本音を話す大切さを理解していれば、人に悩みを話す時のためらいは弱まります『感じるオープンダイアローグ』

悩みを人に話す
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本音を話すのはなぜ難しいのか

「どうして何もわかってくれないの!?」

この言葉を聞いて、どんなシチュエーションで発言者はどんな方を想像したでしょうか。

私が想像したのは、カップルの痴話喧嘩でこの言葉を言ったのは女性です。

おそらく、この女性はお付き合いされていた男性に色々と不満はあったはずですが、今まで我慢されていたのでしょう。

それが積もりに積もって爆発して、ケンカになったわけです。

となれば、そこから返答する男性の言葉も予想が付くでしょう。

「言ってくれないとわからないよ!」

これは現実でもドラマなどのフィクションの世界でも、よく見るシチュエーションです。

ところで、どうして女性はケンカに発展するまで言えなかったのでしょうか。

それは「相手に自分の気持ちを察して欲しい」という気持ちがあったからです。

なぜ「相手に自分の気持ちを察して欲しい」という気持ちが芽生えたかというと、「自分の本音を相手に伝えるのはためらいがあるから」です。

普段はためらいの方が強くて言えなかったことも、怒りの感情に身を任せた時にようやく言えるようになります。

そして「自分の本音を相手に伝えるのはためらいがある」のは女性に限らず、男性も同じです。

男性の場合は「これくらいのことは言わなくても相手はわかってくれるだろう」という思いから来ています。

ですが、コミュニケーションは時に相手に自分の本心を伝えなければ、相手と良好な関係を築くことが出来ません。

例に挙げたカップルのように、お互いに相手を誤解したまますれ違ってしまいます。

そしてこの「時に」は、人に自分の悩みを話す時も含まれています。

しかし、「時に」は普段の日常生活では機会が少なくて経験が浅いために、いざという時に話せなかったり相手に上手に伝えることは難しいです。

では本音を伝える際に生じるためらいに打ち勝ち、相手にわかりやすく伝えるにはどうすればいいのでしょうか。

今回ご紹介する『感じるオープンダイアローグ』では、対話の重要性を理解して自分の本音を伝える時に生まれるためらいを少なくしてくれます。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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オープンダイアローグとは

著者の森川すいめいさんは精神科医です。

著者は精神医療の現場でオープンダイアローグを用いて治療を行っています。

本書のタイトルにも使用されているオープンダイアローグとは一体何なのでしょうか。

オープンダイアローグの発祥から概要までを以下の通り説明されています。

1980年代、フィンランド北部の西ラップランド地方にある精神科の病院ケロプダスは、困難に直面した人達との対話を始めた。

それが後にオープンダイアローグと名付けられ、今ではフィンランド中に、そして世界各地に考え方が広がりつつある。

何でも、精神を病む8割の人が回復しているという。

オープンダイアローグのオープンとは何か、それはクライアントである本人がご家族などの関係者に対して開かれているという意味だ。

それまでの精神医療では、本人の情報が本人達にクローズにされていたり、医療者が治療方針を本人のいないスタッフルームで話し合って決めていたりしていたが、ケロプダス病院はそういうことを無しにした。

そして、困難を抱えている本人とその人に関係する人達、複数の医療職とで対話の場を作った。

それ以前はクライアントと精神科医が一対一で診療を行っていたが、ケロプダス病院は一対一で会うことを止めた。

対話の場に複数の人達がいることによって、事態を多面的に理解することを助け、すると困難を解消する為のアイディアや道筋がいくつもあることに気付いていく。

著者はフィンランドにあるケロプダス病院に行き、オープンダイアローグの研修を受けて日本でもオープンダイアローグを使った診療を行いました。

実際に医療の現場でオープンダイアローグを使用してみた感想を次の通り述べています。

オープンダイアローグの実践を通して感じるのは、既存の医療や支援の現場に対話がもっとあった方がいいということである。

対等の関係性の中で話す、その人のいないところでその人のことを話さない、全員の声が大切にされる、チームで対話するなど、こうした考え方は精神医療の分野だけではなく、学校、職場、自治体、福祉、介護の現場やもっと身近な家族の中でも応用可能だ。

