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気にしないようにしても気になるなら、「脳から消す」のが正解です『あの人を、脳から消す技術』

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目次

矛盾を抱えたあるアドバイスの言葉

「あんまり気にしない方がいいよ」

何かのきっかけで落ち込んだり、思い悩んでいたりする時に人からよく掛けられる言葉です。

ドラマなどのフィクションから実生活の現実までよく耳にする言葉なので、もはや常套句と言ってもいいでしょう。

あなたの言いたいことはとてもよくわかります。

気にしないことが簡単に出来ないから、苦しいんですよね。

むしろ、「気にしない」と思えば思うほど、そのことが頭に思い浮かんできて「気にしている」状態に陥ってしまいます。

「気にしない」と思えば、「気にして」しまう。

では、どうすれば本当の意味で「気にしない」ようになれるのでしょうか。

答えはその原因となった出来事や人を、「脳から消す」ことです。

今回ご紹介する『あの人を、脳から消す技術』は、「気にしない」ではなく「脳から消す」のがなぜ効果的なのか、そして「脳から消す」とはどうやって行うのかを脳科学の視点から解説している本です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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離れられないから尚更気になる

著者の菅原道仁(すがわらみちひと)さんは脳神経外科医です。

「気にしない」と思う代わりに著者が提案しているのが、本書のタイトルにも採用されている「脳から消す」ということなのですが、例えば日常生活のこんな場面で「脳から消す」ことは効果的です。

例えば、大っ嫌いなあの人やとても苦手なあの人がいたとします。

あの人が目の前にいるときだけじゃなくて、離れている時も、夜寝ようとする時も、四六時中頭に住み着いている。

こうなると、何とかしてあの人を排除したい。

あの人の悪いところを思い浮かべたり、貶める方法を考えたり、あの人包囲網を作るために周囲の人を仲間に引き込もうとしたり。

で、ある時ふっと思うんです。

「もしかして、私って嫌な奴?」

このままあの人と一緒にいると、自分のことまで嫌いになっちゃいそう。

そんな惨めな気持ちになることが一度でもあるのなら、あの人のそばからは離れた方がいい。

相手が例え、親や夫や妻や友人や上司や恩師や後輩であったとしても。

自分の心をすり減らしてまで一緒にいる必要はないと思うから。

でも、そうは言っても、物理的にあの人から離れるのは難しいことも多いですよね。

であれば、せめてあの人が目の前にいない時くらいは脳から消してしまえばいいと思うんですね。

もういないものとして扱っちゃう。

脳の仕組みを理解すれば、それは可能なんですよ。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

大っ嫌いな人やとても苦手だと思う人がいるのは自然なことです。

多くの人が共感しながら、上記の引用の文章を読まれたことでしょう。

そう思うのはあなただけではないし、実際に私も共感しながら読みました。

そして大っ嫌いな人やとても苦手だと思う人と物理的に離れるのが難しいというのも、気に留めてしまう大きなポイントだと思います。

簡単に離れられないから、「どうしよう」と考えすぎてしまう。

しかし、いくら考えても結局、「どうしようも出来ない」という結論に辿り着いてしまうわけです。

この様に気にし過ぎるのは心を病むだけではなく、肉体的な症状として表れることがあります。

『はじめに』の『脳は「嫌いな人」を「重要な人」と判断する 「あの人」に苦しめられる人たち』から挙げられている次の様な症状があなたにも出ていたら、注意してください。

「先生、私あの人のことを考えるだけで具合が悪くなるんです」

私のクリニックにいらっしゃる患者さんの中には、診察室でそう打ち明ける方がいます。

私は普段、脳神経外科医として頭痛やめまい、不眠、物忘れなどの診察をすることが多いのですが、検査をしても脳に異常が認められないケースも多くあります。

外来の診察では、患者さんから次の様なプライベートの悩みを聞くことがあります。

(中略)

