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考えがまとまらないのは、化粧品の棚にピザまんが置いてあるからです『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』

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短くても印象に残る言葉の代名詞

テレビを見ていると、いつもいいところでCMが入ります。

最近はテレビではなく、YouTubeなどの動画配信サイトを見る機会が多いかもしれませんが、それらにも広告が入るようになってから随分経ちました。

そういったCMや広告は流れている時間が短いので、すぐに忘れてしまいそうなのですが、気が付いたら覚えてしまっています。

あなたも印象に残っているCMや広告をいくつか思い浮かべられるのではないでしょうか。

その思い浮かんだ内容に注目して欲しいのですが、キャッチコピーをまず最初に思い浮かんだはずです。

例えば、「ジブン、追い越す。」というキャッチコピーが有名なオイコス(OIKOS)の広告など、宣伝している商品名よりもキャッチコピーが先に思い浮かんだことでしょう。

この短いながらも私達の印象に残りやすいキャッチコピー。

実はキャッチコピーを作成する工程には、言語化をしたり、相手にわかりやすく伝えられる技術が凝縮されているのです。

今回ご紹介する『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』は、キャッチコピーを作成する工程を基にして、言語化から相手にわかりやすい伝え方まで幅広く解説している本です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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人に届く言葉は小学生レベルの言葉でいい理由

著者の手代木総(てしろぎそう)さんは電通西日本のコピーライターです。

長年にわたりコピーライターとして働いている著者が、コピーライターとはどんな仕事なのかを次の通り語っています。

私の職業であるコピーライターは、こういった人の心に届ける言葉を日夜考える仕事です。

私自身、25年以上この仕事をしていますが、今でも毎日のように言葉を届ける難しさを感じています。

広告業界にはたくさんの天才がいます。

若い頃からたくさん賞を受賞する人、独立して大きな仕事を成し遂げる人、テレビに出たり、本を何冊も書いていたりする人など、上を見ればキリがありません。

一方の僕はと言えば、20代は明け方まで身を粉にして働いていたのになかなか日の目を見ることがありませんでした。

今でも正直、日の目は見ていません。

当時はワークライフバランスなんていう言葉もなく、たくさんの仕事をこなす人がカッコイイ。

深夜まで働いている人がカッコイイ。

徹夜は当たり前。

そんな時代でした。

僕もずっと働いていました。

あまりにも仕事が終わらないものですから、仕事終わりに飲みに行ったり、映画を見たり、クラブに行ったりしていた同世代の友人達がキラキラ輝いて見えました。

こちらは毎晩、企画との格闘です。

空雑巾から一滴の水を絞り出すように企画を絞り出す。

そんな日々を送っていました。

深夜のファミレスで、もはや何杯目か計測不能なドリンクバーのコーヒーを飲みながらうんうんと唸り、朝方になって何とか出来たコピー案を持って出社します。

上司に提出すると、内容がいまいち過ぎて叱られます。

プリントアウトしたコピー用紙の束をそのまま豪快にゴミ箱に、ダンクシュートされたこともありました。

普通なら、「ピピー、試合終了」です。

完全に自分の時間を仕事に捧げて忙しすぎて、いつも空回り。

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

コピーライターがいかに過酷な仕事であるか、上記の引用の文章からよく伝わってきます。

もしかしたら、「CMや広告で見るようなキャッチコピーは短いから、作るのは簡単ではないか」と思われていたかもしれませんが、実際に作っている現場では血のにじむような努力をされているのがわかります。

