対面のコミュニケーションでズレたり、ぎこちなく感じるのが正常です『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』

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会話で違和感を感じる場面

SNSなら相手と難なく会話が出来るのに、実際に会って話すのは何か苦手。

そんな思いをされたことはありませんか?

SNS上で仲良くなり、実際に会って交流をするオフ会も今の時代では、人と人との交流として当たり前になりました。

ですが、実際に会って話をすると、どうも会話に違和感を感じる方がいます。

この違和感はなぜ生まれてしまうのでしょうか。

それはSNS上で相手に自分の言葉を伝えるのと、対面で相手に自分の言葉を伝えるのは別物であるにも関わらず、SNSで話している感覚を対面にも持ち込もうとするからです。

では、どうすれば対面でも相手に違和感なく自分の言葉を伝えられるのでしょうか。

今回ご紹介する『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』では、伝える前の準備から伝えた後まで「伝える」について体系的にわかりやすく教えてくれる本です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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超有名アナウンサーの伝え方

著者の草野仁さんは元NHKアナウンサーで、ニュースキャスターや総合司会者としても有名です。

長年にわたってテレビに出演されている方なので、著者を何かのテレビ番組で拝見されたこともあるでしょう。

著者は元NHKアナウンサーですが、入社する前は取材記者志望だったと本書で語っています。

自身が希望する部署に入れなかったどころか、アナウンサーという仕事に最初は不安や戸惑いを感じていましたが、著者は57年間もこの仕事に携わりました。

なので、もし今伝えることに自信を持てない方がいても大丈夫だと本書で語っており、大切なのは自分を変えようとする意志だと述べています。

本書はアナウンサーである著者が、57年間の伝える仕事を通じて培った大切なことをなるべくわかりやすい形でまとめた本です。

会話の下準備から始まり、実際に会話をしている時に意識すべきポイント、そして会話が終わった後まで、どうすれば相手に伝えられるのかを体系的に詳しく解説しています。

どの部分も大変参考になりわかりやすかったのですが、特に目から鱗が落ちたのが「言葉を開く」についてです。

本書の第2章『相手の心をつかむ「伝え方」ベスト16』の『1 あなたの言葉はなぜ「伝わらない」のか』から、「言葉を開く」とはどういうことかを次の通り解説しています。

色々と準備を整え、下調べも万全。

何度も練習をしたけれど、自分が期待するほどには相手に話が伝わっていない気がする。

しかし、何が良くないのかがわからない。

こんな思いをしたことはないでしょうか。

もしそうなら、ご自分が使っている言葉について振り返ってみましょう。

ひょっとすると、使い方に原因があるのかもしれません。

私達放送に関わる人間は、相手が聞いた瞬間に理解出来る言葉、平易でわかりやすい言葉を使うことを徹底して心掛けています。

これを私は「言葉を開く」と呼んでいます。

言葉に関する仕事をしていると、自然と語彙は豊富になります。

ですがその分、聞いた相手が「えっ、それは何?」と迷ってしまう言葉をとっさに使ってしまうこともあり得るのです。

そうなると相手は「あの言葉は一体何だったのだろう」と立ち止まって、そこから先の話が頭に入ってこなくなります。

そうならない為にも、私は徹底して言葉を開くようにしています。

(『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』より引用)

自分の頭の中では理解していても、そこに触れずに説明しないまま会話を進めてしまった経験は誰でもあるでしょう。

自分が知っていても、相手がわからなければ会話はそこで止まります。

なので、相手が立ち止まってしまう前に、話す側である自分が先に会話の進行方向にある障害物を取り除く必要があるのです。

では、具体的にどんな障害物があるかというと以下の通り説明しています。

特に気を付けている言葉の代表例は単語です。

漢字二文字の言葉は文字を目で追う時にはスラスラと理解出来ますが、耳で聞くだけの時は判断に迷いやすい言葉なのです。

実際に話し言葉の中に二字熟語をたくさん使ってみましょう。

例、「日本政府は調査の意義を確認する義務があります。」

どうでしょう?