オープンダイアローグに関する書籍は、すでにいくつか出版されているからオープンダイアローグを知ることは難しくなくなった。

しかしまだ実践するための物は少なく、もっとたくさん紹介されて欲しいと思う。

実践書は本によって書いてあることが異なるくらい多様な方がいい。

複数の第三者が、困難に直面した人達との輪に入っていき、対話する。

対話の場を作ろうとするスタッフ達は、その場にいる全員に親身に寄り添いながら、中立の立場で時には自分の考えを話す。

一回の対話の時間は60分で、困りごとがあればすぐに対話の場が開かれ、必要なだけ対話を繰り返す。

対話はそこに集まった人たちで、60分の対話の場をどの様に使っていくかを話し合うことから始まる。

そう出来ればいいのだけれど、どうやったらそれを実現出来るのか。

本書はこの問いへ応答することに挑戦する。

上記の通り、オープンダイアローグの考え方は身近な関係にも応用が効きます。

本書で紹介されているオープンダイアローグの考え方を理解して、オープンダイアローグの実用例から流れを理解すれば雰囲気を掴めるはずです。

本書でも、「オープンダイアローグを知識としてではなく、感覚的に捉えられることを目指した」と述べられています。

注意して欲しいのは、本書はオープンダイアローグの考え方を紹介しているのであって、オープンダイアローグのやり方を紹介している本ではないということです。

やり方を紹介しない理由を以下の通り説明されています。

同時に本書は、オープンダイアローグのやり方の様なものを紹介することは避けた。

オープンダイアローグの実践とは、自転車に乗るようなものと例えることが出来る。

自転車の乗り方をいくら文章で説明しても、自転車に乗れるようにはならない。

自転車を乗りこなすためには、実際のイメージが必要だ。

イメージを持つことが出来れば、練習することが出来る。

だから、本書ではいくつかの事例を紹介するようにした。

「こんな感じなのか」と知っていただくことで、対話を実践したいと思う人達の助けになるのではないかと思う。

オープンダイアローグはこれまでの説明の通り、オープンダイアローグに参加する必要な人達を揃えなければいけません。

しかも、ただ揃えるのではなく、オープンダイアローグに参加する人達全員がオープンダイアローグについて理解をしておく必要があります。

ここにハードルの高さを感じられた方もいるのではないでしょうか。

「自分は理解していても、周囲の人達が理解を示してくれるかわからないから難しい」

私もそう思います。

オープンダイアローグはこれから広がるかどうか、そしてその考え方が受け入れられるかどうかが日本ではまだわかりません。

フィンランドでは成功されているみたいですが、日本でも成功するかは周囲の理解を得られるかどうかだと私は思っています。

ですが、イメージの世界では相手の承認は必要ありません。

自分の中で鮮明にその場を想像して、オープンダイアローグを行うだけでも、少なくとも自分自身とは深く対話しているのですから効果はあります。

それにいつかオープンダイアローグが日本でも一般的に浸透された際に、普段からイメージをしていた分、実際にオープンダイアローグを行った際に相手にわかりやすく伝えることが出来ます。

本書ではいくつかの事例を紹介していますが、オープンダイアローグを実際に受けた著者の体験談が、オープンダイアローグを通して心境が変わっていく過程が鮮明に描かれていてわかりやすいです。

