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話があちこち飛ぶのは、引き出しを開ける順番を間違えているからです『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』

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目次

話があちこち飛んでしまいやすい状況になりやすいのは

「あれ?自分は一体何を話していたんだったけ?」

話をしている途中で、自分が何を話していたのかわからなくなることはありませんか?

人前で話す時や会社で役職の高い偉い人と話す時など、緊張していると話が迷子になりがちになってしまいます。

一度こういう状態になると焦ってしまい、より話があちこち飛んでそこから立て直すのが難しくなります。

「何か話さなきゃ」と思えば思うほど、言葉が出てこなくなった経験はあなたにもあるでしょう。

では、こんな時はどうすればいいのでしょうか。

この様な話の途中で迷子になることなど、話をしていたり説明を行っている際にありがちな躓きやすいポイントをわかりやすく指南してくれる本が、今回ご紹介する『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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説明がうまい人とそうでない人の決定的で本質的な違い

先程、話の途中で迷子になることを例に挙げました。

自分でも何を言っているのかわからなくなったり、話があちこち飛んでしまう。

これでは説明が苦手どころか、そもそも話すのが苦手な人です。

それに対して、説明がうまい人はどの様な説明を実際に行っているのでしょうか。

「説明がうまい人」と聞くと、「説明がわかりやすい」ということがまず頭に思い浮かぶはずです。

この「説明がわかりやすい」とは、具体的にどの様な説明のことを指すのでしょうか。

本書の『はじめに』から、説明がうまい人の説明とはどの様な説明かについて次の通り述べています。

突然ですが、あなたの周りにいる説明がうまい人を思い浮かべてみてください。

そして、自分と比べてみてください。

あの人と自分は一体何が違うのだろう?

説明が苦手な人の中には、頭の中がこんな風になっている人もいるかもしれません。

「あれも言わなきゃ。これも言わなきゃ。どの順番で言おう。思い付いたところから言おう。わっ、あっちを先に言うべきだったかも」

自分は頑張って話しているつもりでも、相手の頭の中は「ん?どういうこと?」と混乱しているかもしれません。

一方で、説明がうまい人はどうでしょうか?

説明がうまい人の頭の中は、きっとこんな感じではないでしょうか?

説明がうまい人の頭の中は、目的地まで最短距離で結ばれた無駄のない一本道になっています。

聞き手が最も理解しやすい順番はどれか、どうすれば最短でゴールにたどり着けるかがくっきりと見えているのです。

では、この道が作れる人とそうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?

説明がうまい人とそうでない人の違いは、会話で使う言い回しの工夫や表情の作り方、身振り手ぶりや通る声の出し方、緻密に作り込まれた資料など、様々な要素があります。

しかし、両者を分ける、もっと決定的で本質的な違いがあります。

それは説明を始める前に頭の中で何を意識しているのか、そして説明の最中に常に何を頭に置いているかです。

外からは見えませんがそこを抑えることができれば、大抵の人は説明がすぐに上達するのです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明が苦手な人は、上記の引用の通り「自分では頑張って話しているつもり」なんですよね。

決して、最初から「自分は説明が下手だから」といって、説明することを投げ出しているわけではありません。

私も説明が苦手な人なので、その気持ちはよくわかります。

ですが、「頑張って話しているつもり」でも相手には伝わらなければ意味がありません。

相手に伝わりにくいのは、話がすぐに道から逸れてしまうからです。

説明が苦手な人は、あっちにふらふら、こっちにふらふら、とまるで千鳥足のような説明になっているのが特徴です。

上記の引用でも説明が苦手な人の特徴をいくつか挙げていましたが、そうなってしまうのは目的地が定まっていないからです。

それに対して、説明がうまい人は目的地が明確であり、最短距離でブレることなく目的地に向かって進みます。

そして「両者を分ける、もっと決定的で本質的な違い」について、「説明を始める前に頭の中で何を意識しているのか、そして説明の最中に常に何を頭に置いているかです」と引用で述べていますが、この「何を」とはどんなことを指すのでしょうか。

