悩み方にも、「うまい」と「下手」が存在する
「悩み沼」という言葉をご存知でしょうか。
悩み事があると、考えないようにしても気が付いたら考えてしまう状態を指します。
好きなものに夢中になっている様子を一度ハマるとなかなか抜け出せない沼に例えた「沼る」という言葉から派生された造語ではないかと個人的に考えています。
あなたがこのサイトを閲覧されたのは、何か悩みがあるから訪れてくださったのではないでしょうか。
実は悩み方にも、「うまい」と「下手」が存在します。
悩み沼にハマるような悩み方は典型的な下手な悩み方です。
あなたは下手な悩み方をして、精神を消耗しているだけにはなっていませんか?
自分自身を苦しめるだけの下手な悩み方から抜け出して、上手な悩み方を身に付ければ自身を成長させてくれます。
そんな「悩み」に焦点を当ててわかりやすく解説しているのが、今回ご紹介する『悩み方の作法』です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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Audibleの公式サイトはこちらからどうぞ精神科医から見た悩みとは
著者の和田秀樹さんは精神科医です。
精神科医として患者さんを診察していて経験するのは、うまく悩めない人が多いことだそうです。
悩まなくてもいいこと、あるいは悩まない方がいいことを深く悩んでしまって、それが心の具合を悪くしているケースにたくさん出会いました。
そこで著者はうまい悩み方と下手な悩み方があることに気付きます。
下手な悩み方とは何かというと、まず悩みの向きが間違っています。
例えばダイエットを繰り返す人がいたとしましょう。
この人はスタイルが良くなれば人から好かれると思い、ダイエットをしています。
当然ですが、人は見た目だけではありません。
「ルックスが良くなればいい」とその一点突破をすれば全てが良くなるといった考えになってしまうと、その人が本当に悩むべきところを見落とすことになってしまうことは多いのです。
「人に好かれるにはどうしたらいいんだろう」といった方向できちんと悩めれば、本来の目的に沿った発想が出て来るかも知れませんが、間違った方向で悩んでいるので良い結果にはなかなか繋がりません。
それに自分では解決出来ないことについて悩んでしまうと、一生懸命考えているのにその状態が全くよくならないから、余計そこで悩んでしまうという悪循環が起こります。
これは「悩み沼」の仕組みそのものです。
その様に悩み続けても何も前に進めないことは本書でも次の通り述べています。
「悩みが人を大きくする」とか「悩みが人を強くする」といった言い方があります。
確かに悩みは人間を成長させることもあるし、悩むことによって知恵が付くということもあります。
しかし、ここで間違えてはいけないのは、ずっと悩んでいては知恵も付かないし強くもなれないということです。
悩みは筋トレとは違います。
悩み続けていれば、鍛えられて強くなるというものではありません。
成長出来る人、悩んで知恵が付く人というのは、悩みそのもので成長出来るのではなく、悩みを解決することで成長し知恵が付くのです。
「若者はもっと悩んだ方がいい」とか「悩めば大きくなれる」といった言い方がありますが、それは物事の半面であって、ある種の答えを得ない限りは成長出来ないと私は思います。
姜尚中氏のベストセラー『悩む力』、集英社のコピーには「悩み抜いて強くなる」というフレーズがありますが、その点は私はあまり賛成出来ません。
人間の脳のメモリは小さくて、何かで悩んでいる間はそのことだけで脳がいっぱいになり、他のことに目がいきません。
その状態で強くなれるとは言えないでしょう。
現実的にも、永遠と悩むくらいなら、仮でもいいから答えを出してしまって行動してその結果を見てみないと、その答えが合っているか間違っているかなんてわかりません。
悩み沼から抜け出すには、そこから動いて離れることが解決策です。
思い付いた解決策は手当たり次第に行ってみるくらいの心構えで取り組みましょう。
その場でいつまでも悩んで、答えが思い付くのを待っているだけでは何も変わりません。
ある程度悩み続けて答えが出ないのなら、もう自力では答えが出ないという風に悟った方がいいのです。
それに例え悩みを解決しようと行動して失敗してしまっても、そのことで自分を責めたり自己否定をする必要はありません。
神経症的な悩みと建設的な悩み
悩みについても失敗と全く同じことが言えます。
悩むことから学ぶということが出来るかどうかは、神経症的な悩みと建設的な悩みのひとつの分かれ目です。
神経症的な悩み方をしてしまうと、堂々巡りで悩みを自己増殖させてしまい、解決策も見つからず悩んでも何も変わらなかったということで終わることが多いのです。
そうした悩みの堂々巡りから抜け出すには、誰かのアドバイスを受ける、本を読んで気付く、自分なりの答えを出してもう一度行動してみるといった方法で悩みから学習する方向に持っていくことが大事です。
ただし、数学と違って人生はそこで学んだ答えが常に正解とは限りません。
これで悩みを脱却出来ると思ったら、またダメだったということもあるでしょう。
しかし、やってみて適切な解決策でないことがわかったら、次の新しいチャレンジをすればいいだけのことです。
「自分はなんてダメなんだろう」と自己否定することはありません。
新しいチャレンジをして、前と違う失敗をすることはいいことです。
この考え方は非常に重要です。
神経症的な悩み方というのは要するに、同じ失敗を繰り返すようなものだからです。
「このやり方でやって出来なかったら、次にこのやり方をやってみよう」、「やっぱりダメなら、今度はこっちのやり方をやってみよう」と悩み方を変えたり悩みの種類を変えていくといったことが出来れば建設的に悩めるようになるのです。
(『悩み方の作法』より引用)
「悩み沼」は神経症的な悩み方です。
それはただ自分自身のことを苦しめるだけで精神が消耗していくだけの悩み方。
メンタルには自分に合った概念で向き合いましょう『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』の記事でも紹介しましたが、目には見えないメンタルや悩みには自分に合った概念で向き合えばいいのです。
「悩み沼」と称して抜け出そうとしても抜け出せずに時間と気力だけが奪われていく、そんな概念を作り出しているのはあなた自身です。
そんな概念を捨てたいのなら、まずはその定義を崩す必要があります。
「悩み沼」は自分自身のことを苦しめるだけで精神が消耗していくだけの悩み方であり、時間を消費しても解決はしない。
そこから抜け出すには行動を起こすしかない。
その悩みが本当に悩むべきところを見落としていないか悩みの方向性を再確認する。
再確認出来たら、思い付いた解決策を試して行動を起こす。
失敗したら、次は同じ失敗を繰り返さないように気を付けながら新しい方法を試してみる。
この様に自分の中で定義付けをし続けることで、「悩み沼」から抜け出しやすくなります。
それは「悩み沼」の考えないようにしても気が付いたら悩みを考えてしまう状態という定義が崩れていくからです。
考えないようにしようと思っていても考えてしまうのは、自分の中で悩みを受け入れることが出来ないから浮き出てしまうのです。
それならば正面から向き合ってみて、自分の中で腑に落ちれば出てこなくなります。
それに再確認を行った段階で、今抱えている悩みは悩む必要がない神経症的な悩みだとあなたが判断したのなら、向き合う必要すらありません。
ここまでの文章を読んでみて、もしあなたが抱えている悩みが神経症的な悩みではないかと少しでも思ったのなら、本書を読んで悩みと向き合いその正体を確認してみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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