聞いた時に、「照査」かな「調査」かな、「意義」とは「異議」、それとも「意義」?

など、迷う部分がたくさん出て来ますね。

また、言い回しも全体的に固い印象です。

それよりも、

例、「日本政府は調べて明らかになったことを確かめなければなりません。」

と言い換えてみた方が聞き取りやすく、わかりやすくなりますね。

同じように、「討論する」は「話し合う」。

「精査する」は「よく調べる」。

「発言する」は「言う」または「おっしゃる」。

このように出来るだけ開いた言葉に変換して、伝えるようにしています。

(中略)

仕事のプレゼンテーションや面接でも、難しい用語を使って自分をカッコよく見せようとせずに、あくまでも相手、聞き手ファーストの姿勢を心掛けることが、最終的には良い結果に繋がっていくでしょう。

(『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』より引用)

耳だけで聞くと迷いやすい例として二字熟語が挙げられていますが、上記の例の二字熟語を実際に声に出してみると、韻が似てて確かに聞き間違えやすいと感じます。

書き言葉と話し言葉、この二種類は普段から分けておくことがコミュニケーションでの齟齬を防ぐコツです。

本書でも書き言葉と話し言葉の印象の違いについて触れられており、書き言葉あるいは話し言葉のどちらでコミュニケーションを取るかで、同じ人でもだいぶ印象が変わることを著者は指摘しています。

本書の第2章『相手の心をつかむ「伝え方」ベスト16』の『8 言葉で伝える努力をする』から、書き言葉と話し言葉の違いについて次の通り見解を示しています。

相手の印象が変わる2種類のコミュニケーション

今の社会では、相手に伝える際に二つのコミュニケーションのやり方があると思います。

一つは相手を目の前にした対面のコミュニケーション。

もう一つはSNS上で文字テキストでやり取りするコミュニケーションです。

これはここ20年程の主な流れになっていますね。

若い方を見ていると、SNS上でのやり取りは大変上手で、饒舌なように見受けられます。

Xのおかげで、要約して伝える技術も上達したかもしれません。

しかし一方で対面で話してみると、打って変わって大人しい印象を受けます。

「あんなに威勢がよかったのに、どうしたんだろう?」という感じです。

私はこれからの社会では対面とSNS、どちらのコミュニケーションも臨機応変に使い分けることが出来るようになった方がいいと思っています。

それでも基本的には、実際に顔を合わせて会話するべきだと考えています。

人間は対面して交流することで、新しい物を生み出していくことが出来るからです。

人は学校でも会社でも、仲間と切磋琢磨したり、上司や先生から指導を受けたり、お互いに助け合ったりしながら毎日を過ごしていきます。

例えどんなに才能があったとしても、一人きりでは生きていけないし、持っている能力を発揮するには周りの人に自分の事を伝え、理解してもらわなければなりません。

ですから、ここぞという場面では相手に向かって、自分の言いたいことをきちんと伝えようとする。

これは絶対にやるべきなのです。

(『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』より引用)

SNS上のコミュニケーションでは威勢がいいのに、対面のコミュニケーションでは大人しい印象を受ける。

この文章を読んで、ドキッとされた方も多いのではないでしょうか。

ですが、それだけ的を得た見解だと思います。

あなたも何かしらのSNSアカウントは持っているはずです。

SNSで発言しているあなたと対面で話しているあなたに伝え方の違いを感じられますか?