説明において決定的で本質的な「何を」について、同じ章の『説明がうまくならない人のたった一つの共通点』から著者の経歴を交えながら、以下の通り解説しています。

「とにかく全部伝えなきゃ」と焦って、長々と話してしまう。

「頭が悪いと思われたくない」という不安から、思い付くままにマシンガントークをしてしまう。

そして自分では、「うまく説明できたはずだ」と思い込んでしまう。

これは説明がうまくない人の典型的な特徴ですが、何を隠そう、全て過去の私の姿です。

私は今でこそ、企業の研修講師として説明の技術についてお話しする機会をいただいていますが、キャリアの原点である駿台予備学校の講師になりたての頃は、まさに典型的な説明が下手な人間でした。

当時の私は、生徒からの人気を得ようとビジネス書を読み漁ったり、YouTubeで動画を視聴しては、見聞きしたままプレゼンのテクニックを試す日々。

しかし、知識量をアピールしたくて専門用語を多用した講義を展開すると、教室は静まり返る。

場を和ませようと雑談を挟めば、アンケートに「授業に関係ない話は不要」と書かれる始末。

予備校講師は人気商売で、かつ一年契約の実力社会です。

「このままではクビになる」

そう追い詰められた私は、「表面的なテクニックではなく、もっと本質的な何かを根本から変えなければならない」と思い、心理学や認知科学の専門書や論文を読み漁りました。

認知科学とは、人間の頭の働きや情報処理の仕組みなどを解明しようとする科学分野で、「説明スキルの向上に役立つはずだ」と考えたのです。

そして、ようやく見つけたのです。

私がどんなテクニックを身に付けても、根本的に説明がうまくならなかった理由。

それは考え方、つまりマインドの問題だったのです。

説明がうまくならない根本原因は、見てすぐわかる表面的なテクニックを知らないからではありません。

原因は、自分中心で考えているから。

もっと言えば、相手を中心に物事を考えられていないからなのです。

これは「自己中心性バイアス」と呼ばれる人間の思考の癖の一つです。

例えば、「自分が面白いと思ったのだから、相手も面白いはずだ」、「自分はこの言葉で理解できたのだから、相手もわかるはずだ」と無意識に自分の感覚だけで相手を押し量ってしまう。

自分が知っている専門用語を、「相手も当然知っているだろう」と仮定して話してしまう。

このような思考を引き起こす原因の一つです。

この無意識の思い込みこそが、あなたと相手の間に見えないコミュニケーションの壁を作っていたのです。

しかし、逆に言えば、ここさえ変えることが出来れば面白いように説明がうまくなっていきます。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

著者の犬塚壮志さんは予備校講師を経て、現在は企業の研修講師として活動されています。

人前で話す機会が多くある著者ですが上記の引用の通り、最初から説明がうまかったわけではありませんでした。

自身の説明の下手さを痛感しつつも、うまくなるためにもがきながら勉強を積み重ねて、著者が気付いた自身の説明がうまくならなかった理由が「自分中心で考えているから」でした。

引用の通り、説明が下手な人が考えているのは自分のことばかりです。

人に何か説明しようとする時に、説明が下手な人は「自分がそう思ったから」をベースにして話が展開されており、「それを聞いた相手がどう思うか」は何も考慮されておりません。

かつて典型的な説明が下手な人であった著者の体験談からも、その傾向は伺えます。

あなたも人と話す時や、何かを説明する時に、あなた自身の話し方の立ち振る舞いをよく思い出してみてください。

「自分中心」で話を進めてはいないでしょうか。

上記の引用に心当たりがあるということは、あなたも同じ様な説明になっている可能性が高いです。

なので、これからは「相手中心」に切り替えてみてください。

では、なぜ「相手を中心に」考えてみるだけで説明がうまくなっていくのでしょうか。

その根拠について、『そもそも説明とは何か』から次の通り答えています。

説明がうまいは才能でも、生まれつきのセンスでもない

では、なぜ相手中心だと伝わるのでしょうか?