コピーライターとして駆け出した著者がその後どうなっていったのか、以下の通り続きます。

そんな中で、20代後半には大好きだった彼女にも振られてしまいます。

人生大絶望です。

新宿の街で徳永英明のレイニーブルーを泣きながら聞いて、二時間くらい彷徨っていました。

「もう全てを断ち切ろう」と東京を離れることを決意した30歳の頃、今の会社に転職しました。

そのとき、気付いたんです。

「あっ、オレって難しく考えすぎていたんだ」と。

僕の仕事であるコピーライティングのことをふと思ったんです。

いいキャッチコピーには難しい言葉は使われていません。

先程引用したものもそうですが、

「やめられない、とまらない」かっぱえびせん、カルビー。

「そうだ、京都行こう」JR東海。

「お値段以上」ニトリ。

「やっちゃえNISSAN」日産自動車。

「何も足さない、何も引かない」サントリーピュアモルトウィスキー山崎、サントリー。

「はじめてのアコム」アコム。

など、誰もが知っている名キャッチコピーは全て簡単な言葉の組み合わせで出来ているのです。

誰にでも伝わる言葉を作らないといけない仕事をしている僕自身が、難しい言葉で考えていたら本末転倒です。

ここに気付いたときから「言葉にすること」、「言葉を伝えること」のハードルがどんどん下がっていきました。

かつての僕と同じように、「言いたいことが思い付かない」、「思いを言葉に出来ない」、「うまく伝えられない」と思っている人の中には、解決策として「もっと言葉を知ろう」、「語彙力を付けよう」と考える方もいます。

でも、それは実はあまり意味がないのかもしれません。

先程ご紹介したキャッチコピーを見たらおわかり頂けるように、小学生でも知っているレベルの言葉だけで人に届く言葉って作れるんです。

平均的な学力の10歳の子供が知っている言葉は、1万2千語とも言われています。

本書を手に取ってくださっている方の多くは大人の方だと思いますから、それ以上の言葉を既に知っています。

つまり、あなたは既に言葉の達人なのです。

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

印象的なキャッチコピーには難しい言葉は全く使われていません。

上記の引用でいくつか例に挙げられているキャッチコピーもどこかで聞き覚えがあると思いますが、どれも難しい言葉が使われていないのがわかります。

冒頭で取り上げたオイコス(OIKOS)のキャッチコピー、「ジブン、追い越す。」も小学生でも知っている言葉で構成されています。

「小学生レベルの言葉」と聞くと、何だかバカにされているような気をされたかもしれません。

しかし、私達の生活で見かけるキャッチコピーをこうして改めてよく見てみると、相手に伝える言葉が小学生レベルでもいいのが納得出来ます。

実際に、あなたもキャッチコピーを見たり聞いたりして、商品を買った経験があるのではないでしょうか。

小学生レベルの言葉でも視聴者に商品の購買を促せるのですから、その効果の高さを実感します。

本書はアパレルメーカー入社二年目でブランドマネージャーに抜擢されたにも関わらず、社内外の人とのコミュニケーションで「うまく言葉に出来ない」、「思ったように伝わらない」と思い悩んでいるチエさんの元に現れた、言語化が得意な謎の猫メイメイとの会話で話が進んでいきます。

本書の1章の『伝わる言葉は小5レベル』から『・「伝わらない」はなぜ起こる?』で、小学生レベルの言葉に取り掛かる前に、頭の中にある言葉を整理することがなぜ最初に大切なのかを次の通り説明しています。

ピザまんを本来あるべき場所に戻すと考えがまとまる

「それでまず、チエさんに思い描いて欲しいのがコンビニの棚なんです。」

「コンビニの棚?」

「そう、食べ物や日用品、雑誌みたいにコンビニにはたくさんの棚がありますよね?」

「棚がなんだって言うの?」

「例えば、チエさんがピザまんを買いにコンビニに行ったとします。

そんな時にピザまんがレジ横のホットスナックの棚じゃなくて、化粧品の棚にあったとしたらどう思いますか?」

「えっ、むき出しのピザまんが置いてあるってこと?それは嫌な気持ちになるね。」

「そうでしょう。コンビニはお客さんが欲しい商品を見つけやすいように、しっかりと棚ごとに整理して、商品を陳列していますよね?

チエさんの頭の中は、ピザまんが化粧品の棚にあるみたいに言葉がバラバラな場所にあるんですよね。」

「言葉がバラバラ?」

「だから、相手に伝えたいことが上手く伝わらない。

というか、そもそも伝える前の段階で失敗しているんです。」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

相手に何かを伝えようとした時に自分の頭の中がごちゃごちゃしていて、言いたいことがうまく伝わらなかった経験はないでしょうか。

その頭の中がごちゃごちゃしているのが、言葉がバラバラな場所にある状態です。

適切な場所に適切な言葉がないから、ごちゃごちゃしてしまっているわけです。

なので、まずは適切な場所に適切な言葉を戻すことから始める必要があります。

では、どうすれば適切な場所に適切な言葉を戻せるのでしょうか。

その方法に関して、以下の通り解説しています。

「相手の頭の中にある言葉の棚を思い浮かべて、言葉を整理して配置していきましょう。」

「言葉の棚の整理か。」

「今回は、

①チエさんは何を求めていたのか。

②期限はいつまでなのか。

という二つを整理して、適切な言葉の棚に収める必要がありました。

でも、この要素は毎回変わります。」

「そうだよね。私だっていつもポスターの発注だけしているわけじゃないし。」

「コンビニの棚も食品の棚ならさらに細かく、スイーツの棚やお弁当の棚といった具合に分けられていますよね?

