「自分を変えたい」と思ったなら、ベッドの上でごろんと横になりましょう『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』

心理的な抑圧を緩和する
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「自分を変える」ことの大変さ

あなたは「自分を変えたい」と思いますか?

以前、「自分を変えたい」と思うなら、その意志の力に頼るのは止めましょう『世界一やさしい 自分を変える方法』の記事に、ある調査では54.7%もの人が自分を変えたいと思っていることを紹介しました。

今、この記事を見てくださっているあなたも「このまま悩みを抱えていてはダメだ」とか「今抱えている悩みから離れたい」など、自分を変えようとしてこのサイトに訪れて記事を見てくださっているのではないでしょうか。

いつもこのサイトに訪れて記事を読んでくださり、本当にありがとうございます。

ただ、その自分を変えたい思い自体があなた自身を苦しめてはいないでしょうか。

そもそも「自分を変える」ということは、とてもエネルギーが必要で大変なことです。

自分を変えることが難しいのは、ダイエットを経験したことがある方なら特に共感して頂けるかと思います。

ダイエットは数日やれば終わりではなく、継続しなければ意味がありません。

でも、大半の人達は継続出来なくて止めてしまいます。

そこでなるべく負担が少ない方法で何とかダイエットを継続させようと、巷には色々なダイエット商品で溢れているわけです。

自分を変えたいと思って行動するのが大変なのは、ダイエットの例をひとつ取ってみても大変なのがこれでご理解頂けたかと思います。

ですが、それでも変われるのなら変わりたいと思いますよね。

では、どうすれば「自分を変える」ことが出来るのでしょうか。

まずは「自分を変える」ことの大変さを正しく理解した上で、「自分を変える」ために必要な正しい行動を取ることが大切だと私は考えています。

その「自分を変える」ことの大変さをわかりやすく解説し、「自分を変える」ために必要な正しい行動をどうすれば取れるようになるのかを教えてくれるのが、今回ご紹介する『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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下のリンクから該当ページに移動しますので、Audibleに興味を持たれた方はこの機会にぜひご利用してみてください。

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なぜ「自分を変える」ことは大変なのか

著者の藤野智哉さんは精神科医です。

精神科医として働いたり、SNSや講演で多くの人と関わったりする中で次のような言葉をよく聞くと話しています。

それは「このままじゃダメ、変わらなきゃ」、「もっと頑張らないと」、「成長しなきゃ」といった変わろうという気持ちの言葉です。

自分の至らない点を改善しようとすることや、少し背伸びをして努力すること、成長しようと頑張ることも確かに大事だとは思うと著者は述べています。

しかし、自分に辛い、しんどい思いをさせて、自分をすり減らしてまで本当にすべきことでしょうかと発言者の姿勢に疑問を抱きます。

「自分を変えたい」と思ったのなら、まずはして欲しいことがあると次の通り見解を示しています。

職場や周囲の環境に合わせよう、馴染もうとすることも大事だとは思いますが、そんな時は「変わらなきゃ」と焦らないで、まずは疲れたりしんどくなっている体や気持ちのケアの方を先にしてみて欲しいのです。

大好きな人との結婚や望んだ会社への転職、昇進など、嬉しいことやおめでたいことであっても、環境の変化はストレスになったりするものです。

ましてや望んだ場所ではなかったり、苦手なタイプの人が上司になったりした場合、親しい人とのお別れなどで大きく環境が変化した場合は、さらにストレスの負荷が大きくなったりします。