ここで「そもそも説明とは何か、わかるとは何か」について考えてみましょう。

私の研究領域であった認知科学の知見をベースにご説明します。

イギリスの心理学者、バートレットが提唱した「スキーマ」という概念があります。

これは私たちが過去の経験や知識を通じて作り上げてきた、物事を理解するための知識の枠組みのことです。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、私たちは何か新しい情報に触れたとき、この「スキーマ」という自分だけの棚に当てはめて、それを解釈・理解しているということです。

何かを伝えても、相手の棚にそれを整理する場所がなかったり、どこに整理すればよいのかわからなければ、「わからないからいいや」と捨てられてしまいます。

そして、この棚への整理の仕方は人それぞれで違います。

例えば、「お花をあげる」と聞いたとき、恋人へのバラの花束をイメージする人もいれば、恋愛のスキーマ。

母の日のカーネーションを思い浮かべる人もいる、家族への感謝のスキーマ。

あるいは、仏壇に備える菊の花を連想する人、供養のスキーマ、もいるかもしれません。

同じ「花」という言葉でも、その人が持つスキーマによって受け取り方は全く変わってくるのです。

相手に正確に伝わるように説明するためには、「自分と相手のスキーマは違う」ということをまず大前提として認識しなければなりません。

先ほどお話しした無意識の思い込みは、まさにこのスキーマの違いが意識されていないときに生まれるコミュニケーションの壁なのです。

辞書には説明の定義として、「相手が分かるように順序立てて言うこと」とあります。

つまり、上手に説明をするためには、

1.自分よりも相手を意識すること。

そして2. 相手はどうしたらわかるのか?

3.相手が分かる順番とは何かを考えることに尽きます。

この意識があるからこそ、スキーマの壁を越えることが出来るのです。

この三点こそ、説明の苦手な人が思い違いをしているところであり、この三点に関する意識が変わるとそれだけで説明が楽になります。

それこそ、説明がうまい人の意識なのです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明がうまい人はスキーマ、相手の知識の枠組みを理解する解像度が高いです。

解像度が高いということは、それだけ相手のことを考えているということです。

上記の引用にもありますが、説明がうまい人は「自分と相手のスキーマは違う」ということを大前提に説明を組み立てています。

相手のスキーマを考慮していなければ、どんなに説明したところで相手は「わからないからいいや」と捨てられてしまうのを知っているからです。

相手はあなたの話を聞いていないわけではありません。

聞こうとしても、あなたの話が自分のスキーマに合っていなくて理解出来ないのです。

自分が伝えたいことと、相手のスキーマを理解した上で、相手のスキーマに自分の伝えたいことがうまく収まるようにしなければなりません。

そこで初めてスキーマの壁を越えて、相手があなたの説明を理解して受け取れるようになります。

スキーマの壁を超えるには、上記の三点の意識を心掛ける必要があります。

この三点の意識のより詳しい内容に関して、文章は以下の通り続きます。

順に見ていきましょう。

一つ目の「相手への意識」です。

私たちは自分がきちんと伝えることをゴールにしがちです。

そのために、「一回で理解してもらわなきゃ、全部伝えなきゃ」と焦ってしまいます。

でも、実はそんなことはありません。

相手が理解できればいいのですから、一つ一つわかってもらいながら話せばいいのです。

焦ることはありません。

二つ目の「わかる」です。

説明が苦手な人は、「自分の説明で何とかしなければ」と変に力を入れてしまいます。

しかし、本当は「相手が理解すること」がゴールです。

だとしたら、説明を省くことで相手に気づいてもらうという説明の仕方もあるのです。

むしろ、その方が相手は納得しやすいこともあります。

三つ目の「順番」です。

説明が苦手な人は、「まず何から話そうか」と迷いがちです。

話しながらも、「やっぱりあっちから話せばよかったかも」と戸惑いながら話すので、どんどん自信がなくなります。

説明には最適な順番があります。

それは、「相手が知りたいだろうことから話し始める」ということです。

それさえ抑えられれば、大抵の説明は成功します。

説明力を最短で高めるために必要なのは、まず自分中心から相手中心へとマインドを変え、その上でこれらの要素を一つずつクリアしていくことなのです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

