嫌な出来事を引きずる人と引きずらない人
何か嫌な出来事があった時に、あなたはどのくらいで立ち直れますか?
私はかなり遅い方だと自覚しています。
理由は嫌な出来事を引きずってしまう性格だからです。
何か嫌な出来事があると、思い出したくないのにずっとその出来事を繰り返し頭の中で再生してしまいます。
ですが、世の中には嫌な出来事を引きずらない人もたくさんいます。
そういった人達は嫌な出来事があっても、次の瞬間にはもうすでに気にしていないような立ち振る舞いをしています。
嫌な出来事を引きずる人と引きずらない人の違いとは一体何なのでしょうか。
そして、嫌な出来事を引きずる人はどうすれば引きずらないようになれるのでしょうか。
今回ご紹介する『仕事も人間関係もイヤなことは1週間で終わらせるコツ』は嫌な出来事を引きずらない方法を心理学の視点からわかりやすく説明している本です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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著者の笹氣健治(ささきけんじ)さんは心理カウンセラーです。
本書のベースとなっているのは、著者がカウンセリングを行ってきた経験と著者自身が嫌なことに対処してきたときの取り組み、そして偉大なる先人達によって確立されてきた心理学の理論です。
そして本書は、心理学を学んだことがない人に向けてもわかりやすく説明されています。
本書のタイトルにも使用されている「イヤなこと」ですが、嫌なことを引きずる人と引きずらない人の違いを以下の通り見解を示しています。
出来ればいい気分で毎日を過ごしたいと思っているけど、多くの人はそれが出来ない。
ストレス社会と称される現代ではその理由に心当たりがある人が多いでしょう。
しかし、そんな中でもストレスをため込まずに毎日を平然と生きている人もいます。
多かれ少なかれストレスを感じているはずなのに、その秘訣は一体何なのでしょう。
そうした人は嫌なことを引きずらない方法を自分の中にうまく取り入れているのではないかと思います。
嫌なことがあっても、どんどん頭を切り替えて考え過ぎないようにする。
そうやって、自然に引きずらないようになっているのです。
この様なストレスを溜まらない体質になるためにはどうすればいいのか。
そのためのちょっとしたコツ、意識の持ち方について本作では紹介していきます。
嫌なことを引きずってしまう原因は、その人の物の見方と受け止め方にあります。
同じ出来事でも、ストレスを感じる人と感じない人がいるのはその違いがあるからなのです。
さらに言えば、私達はつい同じ見方や受け止め方を繰り返しがちです。
だから、嫌なことを引きずる人は常に引きずってしまいます。
ところが、そのパターンは本人次第で変えることが出来ます。
それには、まず自分で自分の考え方の癖を知る。
そして、これまでとは違う新しい視点に気付くことがポイントです。
「自分で自分の考え方の癖を知る」とありましたが、あなたは嫌な出来事に対してどの様な考え方をお持ちでしょうか。
嫌な出来事を引きずってしまう時に、その物の見方と受け止め方を意識したことが無い方がほとんどではないでしょうか。
むしろ、自分でも引きずらないように意識していても無意識の内に嫌な出来事を思い出してしまって、気が付いたら引きずってしまっていたという方が大半なのではないかと思います。
私もその一人でした。
なので、まずは嫌な出来事を引きずるデメリットを再認識して自分の中に落とし込む必要があります。
嫌な出来事を引きずるデメリットに関して、本書で次の通り説明しています。
一つ一つの悩みを解決する具体的な解決策は必要です。
しかし、いずれの場合にも共通して言えるのは、「考えても仕方がないことをずるずる考え続けていても意味がない」ということです。
その為にも嫌なこと、気がかりなことを早々に切り上げるという姿勢を持つことを提案したいと思います。
言い換えれば、引きずらない体質になるということです。
嫌なこと、気がかりなことは引っ張れば引っ張るほど、ストレスが蓄積していくものです。
イライラした状態や辛い状態が続いてしまい、やるべき仕事が手に付かなくなり、その内期限に間に合わないと焦るようになる。
そうやって新たなストレスも蓄積していき、鬱々とした日常生活を送る原因になります。
そして嫌なことはそれこそ次々に湧いてきます。
ひとつ残せばどんどん溜まり、最終的にはいつも気分が晴れない状況になってしまうのです。
だからこそ、仕事を次々に片付けるように嫌なこともその場その場で処理していく。
もし、これが出来ればあなたにとってどれだけのメリットになるでしょうか。
このスローガンが本作のタイトルであるイヤなことは1週間で終わらせるなのです。
嫌な出来事は引きずらないようにすることが大切なのはこれで再認識出来たかと思います。
上記の内容に引きずらないようにするための大切な要素があったことにお気付きでしょうか。
「考えても仕方がないことをずるずる考え続けていても意味がない」、「嫌なこと、気がかりなことを早々に切り上げるという姿勢を持つ」など時間を意識している事です。