もし心当たりがあるなら、注意が必要です。

「SNS上でのコミュニケーションは得意だけど、対面でのコミュニケーションは苦手」だと思っている人は多いです。

しかし逆に、「対面でのコミュニケーションは得意だけど、SNS上でのコミュニケーションは苦手」だという人はほとんどいません。

例え同じ相手とコミュニケーションを取るにしても、目の前に実物の相手がいるかいないかだけでコミュニケーションに対する意識は大きく変わります。

では、ここぞという場面で対面の相手に向かって、自分の言いたいことをきちんと伝えようにするにはどうすればいいのでしょうか。

上記で引用した文章は、本書で次の通り続きます。

言葉で自分の意思を伝えることを躊躇してはいけません。

豊かに生きていくためには、自分の言葉を通して相手にきちんと伝えることを控えめにしてはいけない。

相手にわかって貰えるように、言葉で伝える努力をしないといけないのです。

もしも今それが足りないと感じているなら、気持ちを切り替えましょう。

話の途中で言葉に詰まってしまったり、言い間違いをしてしまったり、相槌のタイミングが重なったり、あるいはズレたりして、少しぎこちなくなることがあります。

しかし、あまり気にすることはないのではないかと私は思います。

これが生放送だったら、お互いの呼吸を合わせてうまく取りまわしていかなければなりませんが、日常での会話では自然に起こることでしょう。

ですから、ちょっと言い間違えたならもう一度きっちり言い直して、言葉を再現すればよいのです。

生放送の様な時間制限や細かい段取りの無い日常会話の中では、お互いが自分のいいところを出し合って「話をしてよかったな、会った甲斐があったな」という形で終わりたいですよね。

その為には、少しの躓きやミスに気を取られるのではなく、お互いが共有する時間をいい物にしようと前向きに努力をすることが一番いいのではないでしょうか。

(『「伝える」極意 思いを言葉にする30の方法』より引用)

対面でのコミュニケーションはどうしても緊張してしまうものです。

上記の通り、対面でのコミュニケーションは慣れていないとズレたり、ぎこちなさを感じて苦手意識を持ってしまう方が多いのもわかります。

しかし、対面のコミュニケーションには対面にしかない良さがあるのも事実です。

自分の話を相手が聞いてくれているときに、相手の顔の表情や頷いて聞いてくれる姿勢を見ると安心感が生まれて心が落ち着きます。

それに、対面のコミュニケーションはあなた一人だけの問題ではありません。

話し相手がいる以上、相手も参加している会話のことを必ず気にしています。

会話とはどちらか一方が頑張るのではなく、お互いの息を合わせながら前に進む二人三脚の様なものです。

二人三脚で歩き始めたら、歩幅がズレたりぎこちなさを感じるのは当たり前です。

それにあなたがバランスを崩して転びそうになっても、相手が気付いて支えてくれれば転ばずに済みます。

そうやってズレていたりぎこちなさをお互いに感じつつ、前に進みながら補うように調整すればいいだけなのです。

SNS上でのテキストでのやり取りでは、相手の表情や雰囲気が全くわかりません。

文字だけだと気楽に話せると思うのは、自分の中だけで相手の様子を想像するだけで完結しているからです。

それに会話の速度も文字の方が入力に時間が掛かる分、相手の反応を悠長に待つことが出来ます。

しかし、対面でのコミュニケーションは会話の速度が文字よりも圧倒的に早いです。

少しでも沈黙が生まれてしまうと「気まずい」と感じるからか、のべつ幕無しに話さないとダメだと感じている方も少なくありません。

ですが、そんなに焦らなくてもいいのです。

まずは肩の力を抜きましょう。

自分からゆっくり話せば、相手も会話の速度を合わせて落としてくれます。

会話で自分から話を振る際に、つい人は「自分が、自分が」と自分の事ばかりに意識が向いてしまいます。

会話は相手がいて成り立つものなので、あなた一人で無理に頑張ろうとしなくてもいいのです。

著者の言う通り、お互いに助け合いながら、会話は成立させるものです。

そうすれば互いに相手がいてくれることのありがたみを感じながら、会話が出来て良かったなと感じられることでしょう。

本書はタイトル通り、対面でのコミュニケーションを想定して伝え方を向上させてくれる指南書です。

ここまではまだ、ほんの入り口に過ぎません。

あなたが伝えたいことを相手にわかりやすく伝えられるように、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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