この様に、頭痛やめまい、不眠の症状で来院される患者さんの中には、実はある特定の人のことを考えすぎて体調を崩されている方が驚くほど多くいます。

検査をしても特に異常は見つからないけれど、確かに症状は実在する。

そんなケースに私達、脳神経外科医はよく遭遇します。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

脳に異常はないのに、症状が表れている。

人間の考える力はこれほどまでに大きな力があります。

それがいい方向に向かってくれればいいのですが、悪い方向に向かってしまうと自分で自分のことをより苦しめてしまうことになります。

そしてこのような辛い状況にいる時に、「辛い時は逃げた方がいい」という言葉をどこかで聞いたことはないでしょうか。

この言葉に関しても、あなたの言いたいことはよくわかります。

簡単に逃げられるなら、もうとっくに逃げていますよね。

そう簡単には逃げられない状況だから苦しんでいるわけです。

本書でも『離れたくても、離れられない』から、「辛い時は逃げた方がいい」という言葉に関して以下の通り見解を述べています。

確かに私達の人生には、出来れば関わりたくない人が一人や二人は存在します。

パワハラ上司、生意気な後輩、困った同僚、気難しい義父母、批判的な親、心が通わない配偶者。

そういった人々の関係に悩む時間は、私達の人生の中で決して少なくありません。

気付くと、脳の中にあの人が住み着いて、支配されてしまっている事すらあります。

出来れば離れたいのに、離れられない。

現代社会において、嫌な人との関係を完全に断ち切ることはとても難しい選択肢です。

会社を辞める、転職する、引っ越す、離婚する。

もちろん、これらも一つの解決策かもしれません。

「辛い時は逃げた方がいい」というアドバイスもしばしば聞きます。

しかし、人間関係で悩むたびにその様な大きな決断をすることは現実的には難しいでしょう。

あの人が身近な存在なら尚更です。

では、一体どうすればいいのでしょうか。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

物理的に離れるのが難しいことはもちろん、それに加えて今はネットもある時代です。

物理的な距離に関係なく、ネットで簡単に繋がれるのですから、嫌いな相手がネット上でも交流を持たなければならない場合であれば、さらに精神的に追い詰められてしまうことでしょう。

そこで著者が提案する対処法が、悩みの元となるあの人を「脳から消す」ことです。

「脳から消す」とは具体的にはどういうことか、『あの人を「危険人物扱い」する扁桃体』から次の通り説明しています。

あの人を目の前から物理的に消すことは難しい。

であれば、脳の中から消してしまえばいいのです。

脳からあの人を消す。

実は脳科学的なアプローチでそれは可能です。

「え?本当にそんなことが出来るんですか?」

はい、出来ます。

より正確に言えば、あの人の存在があなたの脳に与える影響を最小限に抑えるということです。

そのカギを握っているのが、私達の脳の中にある扁桃体という部分です。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

