覚系脳番地が働き、音声として認識します。

その情報が伝達系脳番地によって、理解系脳番地まで伝達されると、理解系脳番地はその情報を分析し、その意味を理解します。

「やったー」と喜ぶ自分の声で、自分自身が喜んでいるということを認識します。

それによって、喜びは自分の体験、記憶となって定着します。

この聴覚系、伝達系、理解系の回路は「フォノロジカル」、「音韻ループ」と呼ばれ、この回路が回ることで記憶系も活性化されることがわかっています。

ちなみに後ほど詳しく述べますが、スポーツ選手が「いくぞ」とか「よし」などと気合を入れる掛け声を発していることがあります。

これらも脳の力を最大化する効果があると考えられます。

ここまでがひとり言を発して、それを自分の聴覚でキャッチし、それを認識するまでの一連の流れとなります。

たった一言のひとり言をつぶやいただけで、この様にほとんど全ての脳番地が活性化するわけです。

逆に言えば、ひとり言が多い状態は脳が活発に働いている状態だと言えます。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

実はひとり言には、ほぼ全ての脳番地が使われているのです。

脳番地が使われるほど、脳が活性化していくのですから、ひとり言には脳を活性化させる力があります。

ところで、あなたは今この記事をどうやって読んでいますか?

スマホかパソコンの画面で記事を読んでいるはずです。

ここまでひとり言の効果を理解しているのにも関わらず、まさか黙って記事を読んではいませんよね?

この記事に限らず、「黙って読む」のはとてももったいないです。

今からでも遅くはありませんので、どんどんひとり言をつぶやきながら、記事を読み進めてみてください。

「周りに人がいて恥ずかしい」と思うなら、心の中だけで留めておく内言語でも構いません。

同じ章の『スマホを黙って見ていると物事をどんどん忘れていく』から、ひとり言をつぶやきながらスマホを見ることの効果について以下の通り見解を述べています。

脳の仕組みというのは、基本的に三段階になっています。

まず、第一段階が入力系です。

外部の情報を取り入れる段階です。

視覚系と聴覚系を働かせて、目から視覚情報、耳から聴覚情報をインプットします。

それを伝達系により、思考系と理解系に運びます。

私はこの思考系と理解系を合わせて、「ワーキングメモリー」と称しています。

ワーキングメモリーによって、情報が意味付けされ、整備されるのが第二段階です。

そして最後の第3段階が記憶系です。

ワーキングメモリーで処理された情報を、記憶系の海馬の働きによって脳に定着させます。

ところが最近は、第三段階の記憶のところが弱くなっている人が多いように思います。

先ほど説明した会話の少ない人の例は、正にその典型でしょう。

そこまでの状況ではなくても、今の時代は記憶系が働きにくいようです。

特に悪影響を及ぼしているのがスマホです。

スマホからは常に大量の情報が流れています。

ブラウザやサイトからの情報、YouTubeやFacebook、LINEやTikTokなど、実に膨大な情報が溢れ出しています。

それを漫然と見ているだけだと、入力系とワーキングメモリーまでは情報は行きますが、記憶系までにはたどり着かないまま、情報が素通りして行ってしまいます。

全く記憶に残らないまま、どんどん忘れていくのです。

なぜかというと、そこに記憶を繋ぎ止める言葉が介在しないからです。

電車に乗っていると、誰もがスマホだけを無言で見つめています。

あれだけ大勢の人がいるのに、周囲のことは全く気にも留めません。

スマホの中で繰り広げられる世界だけに、一言も喋らずに没頭しているのです。

もし彼らの脳内をfNIRS(エフニルス)で確認したら、きっとワーキングメモリーの思考系と理解系以外の脳は、ほとんど働いていないはずです。

正に、眠っているような状態ではないでしょうか。

ここで、脳を活性化させることが出来るのが言葉です。

本来なら、スマホの情報を元に周囲の人と感想を言い合ったり、雑談すれば記憶に結びつくわけです。

でも、電車の中ではそれも出来ません。

そこでひとり言の出番です。

スマホを見ながら、何かしらひとり言をつぶやいてみるのです。

声に出すのが憚れるのであれば、内言語でも構いません。

海馬は言葉に刺激されます。

すると、記憶系が働き出し、脳がようやく働き出すことが出来るはずです。

(『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』より引用)

あなたは今までスマホを見ている時に、ひとり言をつぶやきながら見ていたでしょうか。

スマホから得られる情報を、ただただ流し読みしてきたのではありませんか?

スマホを閉じた時に、今まで自分が何を調べていたのかや何の情報を得たのかを説明出来るでしょうか。

大半の人はスマホを黙って見ています。

それが普通です。

しかし、その人達の頭の中はどうなっているでしょうか。

もしかしたら、頭の中でひとり言をつぶやきながら読んでいる人もいるかもしれません。

あなたもこれからスマホを見る時は、ひとり言をつぶやきながら読んでみてはいかがでしょうか。

ひとり言を言うことで、あなたの悩みが言語化されるどころか、あなた自身で悩みの解決策が見い出せるかもしれません。

それにはただ単にひとり言を言うだけでなく、ひとり言に対する解像度をもっと上げる必要があります。

本書では、脳科学の視点からひとり言についてさらに詳しく解説しており、ひとり言を実生活に取り入れるようになる方法まで網羅して紹介しています。

あなたが脳科学的に効果のあるひとり言をつぶやけるように、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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