三点の意識は全て相手を中心にして考えられています。

「一回で理解してもらわなきゃ、全部伝えなきゃ」や「まず何から話そうか」など、説明が苦手な人の例で挙げられているのは、全て「自分」が主語の自分中心の考え方です。

自ら話を切り出す時に、話すのは当然自分なのですから、自分自身に意識が向いてしまうのは仕方のないことかもしれません。

しかし、そこで自分に意識が向いてしまうところを、相手に意識を切り替えられる術を持っているのが説明がうまい人です。

そして説明がうまいというのは、後天的な努力でいくらでも上達することの出来る分野です。

生まれながらの才能など、話がうまい人は先天的な才能だけが全ての世界ではありません。

もしあなたが「説明するのが苦手」という自覚があっても、これからいくらでも成長が出来る伸びしろがあります。

同じ章の『説明力は科学的に誰でも高めることが出来る』から、説明は才能だけでは決まらないことを著者も以下の通り見解を述べています。

説明がうまいは才能ではありません。

生まれつきのセンスでもありません。

ほとんどの人はこれまで説明するときに、「何を意識すれば伝わるのか」を誰からもきちんと教わってこなかった。

ただ、それだけなのです。

今や文章による書きの説明なら、生成AIがいくらでも整えてくれます。

しかし、リアルタイムで人に話して伝える喋りの説明では、話し手の頭の使い方の差がはっきりと出てきてしまいます。

本書では、私が予備校講師として何千人もの生徒と向き合ってきた経験則、企業研修の現場で見てきたリアルな事例、そして専門である認知科学の知見を組み合わせ、誰でも再現できる説明で頭の中に置いておくべきことだけを厳選しました。

さあ、説明がうまい人の頭の中を一緒に覗きに行きましょう。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明するのが苦手だったり、自分の説明が下手だと感じてしまうのは、これまで誰からも教わってこなかっただけです。

説明の仕方を正しく学べば、説明は誰でも上達出来るようになります。

上記の引用の通り、説明は才能だけで左右されません。

説明に関する正しい知識を知っているかどうかだけです。

説明において知らない部分が多いのが、先述した引用にもあった「三点の意識」の三つ目に挙げられていた「順番」に関してです。

説明する順番を意識して変えるだけで、説明のわかりやすさは劇的に変化します。

言い換えると、それだけ説明の順番を間違えている人が多いということです。

本書の序章の『説明がうまい人が頭に置いている基本の基本』の『3.「何から話せばいい?」の答えは相手が持っている』から、説明の順番を意識しないとどうなってしまうのか次の通り例を挙げています。

説明する順番を間違えてしまうとどうなってしまうのか

あなたの話はなぜ途中で迷子になってしまうのか?

あなたは話している途中で「あれ?次は何を話せばいいんだっけ?」と頭が真っ白になったり、聞き手から「話があちこちに飛んでよくわかりません」と指摘されたりした経験はないでしょうか?

例えば、上司から「例のA社のプロジェクトどうなってる?」とふいに声をかけられた場面。

説明がうまくない人。

「えっと、先週A社に電話しまして、それで先方からはいくつか質問が来ていて、そういえばその後Bという課題が開発チームの方で発生しまして、これが結構クリティカルで、あ、いやA社の見積もりの件は」

心の声。

「結局、順調なのか問題があるのか、俺は何を指示すればいいんだ?」

話している本人も途中で「あれ?これで合ってるんだっけ?」と焦りを感じ、聞き手はその後の会話の方向を完全に見失ってしまいます。

「何から話せばいいかわからない」という悩みの根本原因は、話す内容がないことではありません。

話す順番が決まっていないこと、ただそれだけなのです。

自分が話したい順番ではなく、相手が知りたい順番で話す。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明がうまくない人の事例に、あなたも心当たりはないでしょうか。

上司と話す時などに緊張して、「あれ?次は何を話せばいいんだっけ?」と頭が真っ白になった場合の典型的な説明が下手な例です。

上記の引用の通り、頭が真っ白になるとただ単に自分の頭で思い付いたことを話すだけになってしまいます。

頭が真っ白になって話があちこち飛んでしまうのは、説明する順番を間違えているからです。

では、説明する順番を意識すると、説明はどの様に変わるのでしょうか。

文章は以下の通り続きます。

では、説明がうまい人は同じ場面でどう話すでしょうか?

説明がうまい人。

「はい、ご報告します。(一呼吸おいて)まず結論から申し上げますと、プロジェクト全体は順調ですが課題が一つ発生しています」

「ほう、課題とは?」

「はい、開発チームでBという技術的な問題が見つかりました。これがプロジェクトにおける最大の懸念点です。一方で、お客様であるA社とのやり取りはスムーズに進んでおり、来週には見積もりを提示できる段階です。つきましては、Bの課題解決を最優先で進めたいと考えています」

いかがでしょうか?