今までとは大きく環境や状況が変わるのですから、心も体もしんどくなって当たり前なんですよ。

心身のケアが出来て落ち着いたときに、それでも改めて変わろうと思えたのなら、変わればいいんじゃないでしょうか。

自分を変えようとすることも大事だけど、自分をケアする、労わることも大事にしてみて欲しいなと思います。

自分を変えようとするのは、心身のケアが出来て落ち着いたときでいい。

今、あなたの心身はどんな状態でしょうか。

「変わりたい」という気持ちで心がいっぱいになって、焦ってはいないでしょうか。

精神科医として働かれている著者が、行動するよりもまず先に心身のケアを優先すべきと答えているところからも「変わる」ことの負担の大きさが伺えます。

著者もそのことに本書で触れていて、次の通り説明されています。

そもそも、変わるって結構大変です。

慣れている仕事をするより新しい仕事をする方が疲れたり、いつもの道を歩くより新しい街を歩くときの方が緊張したりします。

変わるってとてもエネルギーがいるし、疲れることなんです。

それにね、「変わらなきゃ」とか「このままじゃダメ」って感じる時は、その言葉の裏にはこんな気持ちが含まれていたりします。

「今の自分が嫌い」、「今の自分は正しくない」、「今の自分は何かが足りない」。

自分を否定する気持ちがあるんですね。

だから、変わりたいと思えば思うほど、自分の否定に繋がって何だか苦しくなってしまうこともあったりするんです。

僕は、「無理して変わろうとしなくていいよ」って伝えたいです。

無理して変わろうとするよりも、弱い自分、辛い自分、しんどい自分、出来ない自分、ポンコツな自分、すぐ弱音を吐く自分、そのまま全部ひっくるめて、そのままの自分を大切にすることを意識してみて欲しいなと思うのです。

一方で、変わりたいという気持ちもすごく大切です。

今がうまくいっていなかったり、不足していると感じている部分があって、変わることでうまくいくようになるのなら嬉しいことですよね。

もしも今、ちょっとだけでも「変わりたいな、前に進みたい」と思うなら、やっぱり今の自分をめちゃくちゃ大切にしてください。

失敗したり、うまくいかないことがあっても、自分が自分の一番の味方でいて欲しいって思います。

自分の心も体もケアして労わって、大切にしてあげて欲しいのです。

その上で、心身共に整ってフラットな状況になったら、うまくいかない自分やうまくいくためには何が大切かに向き合ってみればいいのではないでしょうか。

そんな時に自然と無理なく変わっていけたりするものですよ。

「変わらなきゃ」という言葉の裏には、自分を否定する気持ちがある。

あなたも「自分を変えたい」と思うたびに、どこかしんどさや苦しさを感じてはいないでしょうか。

それは言葉の裏側にある自分を否定する気持ちが原因です。

「自分を変えたい」と思えば思うほど、自分を否定する気持ちも大きくなってしまう。

だからこそ、まずは自分自身の心身のケアが必要だと著者は述べています。

では、自分を否定する気持ちはどうすればなくせるのでしょうか。

著者は次の考え方を提案しています。

いきなり「そのままの自分を生きよう」と言われても、全部の自分をありのままに、そのままさらけ出すというのは怖いしどうしたらいいのかわからないという人もいるでしょう。

その気持ちもわかります。

だから、この本ではちょっとだけそのままの自分を生きること、そのままの自分を生きてみることというのをまずは提案したいなと思いました。

変わらなきゃって思ったときは、このままじゃダメって思ったときは、ちょっと落ち着いて。

ベッドでもソファでも、ごろんと横になってみて。

少しだけ、そのままの自分を見せちゃダメかを考えてみてください。

そのままの自分で生きられない場面やタイミングもあると思います。

時には周りに合わせたり、会社や世間のルールを守りながら、常識や普通を気にしながら生きなければならないこともあると思います。

でも、やっぱり弱い自分やポンコツな自分、出来ない自分、へこむ自分、そんな自分を「これも自分だなぁ」とありのままそのまま受け止めて、そのままの自分を生きることも大切にしてみて欲しいなと思うのです。

今の自分をありのまま受け止めることで、自分のことを否定する感情は和らぎます。

否定する感情が和らぐと、「変わらなきゃ」という切羽詰まったような気持ちも薄れていきます。

そこで改めて、自分が変わりたいのか変わりたくないのかを向き合ってみればいいと著者は勧めています。

本書の第1章の「まずは自分をいたわり、ケアする」の「惰性で生きたっていい、頑張るだけが人生じゃない」の項目にて、どういう風に向き合えばいいのかを次の通り解説しています。

前にもお伝えしたように、本書は変わった方がいいとお勧めする本ではありません。

変わっても、変わらなくてもいいです。

というより、どうか無理して変わろうとしすぎないでください。

もしも「自分は変わらなきゃ」、「もうダメだ」みたいに思い詰めてしまっている人は、ちょっと落ち着いて。

ベットでもソファでも、ごろんと横になってみてもいいかもしれません。

頑張りがちで疲れてしまう人には、ちゃんとできている自分と全然出来ていない自分の二択で考えている人も多いんですよね。

でも実際は「頑張っている、頑張っていない」の間には、果てしないグラデーションが広がっています。

そんな単純に二つに分けられないものです。

それに「家でダラダラする自分なんて許せない」と思うかもしれませんが、人には頑張れない時期だってあるんです。

バリバリ頑張れる時期もあれば、しんどくてただただ一日をしのぐ時期もある。

そのタイミングは人それぞれなんです。

白か黒かはっきり見分けが付けられないことは世の中にたくさんあります。

ただ、見分けが付けられないからこそ、いいこともたくさんあります。

「頑張っている、頑張っていない」の間には、果てしないグラデーションが広がっていますと著者は説明していますが、本当にその通りだと強く共感しました。

「頑張っている」部分だけに目を向けてしまうと「こんなに頑張っているのに苦しい」になってしまいますし、「頑張っていない」部分に目を向けると「こんなに頑張っていない自分はダメなんだ」となってしまいます。

