悩みを考えすぎて動けない人が思っていること
主に教師が主役のドラマや映画で次の様なシーンを見たことはないでしょうか。
何か問題を抱えた学生が思い悩んでいます。
するとそこに、その学生の担任である主人公の教師が登場しました。
学生は教師に今悩んでいることを打ち明けます。
学生の悩みを真摯に聞いた教師は学生に助言をして、その助言を聞いて気持ちが晴れた学生は問題解決に向けて動き出す。
学生が何かに思い悩んでいて、そこに主人公の教師が現れて救いの手を差し伸べるというベタな展開は、教師が主役のドラマや映画などでは必ずと言っていいほど出て来ます。
現実で何か思い悩んでいる人の中にも、そんな救いの手を差し伸べてくれる人の登場をいつまでも待ちわびている人がいます。
そういった人は「いつか自分の目の前に、自分の悩みを解決してくれるような人が現れるはずだ」と思い、解決に向けて動こうとせずにその場で留まり続けています。
ですが、仮にそんな救世主の様な人が現れたところで、本当にその人の悩みは全て解決されるのでしょうか。
今回ご紹介する『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』は、悩みを聞く側の立場から悩みに対する向き合い方を指南してくれる本です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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Audibleの公式サイトはこちらからどうぞ誤解されがちな心理カウンセラーの仕事とは
本書のタイトル通り、著者の山根洋士さんは心理カウンセラーです。
あなたは心理カウンセラーが具体的に何をしている人かご存知でしょうか。
職業名は聞いたことがあるかとは思いますが、具体的な業務内容まで想像するのは難しいはずです。
心理カウンセラーとは一体どんな職業なのか、本書の「はじめに」から次の通り説明しています。
自己紹介が遅くなりました。
心理カウンセラーの山根洋士です。
私はこれまで8000人を超える人達の相談を受け、その度に本当に色々な職業、年齢、境遇の人の話を聞かせていただきました。
さて、心理カウンセラーってどんな人だと思いますか?
優しい言葉を掛ける人?
鋭い助言をする人?
私は違うと思います。
世界で一番よく話を聞いてくれる人がカウンセラーです。
誤解を恐れずに言えば、ひたすら相手の話を聞くのがカウンセラーの仕事です。
気の利いたことを言うことはないし、的確なアドバイスをすることもないし、格言のようなカッコイイことを言うこともありません。
「ただ話を聞くだけ?なんて楽な仕事だ」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、カウンセリングのゴールは悩みを抱えた人の自己解決です。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
私は心理カウンセラーとは相談者に的確なアドバイスをして、相談者の悩みを解決する職業だと勘違いしていました。
もしかしたら、あなたも心理カウンセラーについて似たような印象を持たれていたのではないでしょうか。
それは誤解で、心理カウンセラーとは相談者の悩みに対して直接的な回答をして解決しようとするのではなく、相談者が自分で解決出来るように支えるのが仕事です。
カウンセリングを含めた悩み相談では相談者の悩みに対してどう答えるか、「答え方」に私達は意識が向きがちです。
ですが、上記の引用の通り心理カウンセラーにとって大切なのは「聞き方」です。
なぜ話を聞くことが仕事として価値があるのか、その理由について本書の文章は以下の通り続きます。
相手が考えを整理して、自ら答えに気が付き言語化する。
そんな営みを邪魔せず、アシストする為に話を聞く。
その為のプロの聞き方は長年の研究で磨かれてきた確かな技術であることを、私は自分がカウンセラーになって痛感しました。
例えば、誰でも日本語は使えますが、話すプロや書くプロがいるのと同じで、聞くプロにも価値があると知ったのです。
全く面識のない人達を相手に会話をするのではなく、話を聞く。
最初は戸惑いもありました。
じっと黙り込んで何かを考えている人もいる。
堰を切ったようにどっと話し始める人もいる。
友達の様に軽快に話せる人もいる。
でも、最後にはほとんどの人が「聞いてくれてありがとう」と言ってくださるのです。
私がカウンセラーという職業だから?