後者の説明は驚くほど落ち着いていて明快です。

それは彼が話す前に、頭の中で話す順番を組み立てているからです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明の順番が定まっているだけで、説明の内容は大きく変わります。

先程の説明が下手な人は思い付くままに話していたので、説明の内容も順番も散らかっていてわかりにくかったですが、説明がうまい人は順番が明確で内容も整っています。

では、説明がうまい人はどの様にして説明する順番を決めているのでしょうか。

説明がうまい人が説明する順番を決める際に意識していることについて、以下の通り解説しています。

説明がうまい人は頭の中に話の地図を持っています。

そして相手に合わせて、「この人はどんな道順だったらわかるのか」を考えています。

今回のケースでは、相手は状況を聞きたいのですから全体の状況を話した上で、気にかかる点を話せば良いのです。

これがうまくいっていない点から話すと、必要以上にネガティブになり、客観的な情報収集ができなくなります。

多少道がわかりづらくても最短距離がいいのか、わかりやすい大通りを通るのか。

「この順番で話せば大丈夫」という絶対的な安心感が、言葉に揺るぎない説得力を与えているのです。

説明がうまくない人は、自分の頭の中にある情報の地図をそのまま相手に見せようとします。

だから、思い付いたものからバラバラと話しますが、話し手にとって見慣れた地図でも、相手にとっては初めて見る複雑な地形図かもしれません。

説明がうまい人はまず相手のいる場所を確認します。

そして相手が今一番見たいであろう山頂、結論や現在地からの最短ルート、解決策を地図の中からピンポイントで指し示してあげるのです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明がうまい人が説明する順番を決めるのはもちろん、相手を中心にして決めています。

相手の立ち位置はまずどこなのか、相手の目的地はどこなのか、相手が目的地に着くにはどの様な道順をたどればいいのかまで全て網羅して考えています。

説明がうまくない人は自分の地図だけを見ていますが、説明がうまい人は相手の地図も考慮して考えています。

しかし、相手の考えていることは、相手にしかわかりません。

目には見えない相手の思考を、どうやって理解して相手の知りたい順番で話せるようになるのでしょうか。

相手の知りたい順番で話す方法について、次の方法を提案しています。

正しい順番で引き出しを開けるカギは6W3Hにある

頭の中の6W3Hを相手のために並べ替える。

では、どうすれば相手が知りたい順番で話せるようになるのでしょうか?