何か嫌な出来事があって、そのことを信頼出来る友人等に相談した時によく出て来る言葉として「時間が解決してくれるよ」という言葉があります。
もちろん、時間が解決してくれる側面もありますが、その方法に頼り切ると嫌な出来事を引きずる人から抜け出せなくなってしまいます。
その理由を本書で次の通り解説しています。
嫌なことがあってそれがなかなか頭から離れないとき、これまでは無策でやり過ごした人も多いのではないでしょうか。
お酒の力を借りたり、友人に愚痴ったり、時には家族に当たったりして、とりあえずストレスを発散し、後は時間が過ぎるのにまかせる。
もちろん、時が解決してくれるというのもひとつの方法ではあります。
どんな大きな問題もいつかは必ず消えてなくなるものです。
けれども、時間が経つのを唯一の解消法にしていては、次から次へとやってくる嫌なことがどんどん溜まっていきます。
それが万年ブルーの状態になってしまうのです。
大切なのは、自分の意志で意識的に嫌な気持ちを終わらせることです。
自然に消えて行ってくれるのを待たず、強制的に気持ちを切り替えるのです。
実は、自分の感情は自分でコントロール出来ます。
もしかしたら、これまで嫌なことに振り回されていたのは、「勝手に湧いてくる感情はどうしようもない」、「自分ではコントロール出来ない」と諦めていたからかもしれません。
確かに、人の感情は制御不能だと感じることが多いものです。
誰かに強い怒りを覚えて何も手に付かなくなっていたのに、一晩寝たら忘れてしまったなどという経験は、正に感情は自分の手には負えないものだと証明するようなものです。
しかし、繰り返し言いますが、自分の感情は意識的に変えることが出来ます。
「自分の感情は自分でコントロール出来る」と聞くと難しそうだと感じますよね。
私も嫌な出来事を引きずりやすい側の立場なのでよくわかります。
例に挙げられている通り、ずっと嫌なことに振り回され続けていて「勝手に湧いてくる感情はどうしようもない」、「自分ではコントロール出来ない」と心の中で諦めていたからです。
ただ、心理学に精通している著者の見解から、「自分の感情は意識的に変えることが出来ます」と断言されるとどこか希望が湧いてこないでしょうか。
その意識的に変える手段として、仕事と同じように悩みにも締め切りを作ることを著者は提案しています。
締め切りの期限は本書のタイトルにも使用されている1週間です。
もちろん、すぐに切り替えられるような小さな嫌な出来事ならもっと短くてもいいですし、大切なのはどんなに長くても1週間だということです。
では、仮に1週間だと期限を決めて、その期限を迎えるまでどんな風に過ごせばよいのでしょうか。
嫌な出来事を引きずらないようにしようとしても、気が付いたら思い出してしまって引きずっているから困っているんですよね。
期限までに嫌な出来事を引きずらないコツは「物の見方を変えること」です。
締め切りを迎えるまでどんな風に過ごせば、嫌な出来事を思い出さないように出来るのか
なぜ、嫌なことがちっとも頭から離れてくれないのか。
それは何度も思い返すからです。
感情は再び刺激を与えない限り、時間の経過と共に薄らいでいくからです。
繰り返し考えないことについては忘れるのです。
これはまさしく、何事にもくよくよしない人のパターンなのかもしれません。
悩まないようにするには、とにかく考えないようにすることを心掛けるのが大切と言えます。
とはいえ、「考えないようにしなくっちゃ」と心で念じてみても、あまり効果は期待出来ないかもしれません。
人の心理には「○○しないようにしよう」と考えたり、「○○してはいけない」と言われると、かえってそのことを意識してしまう傾向があるからです。
「間違えないようにしよう」と考えている内に、「間違ってはいけない」という意識が強まってしまい逆に間違ってしまった。
締め切りを絶対守るように言われて、「守れなかったらどうしよう」と不安や緊張が生じた。
これはあまのじゃくということではなく、誰にも当てはまりますし、多少なりとも身に覚えがあるはずです。
「考えちゃいけない」と思えば思うほど、余計に考えてしまうのです。
嫌な気分になっている時は、ただでさえ物事を悪い方に考えがちです。
「このまま悪い状況が続くのではないか」、「この先さらに悪いことが起こるのではないか」。
悲観的な考えがさらに悲観的な考えを呼び、ますます考えずにはいられなくなるかもしれません。
そこで「考えないようにしよう」ではなく、それ以外の事を考えるようにしてみてはいかがでしょうか。
嫌なことから強制的に視線を逸らせるのです。
(『仕事も人間関係もイヤなことは1週間で終わらせるコツ』より引用)
これまで何か嫌な出来事があると、意識しないように意識していた方は多いのではないでしょうか。
私も経験があります。
でも、意識しないようにすればするほど逆に意識してしまい、より嫌な出来事を思い返してしまうので逆効果です。
そこで「考えないようにしよう」ではなく、それ以外の事を考えるようにすることで物の見方を変えてみるのです。
では、どんなことを考えて目線を逸らせばいいのでしょうか。
本書では次の通り提案しています。
では、何を考えればいいのか。
最近身の回りで起こった出来事について、よかったと思えることを思い出してみるのが有効です。