つまり、そういう設定であり、関係だから感謝されるのか?
そう思うこともありましたが、そうではありませんでした。
もちろん、私の性格がいいとか、お笑い芸人さんの様に話が上手いということでもありません。
冒頭で述べた「受容・共感・自己一致」。
相手が安心して何でも話せるように促す技術があるから、聞くプロとしての価値があるのです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
話すプロと言えば講演家、書くプロと言えば書道家、そして聞くプロに当てはまるのがカウンセラーと言ったところでしょうか。
人前に出て意気揚々に話されている講演家や美しい文字で人を感動させる書道家とは違い、カウンセラーの凄さとは、はっきりと目に見えてわかるものではありません。
しかし、人に話すのはためらうような重い悩みでもカウンセラーになら話せてしまう。
「相手が安心して何でも話せるように促す技術」とありますが、確かに聞く技術があるからこそ他の人には安易に出来ないことがカウンセラーには出来るのが凄さとして実感出来ます。
そしてその聞く技術として挙げられている「受容・共感・自己一致」とは何なのか、次の通り解説しています。
聞く技術のすごいところ
何でも話してもらえる人に共通する聞き方の秘訣はこれです。
「受容・共感・自己一致」
受容イコール、相手の価値観や考え方を無条件で受け入れること。
共感イコール、相手の感情を想像して理解すること。
自己一致イコール、自分が自分のあるがままでいること。
そして相手が「自分はこれでいい」と思えるようになること。
これはアメリカの心理学者カール・ロジャースが提唱した傾聴の三原則に基づいています。
カウンセリングでは相手の心を開き、信頼関係を築くために不可欠なプロセスです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
相談者が話しやすい環境作りをカウンセラーが整えることで、相談者が話していく内に自分でも気付かなかった本心に辿り着けます。
また、著者は「話の聞き方の本質は「どう話すか」ではなく、「どう話してもらうか」です」と答えています。
そのことからも自分から話すのではなく、相手に話してもらうことに重きを置いているのがわかります。
そして著者自身も聞く技術を身に付けたことで人生が変わり、それが本書を書く理由になりました。
聞く技術を身に付けた著者がその後どう変わったのか、そして本書が書かれた目的に関してこの様に述べています。
そこでこの本では、私達カウンセラーが普段使っている聞く技術の中から、仕事や日常的な会話に使えるものをまとめました。
実際に私もカウンセラーとして習得した技術が何気ない会話の中でとても効果的であることを実感しています。
会話で感情的になることも、聞き役になって疲れることも、相手をイライラさせることも、ケンカになることもなくなりました。
正直、昔の私からは想像出来ないくらい人間関係が楽になりました。
そして自分が楽になるだけでなく、相手が救われるのも聞く技術のすごいところです。
人との会話は聞き手の技術次第で心が傷つく原因にもなれば、心を救うヒントにもなることをカウンセリングを通じて私は学びました。
実はこの本を書いた理由には、話を聞ける人を増やしたいという目的があります。
なぜ、そんなことを思ったのか。
それは昨今、心を病んでしまう人がとても増えたからです。
「話を聞いてくれる人がいる」ということは、悩んでいる人にとって救いです。
しかし、今は話を聞ける人が足りません。
聞く技術を持たないために、相談に乗っている側の方の人が心をすり減らしてしまうことさえあります。
だから、話を聞ける人が増えることは社会をより良くするために必要なことではないかと思ったのです。
あなたの周りにあなたの話を本当によく聞いてくれる人はいますか?
あなたは家族や友達や仕事仲間の話をよく聞いてあげられる人ですか?