そのコツは、話す前に頭の中で情報のパーツを6W3Hの引き出しに整理し、相手に合わせてその引き出しを開ける順番を変えるというものです。

思考の引き出し、6W3H。

When、いつ、いつ起きたのか、いつまで。

Where、どこで、どこで起きたのか。

Who、誰が、誰が関係しているのか。

What、何を、何が起きたのか、結論は。

Why、なぜ、なぜそうなったのか。

Whom、Whose、誰に、誰を、誰に影響があるのか。

How、どのように、どの様にして、どうする。

How mach、いくら、どれくらいの費用が掛かる。

How long、どれくらいの時間、期間、どれくらいの時間が掛かる。

説明がうまくない人はこの引き出しを時系列、レイヤー、自分が思いついた順番で開けていってしまいます。

しかし、説明がうまい人はまず「相手はどの引き出しを一番先に開けてほしいだろうか」と考え、その順番を戦略的に組み立てるのです。

説明がうまい人は決して、思い付きで話しているわけではありません。

話す前に一息ついて、頭の中の引き出しを整理し、聞き手が分かりやすい順番を探しているのです。

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

説明がうまい人は6W3Hを使って、自分が伝えたいことと相手が知りたい情報を照らし合わせます。

先述した引用に、「スキーマ」について述べました。

「スキーマ」とは、過去の経験や知識を通じて作り上げてきた、物事を理解するための知識の枠組みのことです。

相手の枠組みから外れた情報は、「わからないからいいや」と相手に捨てられてしまうのですが、その枠組みには引き出しがあります。

どの引き出しをどの順番で開ければ、相手が理解してくれるのかを説明がうまい人は常に意識しています。

そして全て引き出しはこの6W3Hを使えば分類出来ます。

では、説明がうまい人は実際にどの様にして6W3Hを使って、引き出しを開ける順番を変えているのでしょうか。

6W3Hの実際の使用例について、以下の通り例を挙げて解説しています。

あなたの頭の中にも、伝えたい情報のパーツは全て揃っているはずです。

あとは「今この人が一番知りたいことは何か」を考えて、そのパーツを相手のために並べ替えてあげるだけです。

ビジネスシーンでの組み立て例、相手が意思決定者、上司や経営者の場合。

最優先、What、結論、How mach、費用、How long、時間。

説明例、「結論として、○○という問題が発生しています。対策には費用が△円、時間が☐日掛かります」

相手が実務担当者、同僚や部下の場合。

最優先、How、具体的な手順、Why、その作業の目的。

説明例、「この作業はまず○○という手順で進めてください。なぜなら、この作業の目的は△だからです」

プライベートでの組み立て例、見た映画について説明する場合。

最優先、Who、誰が、What、何をするか。

説明例、「家族を鬼に殺された少年が、仲間と一緒に鬼を退治しに行く話です」

友人を週末のバーベキューに誘う場合。

最優先、What、何をするか、When、いつ、Where、どこで。

説明例、「週末、公園でバーベキューしない?日曜の昼から○○公園であるんだけど、どうかな?」

(『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』より引用)

相手が誰であるか、目的は何かによって、最優先で相手が知りたい6W3Hの内容は変わります。

相手の知りたい情報のパーツを6W3Hで分けることで、相手が最も知りたい順番に並び替えられます。

本書では6W3Hという方法ですが、一般的には5W1Hの方が馴染みがあるでしょうか。

5W1Hは中学生の英語の文法で疑問詞を学習する際に習います。

5W1Hは、「When、Where、Who、What、Why、How」のそれぞれの頭文字から来ています。

ビジネスでも5W1Hという言葉は使われており、こちらも情報を整理して相手に伝えるフレームワークとして使われています。

本書では5W1Hよりもさらに多い6W3Hになっているのは、相手の状況に合わせてより柔軟に適応出来るように著者が改良したのでしょう。

確かに6W3Hの方がシチュエーション別に当てはめやすく、使い勝手が良くなるのが引用からわかります。

そして当然ですが、6W3Hを知っているだけでは説明はうまくなりません。

実際に6W3Hを会話で使ってみることで、説明がうまくなっていくことを徐々に実感出来ます。

この「徐々に」というところを忘れないでください。

いきなり6W3Hを会話で実践しようとしても、うまく話せないことがほとんどでしょう。

でも、それでいいんです。

まず、「6W3Hを意識して会話に取り込もうとした」だけであなたはもう十分前に進んでいます。

大切なのは、その前に進んだ感覚を忘れずに次の一歩を踏み出して、歩みを止めないことです。

もちろん、説明で意識しなければならないことは他にもたくさんありますが、最初からそれら全てを実践しようとしても失敗に終わって、自分自身がいじけてやらなくなるのは目に見えています。

それなら一度に全てをやろうとせずに、ひとつひとつ丁寧に実践しながら、前に進んでみてはいかがでしょうか。

進んでいる途中で理想の自分と現実の自分にギャップを感じて、嫌気が差すかもしれません。

もし嫌気が差したなら、そんな時は振り返って過去の自分と今の自分を比べてみてください。

過去の自分と比べたらあなたは確実に成長していますし、その成長している実感が嫌気を感じてしまうのを消し去ってくれます。

そう断言出来るのは、私もあなたと同じ思いをしながら、今も前に進み続けているからです。

だから、あなたがそう思う気持ちもよくわかります。

それにそもそも話というのは相手がいて初めて成り立つものです。

自分自身と話すのと、相手に話すのは勝手が違います。

あなたが説明がうまくなりたいと思われているのは、それだけ相手のことを思いやれる素晴らしい感性を持っているからです。

その素晴らしい感性が相手にも伝わるように、そしてあなたが説明がうまい人に近付ける次の新しい一歩を踏み出すために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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