「最近よかった事なんて何もない」と決めてかからないで、昨日朝起きてから寝るまでの行動をひとつずつ思い出してみてください。
きっと、ひとつやふたつはよかったことがあるはずです。
それでもひとつも思いつかないという人は、嫌な出来事なら思い付くでしょう。
そしてその出来事の後に、どんな風に考えたかを振り返ってみると、よかったことが見つかるはずです。
例えば、電車が事故で会社に遅刻してしまった。
きっと上司に怒られるだろうなと思っていたら、それほどでもなかった。
これもよかったことです。
同じ状況で運悪く怒られたとしても、その後で同僚から「気にするな」と励まされた。
これもちょっとよかったことだと言えるのではないでしょうか。
よかったことが思い付かないと考える人は、「宝くじが当たった」とか「大口受注が取れた」とか「海外旅行をした」といったようなビックイベント以外は全て大したことではないと思っています。
「仕事でミスをしなかった」とか「いつも通りに期限内に書類を提出した」のは当たり前だと考えないで、「当たり前のことが出来てよかった」と考えてみる。
この試みは今の悩み事から視線を逸らすだけでなく、日常の些細な、でも確実なよかったことに気付く訓練にもなります。
朝起きた時や夜寝る前に、昨日や今日起こったよかったことを探そうと意識する取り組みをしばらくの間ぜひ続けてみてください。
すると、気持ちの切り替え方が自然とうまくなっていくでしょう。
嫌なことから意識を逸らすには、よかったことを意識すればいい。
とてもシンプルで単純明快ですが、実際にやってみるとその難しさを痛感します。
よかったことを思い出そうとしようとすればするほど、なかなか思い出せないものです。
上記のよかったことの例に挙げられているような内容でいいので、あなたが昨日と今日でよかったことを10個答えてみてください。
今、この文章を読んで何個くらい瞬間的に閃いたでしょうか。
ちょっと思い出してみるくらいなら、3個くらい思い出せれば上出来でしょう。
言葉に詰まって、必死に脳内を駆け回っても1個も出てこなかった方もいるはずです。
そして、これは私自身もかつてそうでした。
毎日よかったことを10個、紙に書いてみることに挑戦したことがありましたが、初日はとても苦戦したのを今でもよく覚えています。
それでも何とかひねり出して10個書いてみましたが、次の日に10個書こうとしたら前の日とかなり内容が被ってしまいました。
ただ、必死に思い出そうとしてひねり出しているこの時間は、確かに嫌なことに引きずられていませんでした。
なので、あなたも何か嫌な出来事があったらよかったことを10個紙に書き出してみることを1週間続けてみて欲しいのです。
内容は例として挙げられている「仕事でミスをしなかった」とか「いつも通りに期限内に書類を提出した」の様な内容で十分です。
本書の言う通り、何か大きな出来事でいけないというルールは存在しません。
あなたが当たり前だと感じていることにも、小さくてもよかったと感じている出来事はあるはずだからです。
そして、もしよかったことを10個紙に書き終えたならして欲しいことがあります。
それは10個のよかったことを書き終えた紙を見ながら、「ああ、幸せだなぁ」と3回呟いてみて欲しいのです。
実際に口に出して自分の耳で「ああ、幸せだなぁ」という言葉を聞くことによって、五感を刺激して心からよかったと思えるようになります。
「何かいいことないかな」と思ったなら、「ああ、幸せだなぁ」と3回呟いてみましょう『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』の記事で「ああ、幸せだなぁ」と実際に口に出して言ってみる効果を詳しく紹介しているので、よろしければこちらも併せてご覧ください。
悩み事や考え事の大半は、引きずり続けてもどうにもならないこと、考えても必ずしも今以上の解決策は見つからないことばかりだったりします。
悩み続けるのをなかなかやめられないのは、「考えれば考えるほど、正しい答えが見つかる」という思い込みに縛られているからかもしれません。
そこには「正しい答えを導き出さなければ」という前提があります。
それは勉強で正解することが良いことだと幼少期の学習の経験を通じて植え付けられてきたからだと、著者は考察しています。
例えよかったことを10個紙に書き出してみても、いきなり嫌なことを引きずらなくなるのは難しいでしょう。
それは幼少期から植え付けられた価値観があなたの中に存在しているからです。
しかし、最初によかったことを10個紙に書き出したときに、あなたは少しでも嫌なことから目を逸らすことが出来たはずです。
その感覚を大切にして欲しいのです。
それを1週間でも続けていれば、きっと1週間前とは違うあなたになっているはずです。
ここまでは本書のほんの一部分で、嫌な出来事を引きずらないようにするにはどうすればいいのかを本書の冒頭の内容を私なりの解釈も添えてご紹介しました。
あなたが完全に嫌な出来事を引きずらない人になるにはどうすればいいのか、さらに詳しい内容を知るために本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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