「頭の中から離れられない」という表現の通り、あの人はあなたの頭の中に住み着いていたり、支配されている状況と言えるでしょう。

それなら、頭から追い出してしまえばいいのです。

でも、これまで何度も追い出そうとしても、追い出せなかったんですよね。

それが思いの力だけではどうにもならないことは、あなたも経験されたことでしょう。

しかし、今は違います。

これまであの人を追い出せなかったのは、脳の仕組みを理解していなかったからです。

では、そのカギを握る扁桃体について詳しく見ていきましょう。

「脳から消す」とは扁桃体をコントロールすること

私は脳神経外科医として、30年以上にわたって、人の脳を見つめてきました。

手術で直接的に脳に触れることもあれば、最新の画像診断装置を使って脳の状態を観察することもあります。

その中で興味深いのは、この扁桃体の働きでした。

扁桃体は感情の中枢とも呼ばれ、特に恐怖や不安、怒りといった感情を処理する重要な役割を担っています。

例えば、先程の患者さん達の症状、頭痛、胃痛、不眠、吐き気。

これらは全て、扁桃体があの人を危険な存在として認識し、過剰に反応することで引き起こされているのです。

つまり、あなたがあの人のことを考えるだけで具合が悪くなってしまうのは、扁桃体があなたを守ろうとして活発に働き過ぎているからです。

良かれと思って出している警戒信号が、かえってあなたを苦しめている。

そんな状態だと言えるでしょう。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

扁桃体が守ろうとしている行動が、逆に私達を苦しめてしまっているのが上記の引用でわかりました。

もしかしたらその行動に関して、あなたも心当たりのある反応が実際に表れたことがあるのではないでしょうか。

もちろん、私もあります。

しかし、その原因が扁桃体にあるのだと大抵の人は気が付きません。

「自分の心が弱いからだ」などと見当違いな解釈をしています。

なので、扁桃体についてもっと詳しく知ることで、そういった間違った解釈をしないようになります。

実は本書を書いた著者自身も、扁桃体の反応には悩まされていた時期があり、その時に体験したことを次の通り語っています。

しかし、朗報があります。

私達の脳には、扁桃体の過剰な反応を抑えるための素晴らしい機能も備わっているのです。

ただし、その機能は自然に働くのを待っているだけでは十分な効果を発揮出来ません。

意識的に、科学的に、この機能を活用する必要があるのです。

実は、私自身もかつて扁桃体の暴走に悩まされた経験があります。

医師になってしばらく経った頃、担当する入院患者さん達が常に20から30人はいました。

患者さん達の状態は刻一刻と変わりますから、「今どうしているかな」とか「少し回復したかな」とそれぞれの患者さんのお顔を思い浮かべながら、生きていくことになります。

それ自体は医師としては当然のことなのですが、一方で困った状況にも陥りました。

患者さん達のことが必要以上に心配になり過ぎて、四六時中その人達の顔が頭から離れなくなってしまったのです。

夜眠る前も、朝起きた瞬間も、お昼にランチをしている時も、頭からずっと離れない。

最も困るのは手術の時でした。

脳神経外科の手術というのは、とても繊細な作業です。

ミリ単位で手術器具をコントロールしなければ、脳を傷付けてしまいます。

目の前の患者さんに集中しなければならない、そんな究極の状況下で、他の患者さんのことが頭をよぎらないようにするのがとても大変でした。

しかもそんな時に限って、プライベートのトラブルが起こるものです。

それらを引きづらないよう、仕事に集中することに苦労しました。

当時の私はこの状況を、「集中力を鍛えるしかない」と思い込んでいました。

「医師として一人前になるためには、こうゆう試練を乗り越えなければならないのだろう」と。

しかし、今から思えば、それは扁桃体の過剰反応に振り回されていただけだったのです。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

著者も私達と同じで、扁桃体の過剰反応に悩まされていた内の一人でした。

「今、目の前にやらなければいけないことがあっても、頭の中に住み着いている人が原因で気が散って集中出来ない」など、何か気になることがあればそれが頭から離れなくなることは誰にでもあることなのです。

ここまで文章を読まれていて、「それなら、扁桃体は悪い機能だ」とそう認識するのはまだ早いです。

著者の経験談の続きにその理由があります。

そんな中、私は画期的な発見をしました。

それは脳神経外科医として扁桃体を研究する中で気付いた、扁桃体をコントロールする技術でした。

最初は自分の研究対象である脳という臓器の特徴を、自分自身の悩みの解決に使えないかと考えただけでした。

しかし、実践してみると、驚くほどの効果がありました。

例えば、嫌な上司の声が聞こえてきても、扁桃体にその情報を「重要ではない」と認識させる方法を見つけました。

また、不快な記憶がよみがえってきても、それを「過去の無関係な出来事」として扱う技術も習得しました。

そう、脳から消すというのは、決して魔法の様な話ではありません。

また、記憶を完全に消し去ることでもありません。

それは扁桃体の反応を適切なレベルにコントロールする技術なのです。

「あの人のことでそこまで悩まなくていいよ」

「起きたことは仕方ない」

「反省しすぎなくていいよ」

と感じられるように、自分の脳をコントロールし、自分を追い詰めないようにするわけです。

これによって、脳に住み着いたあの人の存在を薄めていくことが出来ます。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

扁桃体をコントロールしても、記憶から完全に消し去ることは出来ません。

本書では、「記憶は覚えるよりも忘れる方が難しい」と説明されている箇所があります。

しかし、その効果が「気にならないというレベルにまで引き下げることが出来る」のなら十分でしょう。

そして何より、先述した扁桃体の暴走とも言える反応に悩まされることは確実になくなります。

では、扁桃体をコントロールするとはどのようなことを指すのか、その内容に関して『「重要ではない」と判断する訓練』から次の通り解説しています。

具体的に説明しましょう。

私達の脳は、日々膨大な量の情報を処理しています。

今この瞬間も、あなたの脳は様々な情報を受け取っているはずです。

部屋の温度、椅子の感触、遠くで聞こえる音、目に入る多様な物の形や色。

しかし、普段はそのほとんどを意識していませんよね?