あなたの大切な人にとって、世界で一番よく話を聞いてあげられる人になってください。
この本は聞く技術であなたの課題解決をするだけでなく、あなたの周りの人を救うための本でもあるのです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
人とのコミュニケーションは私達の生活には切っても切り離せません。
コミュニケーションは話す側と聞く側がいることで成り立ちますが、近年のコミュニケーションを高める方法と言えば自分がどう話すか、話す側に重点を置いた内容が多く見受けられます。
しかし、今までお伝えしたきた通り、コミュニケーションにおいて本当に大切なのは聞くことです。
聞く側に意識を向けることで著者は、「人間関係が楽になった」と話されていることから、聞く技術の効果の高さが伺えます。
あなたは人の話を本当の意味で聞けているでしょうか。
聞く側の立場から話す側の相手のことを考えてみることも、聞く技術において大切なことです。
例えば、話す側が悩みを話そうとしても、聞いてくれる相手がペットやぬいぐるみなど人でなければ、悩みを話していても気持ちはあまり晴れません。
なぜペットやぬいぐるみなど、人ではない存在に向かって話しかけても気持ちは晴れないのか、その理由を本書の第1章『「何でも話してもらえる人」は、仕事もプライベートもうまくいく』から『ペットやぬいぐるみでなく人が聞く価値』で次の通り説明されています。
話を聞いてくれるのが人でなければいけない理由
ただ話を聞くだけでいいのなら、話し手からすると犬や猫などのペットでも、極端な話ぬいぐるみでもいいのではないかと考える人もいるのではないかと思います。
確かに心が癒されたり、スッキリするかもしれませんが、話すことの目的である所属欲求が満たされることはありません。
所属欲求は人間同士だからこそ満たされるものだからです。
会話で相手が求めているのは、受容・共感・自己一致です。
カウンセリングは自己解決のお手伝いをすることですが、自己解決を始める前に自分の存在が受け入れられている、受容。
気持ちがわかって貰えている、共感。
そして自分の事が整理出来ている自己一致という段階があります。
受容・共感・自己一致が満たされて、ようやく自己解決が始まるのです。
この三つを満たせるのはペットでもなく、ぬいぐるみでもなく、人です。
言葉が通じないペットや反応することもないぬいぐるみが聞き手では、自分の事をどれだけ話しても残念ながら、自分の存在を認めてもらっている、気持ちがわかってもらえているという所属欲求を満たす感覚は得られません。
ペットやぬいぐるみに話しかけることは心理的には自分との対話になるため、思っていることや考えていることをノートに書き出すのと同じように自分を知ることは出来ます。
しかし、自分のことは整理することは出来ても、自分で自分を受け入れるところ、自己受容まで到達出来ないのです。
自己受容には他者からの受容が必要です。
なぜなら、他の人に認められて初めて、自分で自分の存在を認められるからです。
他者に自分の存在を認められている、自分のことを知ってもらえているという安心感がなければ、自分のことを考えられませんよね。
「そんなことは考えたことなんてない」という人もいるかもしれません。
そういう人にはきっと、その人を受け入れてくれている存在が近くにいるはずです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
悩みを話そうとする時に限らず、人と話す時にあなたも心の奥底でこう思ってはいませんか。
「わかって欲しい」と。
私がこの記事を書いたのもそうです。
本書の魅力をあなたに「わかって欲しい」と思い、この記事を書きました。
「わかって欲しい」と思うのは人として当たり前の欲求であり、これが所属欲求です。
なので、そう思うことは悪いことではありません。
ただ「わかって欲しい」と思った時に、話を聞いてくれる相手が人でなければ意味がないのです。
そして、ここで注意して欲しいことがあります。
それは話を聞く側は私達の想像以上に負担が大きいことです。
「話をただ聞いているだけなら楽なのでは」と思われたかもしれませんが、実際には私達が思っている以上に聞く側には負担がかかっています。
そのことに関して、同じ章の『「聞き疲れ」しないのも、聞く技術』から『聞くのは疲れる』で以下の通り見解を述べています。
