話していても相手と合わないと感じる理由
「話していても、この人とは何か合わないな」と感じることはありますよね。
初対面などそこまで親しい間柄だけではなく、家族など親しい間柄でも感じることがあります。
「なんで相手はわかってくれないんだろう」と思って相手に伝えても、暖簾に腕押しで相手に伝わっている感覚がない。
そんな経験を私もしたことがあります。
その理由はあなたと相手との距離感がうまく嚙み合っていないからかもしれません。
距離感を意識することで、あなたが伝えたいことを相手に伝えられるようになるし、相手のことも受け入れられるようになります。
では、どうすれば相手との適切な距離感を身に付けられるのでしょうか。
今回ご紹介する書籍の『こだわらない とらわれない』では、相手との適切な距離感の取り方から立ち振る舞いだけではなく、様々な悩みに対して仏教の視点からわかりやすく説明しています。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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著者の荒了寛(あらりょうかん)さんは10歳で住職の道に入り経験を積んだ後、48年間初代天台宗の布教の為にハワイで活動されていました。
ハワイで活動されていたと聞くと優雅なイメージがありますが、実際は天台宗が全く布教されていない未開拓の地で布教活動を行ったため、特に金銭面で大変な苦労をしたことを本書の随所で語られています。
住職として特殊な経歴を歩んできた著者ですが、本書のタイトル、及び本書を書いた経緯を以下の通り話されています。
長く生きていると、いつも自分を励まし、心を穏やかにするための知恵はどうにかこうにか付くもので、私は胸の内で今回本書のテーマにした「こだわらない、とらわれない」ということをずっと念じてきたように思うんだ。
何に対しても、こだわったりとらわれたりしているのは当たり前のことだけど、他人ではなく所詮は自分なんだよ。
人はなぜ悩み苦しむのかと言えば、「こうあらねばならない」と自分で自分を縛ったり、身近な人あるいは他人さえも縛ろうとするからだとも言えるね。
でも、この世に決められている事なんて何もなく、何事も常に変化し続けているというのが本当のところなんだな。
つまり、大きく大きく物事を捉えるようにして真理を知ることが大切で、その為に必要なのが「こだわらない、とらわれない」という演じ方になるわけだ。
これは仏教の「無常」、あらゆる物象は変化し続けていて変わらない物などない、という教えに正に通じているよ。
こうしたことに気付きさえすれば、ほとんどの悩みや苦しみは無くなるに違いないし、胸のつかえなど霧散してしまうはずだ。
人が悩み苦しむ理由を、「こうあらねばならない」と自分で自分を縛ったり、身近な人あるいは他人さえも縛ろうとするからと説明されていますが、それが如実に表れるのが人間関係です。
本書の第2章『人と人の悩みは尽きないもの』から『人間関係は我を張らず、補い合えばうまくいく』で紹介されている以下の内容に心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
人はそれぞれ生い立ちも育ち方も違っていて、身体能力や学習能力も各人各様だ。
当然、性格も異なるから、気の合った者同士が仲良くなりその逆もある。
人を悩ませるのは、この逆の場合、つまり相性の悪い人達との付き合い方だ。
それも他人に限らず、親子、兄弟、夫婦などごく身近なところにも相性が合わないということがある。
そうなるといわゆる、骨肉の争いとなってしまうところもある。
例え肉親でも、ほどよい関係を作るには互いに譲り合い、補い合う気持ちが求められるわけだが、これがなかなか難しい。
隣の芝生は青いということわざ通り、一見平和そうに見える家庭にも多かれ少なかれ何か問題があるというのがほとんどの様だね。
人間関係がギクシャクする原因を考えてみると、その最大要因は自我がそれぞれあるからなんだ。
自我は、性格とか個性を形成しているもので、「あの人は我が強い」などよく言われるようにその強さが様々な形になって人間関係に軋轢をもたらしている。
自我を上手にコントロール出来れば、家庭でも職場などでも人とぶつかることは少なくなるはずだよ。
では、「我が強い」とか「我を張る」というのはどういうことかと言うと、よく皆さんが遭遇する「自分の意見を押し通そうとする人」、「自分の方が見識が高いとうぬぼれている人」、「プライドの高い人」、「自信過剰の人」、「自分の頑固さに気付かない人」、「自己主張の強い人」といった人達の心の有様と態度のことで、前に紹介した「小随煩悩(しょうずいぼんのう)」と密接に関係している。
「小随煩悩(しょうずいぼんのう)」とは、妬み、恨み、憎しみなど心の底でわだかまってしまうコントロールしにくい感情のことを随煩悩と呼び、そこからさらに分けられるのが小随煩悩です。
人間関係が近くなってしまうと、遠慮がなくなってしまいます。
それだけ相手と親しい関係を築けたというと聞こえはいいですが、遠慮のなくなり度合いによってはそれが人が離れていってしまう原因にもなります。
あなたにもそんな経験があるのではないでしょうか。