それらの全てを意識してしまったら、あれこれ気になって仕方ありません。

では、なぜ意識せずにいられるのでしょうか。

それは扁桃体を含む感情の制御システムが、重要な情報とそうでない情報を自動的に振り分けているからです。

重要でない情報は意識の中心から遠ざけ、重要な情報だけに意識が向くようにしているわけです。

あの人を脳から消すために、脳に備わっているこの機能を活用しようというのが本書です。

嫌いで、ストレスのかかるあの人に関する情報を、扁桃体が重要ではないと判断するよう、徐々に訓練していくのです。

その結果、あの人はあなたにとってオフィスの空調の音程度の存在になっていきます。

近くにいることはわかっていても、扁桃体が過剰に反応することはなく、あなたの心を乱すこともない。

そんな状態を作り出すことが出来ます。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

最終的にはオフィスの空調の音まで気にしないことが出来るのであれば、扁桃体をコントロールする効果の高さを感じられます。

扁桃体をコントロールするには、自動的に振り分けられているシステムがどの様に振り分けられているのか、その構造についてもっと詳しく知らなければなりません。

間違いなく今、あなたにとっての「あの人」は「重要な情報」として振り分けられてしまっているからです。

そしてこのどこに意識が向くかに関してですが、冒頭で話題に挙げた「気にしない」にも通ずるところがあります。

「気にしないように」と思えば思うほど、逆に意識が向いて気にしてしまう。

実は「気にしないように」と思うのは、脳科学的にも良くないことが判明しています。

第2章の『なぜ、あの人が頭から離れないのか』の『 「気にするな」は最悪のアドバイス』から、その理由に関して次の通り答えています。

「気にするな」は脳科学的には最悪のアドバイス

「あの人のことはあまり気にしない方がいいよ」

「考えすぎだから、無視した方がいいんじゃない?」

「気にしなければいいだけだよ」

特定のあの人について誰かに悩みを打ち明けると、この様な言葉を投げかけられるものです。

相手はこちらのことを思ってアドバイスしてくれているのでしょう。

でも、言われた方はそう簡単にはいきません。

気にしたくないのはやまやま。

でも、どうしても気になる。

むしろ、考えないようにすればするほど、あの人のことが頭から離れなくなってしまう。

「気にしない方がいい」というアドバイスは、実は脳科学的に見ると最悪です。

むしろ、逆効果になりやすいことがわかっています。

人の脳は「気にするな」と命令されるほど、かえってその対象に固執する仕組みを持っているからです。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

引用の通り、脳科学では「気にするな」と命令されるほど、その対象に固執する仕組みがあることがわかっています。

ある脳科学者が実験を行ったことで、その仕組みがどんな人にも共通して存在することが証明されました。

では、その実験ではどんなことが行われたのか、同じ章の『白クマ実験の衝撃』で以下の通り述べられています。

1987年、ダニエル・ウェグナー博士は画期的な実験を行いました。

後に「白クマ実験」として世界中で知られることになる実験です。

実験は二つのグループに分けられた被験者がそれぞれ個室で異なる指示を受けます。

一方のグループには、「これから五分間、白いクマのことを絶対に考えないでください。もし頭に白クマが思い浮かんだらベルを鳴らし、どんな考えが浮かんだか声に出してください」と告げられました。

もう一方のグループには、「これから五分間、白いクマのことを自由に考えてください。頭に白クマが思い浮かんだ時はベルを鳴らし、考えを報告してください」と指示が与えられました。