この場合は商品の分類ごとに分かれています。

それと同じで、頭の中の棚にも整える基準があります。

その基準は相手が求めているものです。

これがわかっていると、棚の配置が決まりやすくなります。

棚がぐちゃぐちゃだと相手に渡すべきものも見つけづらいし、間違ったものを渡してしまうこともあるんですね。」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

棚の配置は「相手が求めているもの」を基準にして決めます。

ここで注意して欲しいのですが、相手が求めているものを伝えようとする時に長過ぎないことです。

むしろ、簡潔で短い言葉の方が相手によく伝わります。

本書ではそれを「言葉イズマネー」と呼んでいます。

「タイムイズマネー」の「タイム」を「言葉」にもじった本書の造語ですが、意味は頭の中にあるものを適切な言葉に出来ること、そしてその言葉をしっかり相手に伝えられることです。

「言葉と上手に付き合えることは、お金と同じように貴重な価値がある」と本書で説いています。

簡潔で短い言葉の方がなぜいいのか、その理由を同じ章から『・小学生レベルの言葉だけで、伝わる言い方は習得できる』で次の通り説明しています。

Z世代と古代ギリシャの哲学者の共通点

「ところでチエさん、今朝の通勤時間では何をしていましたか?」

「えっと、スマホでYouTubeを見てたかな。

最近ショート動画をよく見るんだけど、次から次へと動画が出て来て、止め時がわからないんだよね。

あとは、仕事で発注するポスターの参考になるようなデザインがないか、電車内の広告も見てたかな。」

「そのYouTubeショートも言葉で出来ていますよ。もちろん、広告もですよね。」

「ん?言葉で出来ているって?」

「動画や広告はビジュアルのイメージが強いメディアですが、分解していくと何をどんな風に伝えたいかを言葉で考えた人が根本を作っている物なんです。

あるYouTuberが最近買った商品の魅力の紹介を動画にしたとします。

その動画はある日勝手に出来るわけではなく、そのYouTuberが商品のどこがいいのか、どんな言い方をすれば視聴者に商品の魅力が伝わるかを言葉で考えて、動画を作っているんです。」

「確かに動画の広告も言葉があるからこそ、生まれる表現なのかも。」

「街を歩けば看板広告。電車に乗れば中吊り広告。

スマホでYouTubeを見ても最初の何秒かは広告。

現代は「情報爆発の時代」なんて言われ方もします。

特に広告の洪水が凄まじいんです。」

「Xとかインスタグラムを見ていても、最近は広告が表示されているよね。

そう考えてみると、私の身の回りって広告ばっかりなのかも。」

「情報爆発の時代には、あらゆる情報の送り手があの手この手で言葉を伝えようとしてきます。

YouTubeにショートが登場したり、TikTokが人気になったりしているのも、短い動画で素早く言葉を届けたいという送り手の思惑が表れています。

チエさんが見ていたYouTubeショートもそうですけど、TikTokも興味がないとすぐにスワイプして飛ばすから、複雑なものはどんどんスルーされてしまいますよね。」