著者も自身の体験を話されていることを本書の特徴の一つとして、次の通り話されています。

本書の特徴といえるのは、第3章のオープンダイアローグの実践者になる為に筆者が受けた対話のトレーニングの章だと思う。

対話のトレーニングとは何かを簡単にまとめると、トレーニングを受ける一人一人トレイニーが三年の期間、オープンダイアローグによる対話を続けるということだ。

それはトレイニーにとって対話の実践者になる為のトレーニングになると同時に、自分がクライアントになるのと同じだった。

自分自身の抱える困難を話し、自分の家族を招いて会話し、それを仲間達に聞いてもらう。

トレイニー達はそれぞれ自分の人生の中に困難を抱えていた。

困難というのは誰の元にもあるものだ。

誰もが等しく何かに傷つき、大切な人との別れがあり、時には生きる意味に苦悩していた。

誰もが生きていたプロセスのどこかで、ひどく動揺する出来事に出会っている。

それは幼少期かもしれないし、青年期かもしれないし、働き始めてからのことかもしれない。

抱えている困難をトレイニー達はその場で仲間達に話す。

それはあたかも、一人の患者が対話によって回復するプロセスそのものだった。

今この記事を読んでくださっているあなたにも、この記事を書いた私にも困難がありました。

あなたはその困難にひどく動揺したからこそ、このサイトに訪れて、今この記事を読んでくださっているのだと思います。

あなたが抱えている困難を話すことは、話すだけで回復に繋がります。

私は対面でのカウンセリングを通してですが、昔受けた心の傷が和らいでいくのを話していて感じました。

ただ、私が初めて対面でのカウンセリングでカウンセラーの方に自分自身の抱えている困難を話した時もそうだったのですが、いざ人に話そうとすると「ためらい」というよりも、もっと大きな心理的な抵抗感に押しつぶされそうになります。

その抵抗感を感じながら話し始めると、今度は話が止まらなくなり感情がどんどん溢れてきました。

著者もオープンダイアローグを通して、トレイニー達に自身のことを話した時の心境をこう語っています。

本音を話す時に邪魔をするためらいの正体

私がケロプダス病院に行ったとき、スタッフの一人がこう話してくれた。

「誰もが自分の人生の中で、心に傷を持っています」

人生には出会いと別れがある。

人と関わる中でとても大きな傷を負う人達もいる。

自分の話をするというトレーニングでは、どうしても自分自身の心の傷に触れることになる。

自分の家族の話をするとき、たいていの人は目に涙を浮かべた。

私は最初に家族の話をしたとき、涙を流し深く嗚咽した。

もう二度と会うことのない両親のこと。

それまでの私はもう大人だし精神科医になったのだから、家族のことや傷ついた体験など自分の事を他人に話すものではないと思っていたのだと思う。

過去を乗り越えて、今がある。

私は未来に向かっている。

そう考えていた。

だから、私は自分が嗚咽していることに驚いた。

私は過去にフタをしていただけだった。

私は身を委ねて涙し、自分が立つことが出来るようになるまで支えて貰った。

そして、私は仲間の話を聞き、同じように涙した。

私が体験したように、仲間にもそうしてあげたいと思った。

あなたに支えが必要な時はいつでもちゃんと支える。

だから、安心してその傷を話して欲しいと願った。

(『感じるオープンダイアローグ』より引用)

上記の通り、自分の話をするのですから、自分自身の心の傷に触れなければなりません。

触れた時の心の傷の痛みに加えて、「相手は本当にこんな話をしても受け止めて貰えるのだろうか」という不安が人に話す際に現れるためらいの正体です。

冒頭で例に挙げたカップルが痴話喧嘩になるまで、相手の女性が自分の本音を言えなかったのもそうです。

心の中では、「相手にこんなこと言って受け止めて貰えるかな」と不安に思っているわけです。

それにもしかしたらそのことで過去に揉めて、女性の心の傷になっていたかもしれません。

不安だけでも話せないのに、自分自身の心の傷に触れるのであればためらいが大きくなるのも当たり前でしょう。

心の傷を人前にさらけ出して、相手に受け止めて貰うことはとても勇気のいることなのです。

ですが、そのためらいを乗り越えて話して受け止めて貰えた時の安堵感は非常に大きく、その安堵感があなたの心の傷を癒してくれます。

本音を話したいと思った際に、相手に本音を一気に話すか、全く話さないのかの極端な二択になります。

例に挙げたカップルの痴話喧嘩も、相手の女性が怒りの感情に任せて一気に話す姿を想像されたかと思います。

著者も心の傷を話す際には感情のまま一気に話し始め、涙し嗚咽するほどでした。

本音を話すのはそれだけ感情を揺さぶられる行為です。

そしてその心の傷が深ければ深いほど、感情が大きく揺さぶられます。

感情が大きく揺さぶられるからこそ、今まで見ないようにしていたものが見えて新しい気付きが生まれます。

その新しい気付きが過去に受けた心の傷の痛みを緩和させてくれるような新しい解釈となり、受け止め方が変わります。

相手に自分の本心を伝えることは、自分が変わるきっかけになります。

それだけであなたは自分の心の傷を自分で癒し、悩みを解決しようとする一歩が踏み出せています。

対話の重要性を理解して、本音を話そうとした際にあなたの心の中に生じるためらいをより少なくさせるために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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