「白クマのことを考えるな」と言われたグループと「考えて」と言われたグループ、結果は衝撃的でした。

「考えないでください」と指示されたグループの被験者たちは、平均して一分間に約七回も白クマについて思考したと報告したのです。

これは「自由に考えてよい」と言われたグループの約二倍。

しかも、実験後のインタビューでは、「考えないように必死になればなるほど、白クマのイメージが鮮明に浮かんできた」という報告が相次ぎました。

ウェグナー博士はこの現象を「リバウンド効果」または「逆的思考抑制」、「パラキシドルエフェクツ」と名付け、論文を発表。

この発見は、人の思考と感情に関する研究に大きな影響を与えることになります。

つまり、職場での人間関係や家庭内での問題でストレスを感じている時こそ、「気にしないようにしよう」という方法は裏目に出やすいのです。

さらにfMRI、機能的磁気画像共鳴法を使った研究でも「考えないようにする」という意識こそが、脳の特定の部位を逆に活性化させることも明らかになってきました。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

「白クマ実験」で考えないようにすることが、逆に考えてしまうことに繋がってしまうのが上記の引用からわかりました。

ここで少し、この実験をあなたも実際に試してみましょう。

今から10秒間だけでいいので、白クマのことは考えないようにしてください。

いかがでしたでしょうか。

考えないようにすればするほど考えてしまうのが、こんな簡単な実験からも証明されるのが身をもって経験されたことでしょう。

この実験で出された問いに対する対処法も実はあります。

それは「白クマ」のことを考えないようにするには、何か他の動物を考えていれば白クマのことは簡単に考えなくなります。

「犬」とか「猫」など、身近にいてパッと思い付きやすい動物でいいんです。

頭に思い浮かんだ動物を眺めていれば、「白クマのことは考えないでください」と言われただけの10秒間よりも、あっという間に時間が経過していることに気が付けるでしょう。

それは白クマの重要度が下がり、他の動物の重要度があなたの中で上がったからです。

その結果、「白クマのことを考えない」と我慢して考えないようにするわけではなく、肩の力を抜いて自然に考えないようにすることが出来ました。

これが「脳から消す」ということです。

この「脳から消す」ということについて、同じ章の『「気にしない」ではなく、「脳から消す」』からさらに詳しく解説されています。

「脳から消す」というのは単なる言葉遊びではない

答えは発想の転換にあります。

気にしないのではなく、脳から消すのです。

これは単なる言葉遊びではありません。

脳科学的に見ると、両者には大きな違いがあります。

「気にしないようにする」というアプローチは、常にその対象を意識し続けることを必要とします。

一方、「脳から消すというアプローチ」は、扁桃体の反応そのものを変えていく方法です。

具体的に言えば、扁桃体は「この人は危険だ」という判断を下すことで、その人に関する情報を重要な記憶として保存します。

そして、その人に関連する情報が入ってくる度に警戒信号を出し続けます。

「気にしないようにする」では、この危険信号が出っ放しの状態になってしまう。

一方、脳から消すというアプローチでは、扁桃体に「あの人は特別な注意を払う必要のない存在だ」と再学習させることで、警戒信号自体を弱めていきます。

それまでの厳重な厳戒態勢を解除するわけです。

私達の脳は、「気にするな」という否定的な命令は苦手ですが、「別の状態にする」という肯定的な命令は得意としています。

スポーツ選手が「失敗しないように」という意識ではなく、「こうすれば成功する」というイメージトレーニングを行うのと、とても似ています。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