「最近の動画って、長くても一分くらいだし、一分ですら長いって感じることもあるんだよね。

長い動画なんてだいたい倍速で見ることの方が多いし。」

「生まれた頃からインターネットが身近にあるチエさん達Z世代は、費やした時間に対して得られる効果タイパ、タイムパフォーマンスを強く意識しがちですよね。

タイパという言葉は最近の流行語ですが、実は大昔から同じことを言っていた人がいたんです。

古代ギリシャの哲学者、ピタゴラスは「多くの言葉で少しを語るのではなく、少しの言葉で多くを語りなさい」と説いていました。」

「少しの言葉で多くを語りなさいか、それってめっちゃタイパいいじゃん。」

「何かを伝えるとき、言葉を多く使うとたくさんのことが伝わるかのような錯覚を起こしがちです。」

「確かにね、学生時代に先生にずっとお説教されてもあんまり頭に入ってこなかったもんな。」

「たくさん話したらたくさん伝わる。ついそう思ってしまいがちだけど、これはむしろ逆。

シンプルな言葉で本質を短く伝える方が、相手の心の奥深くまで届くんです。

短い言葉で伝える技術は、現代社会を生き抜くすべての人にとって不可欠な能力と言えますね。

人が持っている時間は一日24時間。

持っている時間の量と自由な時間が人によっては、どんどん釣り合わなくなっているんです。

だからこそ、言葉イズマネーです。

わかりやすさを追求してしっかりと言葉を届けられる、ピタゴラスの様な人になって欲しいんです。」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

相手に何かを伝えようとするとき、私達はつい詰め込み過ぎてしまいます。

例えば、あなたが好きなことや趣味の魅力をあなたの友人に伝えようとした際に、どの様に伝えようとするのかを思い浮かべてみてください。

とにかくいいところを出来るだけ羅列して、伝えようと思われたのではないでしょうか。

それこそが、「たくさん話したらたくさん伝わる」と思っている証拠です。

その思考の根底には、「たくさん相手に話さなければ伝わらない」という思いがあります。

だからこそ、シンプルな言葉で本質を短く伝えるようにした方がいい。

そして短く伝えるには、小学生レベルの言葉で十分なんです。

小学生レベルの言葉で十分な理由を以下の通り解説しています。

「それなら、そんな大変な時代に言葉イズマネーを意識するにはどうしたらいいの?

私、語彙力ないし、今さら勉強するのも嫌なんだけど。」

「チエさん、そこです。そこが誤解なんです。

チエさんは今、「語彙力ない」って言いました。

確かにチエさんの頭の中の語彙は少ない方です。」

「またこの猫は失礼な。まあ、図星ですけど。」

「貶しているわけじゃありませんよ。

言葉イズマネーを実践する為の語彙力は、チエさんに、いや誰にでも十分に備わっていると言いたかったんです。

頭の中の伝えたいことをまとめて届けるのに、難しい言葉なんて必要ありません。

小学生レベルの言葉で十分なんです。」

「小学生レベルの言葉?」

「たくさんの情報で溢れた現代だったら、なおさら小学生レベルの言葉を上手に使いこなすことが大事です。

小学生レベルの言葉には、

①早く伝わる

②簡単だから、間違いなく伝わる

③誰でも使える

こんなにいいところがあるんですよ。」

「つまり、シンプルでわかりやすくてどんな人でも使いこなせるってこと?」

「そうです。だんだんわかってきてくれていますね。

しかも、シンプルだから頭の中の棚もとっても整理しやすくなります。」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

小学生レベルの言葉を使うのは相手にわかりやすく伝わるだけではなく、伝えようとするあなたの頭の中も整理されます。

ここで注意して欲しいのが小学生レベルと言っても、ただ単に短くて簡単な言葉を使えば何でもいいというわけではないことです。

漢字を使わずにひらがなを多用するなど、そういったことではありません。

では、本書が定義する小学生レベルの言葉とはどういうことなのでしょうか。

2章の『言語化でモヤモヤをクリアに』から『・「芯を捉えた言葉」を作る人が無意識にやっていること』で次の通り説明しています。

小学生レベルの言葉でドラえもんを説明するなら

「例えば、Netflixを一言でまとめたらどうなりますか?」

「そうねえ、「まるで自分だけの映画館」、「次から次へと一気見しちゃう」、「睡眠時間が無くなる危険なサービス」、みたいな感じかな?」

「チエさんの実体験が表れていていいですね。

でも、ちょっと考えて欲しいんですけど、今出て来た特徴って他の動画配信サービスでも当てはまりませんか?」

「確かに。Amazonプライムビデオとかディズニープラスも同じ言葉でまとめられちゃうかも。」

「他にも「あなたの好きが見つかる」、「世界中を楽しめる」みたいに言うとどう思いますか?」

「これも別のサービスでも当てはまりそう。好きな映画を見つけるのも、世界中の映画が見られるのも、Netflixだけじゃないもんね。」

「そうなんです。こういう何にでも当てはまりそうな言葉を使っている状態を「芯食ってない」なんて言いますね。」

「芯って、中心にあるものの芯のことね?」

「そうです、その物事の核心部分とでも言いましょうか。表面的なところではなく、「核心を突いている」、「的を得ている」といった意味で使われます。」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