心地よい関係がどんな関係かとは人によって全く違います。
相手を尊重し合う関係が心地よいと思う人もいれば、相手と親密な関係になるのが心地よいと思う人もいます。
共通しているのが「人との距離感がどのくらい離れているか」なのですが、このどのくらい離れていれば心地よいかの基準が人によって全く異なるわけです。
近ければ心地よいと思っている人と遠ければ心地よいと思っている人では、当然互いに反発してしまうでしょう。
距離感の大切さに関して、著者も次の通り述べています。
しかし、我が強い人のせいで周りの人が迷惑するというのでは、人間関係は丸く収まらないし人との争いが絶えないことになる。
したがって、自我は誰にでもあることを認め合って、「人は一人では生きていけない」という原点に戻らないといけないね。
譲り合ったり、補い合ったり、時には励まし合ったりして人間関係は成立しているんだから、我を張らず互いに尊重し合いながら、互いの領分に踏み込み過ぎないようにほどよい距離を保って人と付き合うことが大切になるんだ。
親しい間柄になると「譲り合う、補い合う」の精神を忘れがちになってしまいます。
日常で忘れがちになってしまうわかりやすい例を挙げると、親子関係がイメージしやすいかと思います。
「自分がこうしたいからこれをする」の一点張りで、親子共に一歩も引かない場面になった経験をあなたもしたことがあるかと思います。
親しくなりすぎると、距離が近くなりすぎると現れてしまうのが「我」です。
「我」が現れてしまうとその後の人間関係がどうなってしまうのかを、著者はパレットに並べられた絵の具に例えました。
人間関係と配色の関係性
そうした関係はパレットに並べられた色に例えることが出来る。
私達は一本の絵の具みたいなものだ。
ほどよく混ぜ合わせなければ、気に入った色にはならないし、方法を間違えるとどんどん濁ってしまう。
赤なら赤、青なら青という色をそのまま使おうとしても、他の色とのバランスを考えないとおかしな色使いになってしまうでしょ?
つまり、色だって互いに補い合う関係にあるから、絵が描けるということになるんだよ。
誰しも常に自分の心の動きや物事にこだわって生きている。
例えば、愛する人が亡くなると悲しくなるのは当たり前のこと。
でも、いつまでも悲しみを引きずっているとそのこだわりが苦しみとなってしまうので、般若心経では「度一切苦厄(どいっさいくやく)」、「こだわりは一切の苦しみと災いの元になるから捨てなさい」と説いているんだよ。
この言葉は亡くなって、悲しくて仕方ないという故人であるからこそ、その故人と生かされている自分との距離を保つことの大切さを教えているわけだけど、現世における人間関係の在り方にも十分通じることだと思う。
人と人との関係は歯車だ、こちらも合わせなければ回らないよ。
(『こだわらない とらわれない』より引用)
もし絵の具を使って絵を描いている時に、パレットにはない紫色が欲しくなったらあなたはどうしますか?
絵の具を混ぜ合わせて紫色を作りますよね。
ちなみに、紫色を作るためには赤色と青色の絵の具を混ぜると作れます。
そして混ぜ合わせる際には割合を意識します。
割合を意識しないと望んだ色にならなくなってしまうのは、絵の具で絵を描いた経験がある方は共感出来るでしょう。
私も小学生の頃に授業の一環で絵の具で絵を描いた経験がありますが、割合を意識せずに配色したので失敗してしまいました。
絵の具を混ぜ合わせる割合は多すぎても少なすぎてもいけません。
それどころか、割合を均等に混ぜ合わせても望んだ色にならないこともあります。
綺麗な紫色を作るためには、赤色と青色の割合を1:2にするか2:1の割合で混ぜる必要があります。
割合を均等にしてしまうと、茶色っぽくなったり黒色っぽくなってしまいます。
人間関係も割合が大切なのではないでしょうか。
自分という「我」と相手という「我」は、全く違う性質であること。
そしてお互いの「我」をどのくらい出せば、互いに心地よい時間を過ごせるのかを意識し合うことが大切だと本書を読んで気付きました。
「自分が自分が」と「我」を出して色を強調していては、相手の色がかき消されてしまう。
逆に、相手のことを優先し過ぎると今度は自分の色がなくなってしまう。
互いにとってちょうどいい塩梅があり、そこを見極めることで互いにとって心地よい距離感を保つことが出来ます。
割合を意識するには、まず自分の色を、「我」を把握することから始めてみましょう。
人との関わりの中で自分はどんな時に嬉しさや悲しさを感じるのかなど、感情が揺れ動いた場面を思い返すことで自分の色がわかります。
自分がどんな色をしているのかがわかれば、相手の色も次第にわかるようになります。
「この人とは話していて気が合うから、色をもう少し出してもいいかも」とか、「この人とは話していても何だか合わないから一歩引いてみよう」など客観的に自分と相手の配色を見れるようになります。
混ざり合った後の色を意識すること、これが人との距離感を心地よい距離に保つ仏教の教えです。
あなた自身の色に対する解像度をさらに高めるために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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