スポーツ選手と聞くとポジティブな方が多い印象はないでしょうか。

しかし、一見ポジティブに見えるスポーツ選手も、ネガティブなことを全く考えていないわけではありません。

「失敗するかもしれない」という思いが湧いてきても、「でも、こうすれば成功する」と瞬時に切り替えています。

この切り替えが扁桃体の警戒信号を弱めているのです。

そして扁桃体には警戒信号が強まる時間帯があるのですが、夜が最も強くなると本書で述べられています。

例えばあなたも夜眠ろうとした時に、日中で起こした失敗や落ち込んだ体験が急に頭に浮かんだことはないでしょうか。

それは扁桃体の警戒信号が強くなっていることが原因です。

同じ章の『夜になると不安が増す理由』から、この扁桃体の警戒信号に関して深く掘り下げています。

私達の脳には忘れない為の驚くべき仕組みが備わっています。

前述の通り、昼間に体験した出来事は夜の静かな時間に整理され、眠っている間に記憶としてしっかりと定着していきます。

さらに脳は、似たような記憶同士を結び付け、まるでリンクを張るように互いを繋げていく。

この様な忘れない仕組みは、人類が生き延びていくために欠かせない機能でした。

危険な場所や警戒すべき相手を忘れないこと。

重要な経験を確実に記憶に留めること。

それらの記憶を組み合わせて、新しい状況に対応すること。

こうした能力があったからこそ、私たちの祖先は様々な危機を乗り越えて生き延びることが出来たのです。

しかし、現代社会において、この記憶システムは過剰に働き過ぎてしまいます。

上司からの穏やかな指摘。

同僚との些細なやり取り。

取引先との短い会話。

本来であれば深刻な影響を及ぼすほどの出来事ではないものまでが、重要な危機情報として扁桃体に認識され、強く記憶に刻み込まれてしまうのです。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

些細なことでも気にしてしまうのは、扁桃体が原因です。

繰り返しになりますが、それは脳の仕組みであって、決してあなたの心が弱いわけではありません。

それはここまでの文章を読んでくださったあなたなら、もう十分ご理解して頂けたと思います。

記憶を定着させる時間が夜のため、扁桃体も夜に活発になります。

この時に気を付けて欲しいのが、扁桃体が活発になると眠れなくなってしまうことです。

頭の中でずっと気にしてしまい、同じことがぐるぐるとループして思い出して眠れなくなった。

そんな経験をされたことはないでしょうか。

その様な「不安で眠れなくなる」と扁桃体はどうなってしまうのか、次の通り説明しています。

その結果、夜になると余計な心配が頭を巡り眠れなくなる。

そして悪いことに、この眠れない時間が記憶をさらに強くしてしまうのです。

なぜなら、眠れずにその出来事について考え続けることは、「脳にとってそれだけ重要なことなのだ」というシグナルとなり、より強い記憶として刻み込まれていくからです。

正に記憶と不安の連鎖が生まれてしまうわけです。

これが現代人の多くが「頭から離れない」、「考えすぎてしまう」という悩みを抱える原因となっています。

生存のために発達した記憶システムが、皮肉にも私達の生活の質を下げてしまっているのです。

だからこそ、脳から消す技術が必要になります。

繰り返しますが、これは決して記憶を完全に消し去ることではありません。

むしろ扁桃体の過剰な反応をコントロールし、記憶に振り回されない状態を作り出すことです。

(『あの人を、脳から消す技術』より引用)

夜眠ろうとする際に、その日起きた出来事を思い出したくなっても、思い出すのはもう止めましょう。

嫌な記憶をさらに強めるだけで、今の状況が悪化するだけです。

それに昼間に起きた出来事を夜に思い返そうとするほどなのですから、あなたはもう十分に反省しました。

なので、もうこれ以上反省しようとするのはあなた自身のことを責めてしまうだけです。

それでも何か気掛かりなことがあるのなら、明日の朝考えればいいんです。

夜は眠ることだけに意識を向けてみてください。

ただ、「眠ろう」とすると逆に意識が覚醒してしまい、眠れなくなります。

これも原理は先述したシロクマ実験と同じです。

そんな時は目を閉じることだけに意識を向けてみてください。

寝れない時というのは目を開けてしまっているからです。

これは寝ようとすると考えが勝手に思い浮かんでくるので、目を開けることで考えを止めようとしているからでしょう。

そこで「寝よう」と思うのではなく、「目を閉じるだけ」と意識してみてください。

目を閉じ続けようとすることに意識が傾き、余計な考えが徐々に浮かばなくなります。

すると、自然に眠りにつくことが出来ます。

それに目を閉じるだけでも、睡眠効果があることが本書でも述べられています。

余計な考えが思い浮かんで、夜眠れなくなった時はぜひこの方法を試してみてください。

この方法の効果は、私自身も実際に試してみて検証済みです。

日中でも「あの人」のことが思い浮かんでしまった時に、どうやって「脳から消す」のか具体的なテクニックや方法に関しては本書に記載されています。

あなたも「気にしない」ことを止めて、これからは「脳から消す」ことで記憶に振り回されないようにするために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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