小学生レベルの言葉とは、上辺だけの言葉を羅列することではなく、「芯を食った言葉」である必要があります。

何かを相手に伝えようとするとき、つい表面的な言葉を並べてしまいがちです。

ですが、小学生レベルの言葉で相手に伝えるには、核心を突いた短い言葉でなければなりません。

それでは、「芯を食った言葉」を生み出すには何をすればいいのでしょうか。

その言葉の生み出し方について、国民的アニメとして有名なドラえもんを例に挙げて、次の通り解説しています。

「例えば、ドラえもんを知らない人にチエさんならどうやって伝えますか?

まずは芯となる部分の言葉を書き出してみましょう。

猫型ロボット、四次元ポケット、相棒はのび太くん、どら焼き大好き、ネズミが苦手、妹はドラミちゃん、22世紀からやってきた、青い、最初は黄色だった、短い手足、尻尾が電源、世代を超えて愛されている、生みの親は藤子・F・不二雄、ひげが六本、赤い鼻。

では、チエさん、ドラえもんを一言でどうぞ。」

「22世紀からやってきた青色の猫型ロボット、これでどう?」

「ブー」

「えっ?」

「チエさんが一言で表したドラえもんは表面的にはいいのですが、核心には触れられていない気がしました。これが「芯食ってない状態」ってやつですね。」

「どうして?いいじゃないの。未来からきた存在で、外見の色のことも言っているし、イメージつくんじゃないの?」

「確かに芯となりそうな候補の言葉が三つも入っていますよね。

そこはいいんですが、ドラえもんの一番の魅力ってどこでしょうか?

どこでもドアやタケコプターなど、ワクワクするような秘密道具を四次元ポケットから取り出して、のび太くんや困っている人の問題を解決するところじゃないですか?」

「そっかぁ。秘密道具について触れていなかったか。」

「ドラえもんの芯とは、未来からワクワクする秘密道具を出してくるところじゃないんですか?」

「じゃあ、こんな感じはどう?

未来からやってきた猫型ロボットで、四次元ポケットから秘密道具を取り出して、のび太くんを助けている。」

「そうそう、そんな感じです。

どんなものでも必ず芯になる部分があって、言語化が上手な人は芯を見抜いて言葉にする力が高いんです。

芯とは、他の物にとって替わることが出来ない重要な部分のこと。

いくつもの要素がある中で、はたしてそのどれが芯に当たるかを日頃から考えるようにするとよいでしょう。

未来からやってくる登場人物やロボットは、他の作品でもありそうなモチーフですが、数え切れないほどの種類の秘密道具で主人公を助けてくれるキャラクターはなかなかいませんよね?」

(『言いたいことは小5レベルの言葉でまとめる。』より引用)

こうして見てみると、ドラえもんは多くの要素で構成されているのがわかります。

どの要素も特徴的な設定ですが、その中から「芯を食った」言葉を探すには他の作品にはない、オリジナリティが最も高い設定が当てはまります。

「未来から来た」とか「猫型ロボット」は確かにその設定だけ見ると、他の作品にもありそうです。

しかし、「数え切れないほどの秘密道具」はこれだけ多くの漫画で溢れている現在でも、あまり見かけない設定であるのがわかります。

あなたが相手に何かを伝えようとする時には、まず「相手が求めているもの」を基準にして決めます。

そしてその「相手が求めているもの」は、簡潔で短い小学生レベルの言葉にします。

小学生レベルの言葉を生み出すには、数ある言葉の中から「芯となる言葉」を見極めます。

これまで説明したことを簡潔にまとめましたが、小学生レベルの言葉が決して、言葉のレベルそのものが低いわけではないことがご理解頂けたはずです。

本書では小学生レベルの言葉について、さらにより詳しい説明が記載されており、記事内では取り上げられなかった「実際に相手に伝えようとする際の言葉」に関してもわかりやすく解説しています。

あなたが小学生レベルの言葉を扱いこなせるように、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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