ここまで散々、「人の話を聞くのは大事」と話してきましたが、「何だかしんどそうだな」と思った人もいるのではないでしょうか。
実際にこんな人もいます。
「会社の後輩で色々相談してくれる子がいるんです。
とっても真面目で私も好きなんですが、ちょっと困っていることもあって。
「とにかく仕事が辛い」とか「自分がいかにダメか」とか、そういう話が連日のように続くと私も正直疲れちゃうんですよね。
私も励ましたり、「もっとこうしたら?」とアドバイスしたりもするのですが、かえってへこませてしまうこともあって。
だんだん、こっちまでネガティブに持って行かれちゃう感じもあるし。
でも、やっぱり頼られたら聞いてしまう。
そんな自分を変えたいとも思います。」
これは本当によくあることで、聞く側がいかに疲れないようにするかはとても大事なことだと私は思います。
聞くことを仕事にしているカウンセラーでも、聞き続けているとぐったりすることがあります。
だから、カウンセラーが相談者の話を聞く時間は長くても、一回一時間くらいに設定しています。
それが限界だからです。
もちろん、好きな人の話しや聞いてみたかった講演、落語家の話なら長い時間聞いていても疲れを感じることはないでしょう。
しかし、日常的な人付き合いでは会話の内容がいつも楽しいものとは限りません。
愚痴や文句が続くこともあれば、相談事や悩み事など重苦しい話が続くこともあります。
そうした内容の話の場合、真剣に聞けば聞くほど疲れます。
相手の問題のはずなのに、話に入り込みすぎると自分の問題の様に思えてきて、心にダメージを受けてしまうのです。
ですからこの本では、聞き疲れしない為の方法も聞く技術のひとつとして紹介します。
昨今、コロナ禍でのコミュニケーションの断絶や国際情勢を巡る悲しいニュース、著名な方の訃報に触れることでメンタルに不調をきたす人も少なくないと言います。
そんな時に話を聞いて欲しくても、話を聞ける人は少ない。
これは大きな社会課題であると同時に、非常に身近な課題でもあると私は思います。
例えば、あなたの家族や友達や恋人、仕事の仲間。
そんな人達にとってあなたが聞ける人であったなら、もしかしたら救いになるのかもしれない。
おこがましいかもしれませんが、その為にも聞くことの大切さと技術を多くの人に知って欲しいと思うのです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
「重苦しい話」と比喩されているように、話の種類の中には聞くだけで気持ちを沈ませてしまうような重いものも存在します。
その重さに耐え続けるのは確かにしんどいことでしょう。
話す側がその重さを抱えていて既に苦しんでいるのですから、聞く側も負担が大きくなるのは想像に難くないです。
それと重苦しい話を親身になって聞く姿勢はもちろん大切なのですが、あまり寄り添い過ぎると逆に相手の話を聞けなくなってしまうことになります。
それはどういうことなのか、本書の第3章の『安心して話してもらえる信頼関係をつくる聞き方』から『同感すると相手の話を聞けなくなる』で以下の通り解説しています。
話を聞くときに同感してはいけない理由
カウンセリングでは、共感と同感を次の様に表現します。
溺れている人のところへ自分も飛び込んで、一緒に「苦しいね」と溺れるのが同感してしまうカウンセラー。
溺れている人を岸から眺めて、「かなり苦しいだろうな」と感情や気持ちを想像するのが共感するけど同感しないカウンセラー。
誤解して欲しくないのですが、他人事のように振る舞うのがカウンセラーということではありません。
一緒に溺れてもがいてくれるのも優しさですが、カウンセラーは溺れている人が自力で岸へ上れるのを支える存在だということです。
それが自己解決を促すことになります。
先程の例で同感する上司が部下にとって良くないのは、自己解決を出来ない習慣を付けることになるからです。
上司が聞きたいことばかり質問したり、どんどんアドバイスをしたりするようになると会話の心理的安全性は下がっていくでしょう。
上司主導で物事が進んで行くので助かるかもしれませんが、聞かれたこと以外は口を挟む余地がなくなってしまいます。
何か問題が起きると、すぐに色々なカウンセラーに相談するカウンセラーショッピングに陥っている人がいますが、原因は誰かがいないと問題を解消出来なくなっているからです。
自己解決能力の喪失です。