両者に共通しているのが、自分の事を否定している気持ちが根底にあることです。

白か黒かどちらかはっきりさせてしまっても自分のことを否定して苦しくなってしまうだけなら、いっそのこと今の状況を受け入れる方が自分を否定する気持ちが和らいで楽になります。

本書を通して著者はタイミングというものを重視していて、自分自身と向き合うのも様子を見ながら行って欲しいと次の様に語っています。

「人生には止まない雨はめっちゃあるものです」

自分に向き合うのってタイミングがすごく大事なんですよ。

よく人を励ます意味で「止まない雨はない」って言う人がいますよね。

悩んでいる人にかけてあげる優しい言葉なのかもしれません。

でも、今辛い人には「土砂降りの雨の中にいる私にそんなこと言われても。今すぐ何とかしたいのよ」と感じる人もいます。

「いやいや、雨の降っていない場所から言わないでよ」と怒る人もいるでしょう。

それにね、人生の悩み事は雨と違って長かったりします。

人生には止まない雨はめっちゃあるものです。

でも、「止まないから絶望しろ」という話ではないので、もう少し話を続けますね。

人間って、環境を受け入れることで対策の出来る生き物だったりします。

昔の人は「雨が止まない、だったらどうしようか」と考えて、傘や雨合羽を作ったりしました。

あまりに土砂降りで、雨が止まずに川が氾濫して困る時は、堤防やダムを作ったりしたのです。

つまり、しんどい時は「いつ止むのかな」と待つのも手だけど、いつまで経っても止まない時は雨の降っていない場所から「いつか止むから」と言ってくる人の言うことを聞く必要はなくて。

それぞれのタイミングで止まない雨と向き合ってみて、対策を考えるのもひとつの手ということです。

ただ、それにもタイミングが大事だなって思います。

常に「なぜ雨が止まないのか、止まないとしたらどうしたらいいか」なんて向き合っていたらしんどい。

向き合い、考えてみるタイミングを自分の中で探してみることは大切です。

今でなくたっていいのです、時々考えるだけでもいいのです。

(『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』より引用)

「止まない雨はない」という言葉を、私自身も色々な場面でよく見聞きしてきました。

この言葉をかけてくる人は晴れている場所から言っていたり、土砂降りの雨を人生で経験したことがないというのも私の経験上からその通りだなと思います。

比喩ではない実際の土砂降りの雨に打たれたことのある方なら共感して頂けるかと思いますが、激しい雨に打たれると冷たさでどんどん体力が失われていくし、服も髪もびしょ濡れになっている不快感からかその場で全てを投げ出したくなってしまうような自暴自棄な感情が芽生えます。

そんな状態の人に「止まない雨」はないと言っても、精神論での励ましにすらなりません。

言われた側は「そんなことより、今の状況を何とかして欲しい」と反発した感情が生まれるのも当然でしょう。

もし土砂降りの雨の中にいるのならば、現実に置き換えたときに自分がどの様な行動を取るのかを考えると今の状況を打開する案が浮かびます。

現実で傘も持たずに土砂降りの雨に遭遇した際は、屋根のあるところに避難して雨宿りをしますよね。

その為にまず最初にすることは、自分が雨に打たれている場所はどこなのか、周囲に屋根のある建造物はないかを見回してみることです。

自分が雨に打たれている場所を確認するのは自分が今何が原因で苦しんでいるのか明確にする、そして周囲に屋根のある建造物を見つけるのはその原因を取り除く方法を考えてみることです。

そして、雨には雨が弱まる時間帯があります。

今土砂降りで前が見えないほどの激しい雨に打たれているなら、雨が弱まったタイミングで考えてみたり行動に移してみればいいのです。

引用した文章にも書かれていますが、雨のことを常に考えてしまうとより雨の激しさが増すだけでしんどくなってしまいます。

雨模様を見て、時間をかけて様子を見ながら、あなたが今自分に出来ることをしてみてください。

あなたが雨に向き合う適切なタイミングと、その雨の対処法を知るために本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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