重い話の場合は同感しやすくなることもあるでしょうが、上手な聞き手になりたいなら共感までに抑えるようにしましょう。
相手にとっては共感で十分なのです。
(『なぜ、あの人には何でも話してしまうのか 心理カウンセラーのすごい「聞く技術」』より引用)
溺れている人を見かけて、あなたまで海に飛び込んで一緒に溺れようとする必要はありません。
一緒に溺れて苦しむことが目的ではなくて、溺れる人を助けるのが目的だからです。
溺れている人を遠くの場所からでも助けられるのが、共感することです。
周囲に何があるかを大声で相手に伝えたり、ヘリコプターで上空から浮き輪を溺れている人のところまで落とそうとしたり、遠隔からも救助活動は行えます。
周囲の状況を把握したり浮き輪を掴んだ後は、溺れている人が自力でその状況から脱出するのを見守ってあげてください。
溺れている人は浮き輪を掴めば「助かった」と思うかもしれませんが、浮き輪の浮力だけを頼りにしてしまうと岸からさらに遠くへ流されてしまいます。
さらに浮き輪がしぼんでしまうと、新しい浮き輪を求めるだけで自分が今置かれている状況を解決しようとしなくなります。
海の中にいる事実は変わらないのですから、そこから離れれば問題は解決するのに、いつまで経っても新しい浮き輪を求めてそこに留まろうとします。
これが自己解決能力が欠如している状態です。
誰かに話を聞いて貰えれば、一時的に心はスッキリするでしょう。
しかし、話を聞いて貰っただけで悩みを解決に向けて何も行動しないなら、また心が曇ってしまうのも時間の問題です。
なぜなら、悩んでいる人が置かれている状況は何も変わらないからです。
これでは、浮き輪がしぼんだらまた新しい浮き輪をもらおうとするのと何も変わりません。
記事の冒頭で、ドラマや映画などのベタな展開として、思い悩んでいる生徒が教師に助言を受けるのを例に挙げました。
この教師は果たして同感しているのか、共感しているのかどちらでしょうか。
ベタな展開の詳細をよく思い出してみてください。
教師は思い悩んでいる生徒と一緒に溺れようとはしていないはずです。
教師が生徒の問題に対して直接介入しようとはせず、最終的な判断は生徒自身に委ねて、生徒自身も助言を聞いた後は自分の力で何とかしようとしている展開になっていることが多いでしょう。
それは生徒の悩みは生徒自身が解決出来ると教師が信じているからです。
これが共感です。
それに生徒も一緒に溺れて欲しいとは思っていないはずです。
あくまでも、背中を押して欲しいと思っているだけでしょう。
悩みを考えすぎて動けない人はどうでしょうか。
もしかしたら心の奥底では、「一緒に溺れて欲しい」と思っているのではないでしょうか。
ですが、これまで説明した通り、それでは悩みがいつまで経っても解決しないばかりか、聞いてくれる相手にも多大な負担を与えてしまいます。
溺れているからといって、聞いてくれる相手はヘリコプターや水上ボートで直接助けに来てくれるわけではありません。
浮き輪などの助けを借りながらも、溺れている人自身が自力で岸まで泳ぐ必要があります。
もしかしたら、今この記事を読まれているあなたもどこかそんな思いがあるのではないでしょうか。
実はその気持ちも私にはよくわかります。
なぜなら、この記事を書いた私自身がかつてそうだったからです。
詳しくはこちらの記事に書いていますが、あるきっかけで心理カウンセラーに出会い、話を聞いてもらったことがあるのですが、上記の引用に出て来た「カウンセラーショッピング」に陥っていた時期があります。
「自分が抱えている悩みを誰かに何とかして欲しい」という気持ちが、当時の私は強かったのでしょう。
しかし、これまで説明してきた通り、カウンセラーとはあくまで聞くのが仕事であって、根本的な解決は自分自身が行わなければならないとカウンセラーの方との対話を通して悟りました。
なので、もしあなたが今そんな思いを抱えてこの記事を読まれていても、それは自然なことですからどうかあなた自身のことを責めないでください。
それにここまで記事を読まれたあなたなら、自己解決する大切さを理解されたはずです。
あなたが自力で岸まで泳げるように、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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