ある場所では会話での盛り上がりが明確に分かれる
人が集まる場では様々な話題で会話が盛り上がります。
あなたも気の知れた友達同士と他愛のない話で盛り上がったことはあるでしょう。
コミュニケーションは意味がなくても成立するし、意味がないことが大半です。
もちろん、何か目的があって話す事もありますが、友人関係の会話では毎回目的がある会話をしていたら疲れてしまいます。
日常生活で会話が行われやすい場所として主に飲食店が挙げられます。
特に居酒屋ではお酒の影響もあって、聞き耳を立てなくても自然と耳に入ってくるくらい大きな声でお客さんが話すので、どんな会話の内容なのか聞き取れてしまいます。
そこに注目してみると、話が盛り上がっているグループと話が盛り上がっていないグループに分かれていることに気付きます。
なぜ明確に二極化で分かれてしまうのでしょうか。
それは話す側が話す際に意識していることが違うからです。
この意識することを知れば、あらゆる場面で応用が効いて話しやすくなります。
それがどんなことかをわかりやすく解説している本が、今回ご紹介する『人は話し方が9割』です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。
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Audibleの公式サイトはこちらからどうぞ話し方の基礎となる三大原則
著者の永松茂久さんは26歳の時に3坪のたこ焼き屋から身を起こし事業を成功させましたが、これまでの人生で話し方で失敗したことは数限りなくあったと本書で語っています。
当初を振り返ってみると自分の言いたいことばかり言って、スタッフの人達を困らせてばかりいたそうです。
そんな著者が話し方を変えただけで、人生が激変しました。
話し方を変えることでスタッフや社員の方達と円滑にコミュニケーションを取れるようになり、お店は大繁盛します。
そんな著者の経験から、身近な人達との人間関係を円滑にする話し方を本書では解説しています。
日常的なコミュニケーションは人生の大部分を占めています。
どんなノウハウでも、日常生活で使えるものでなければ意味がありません。
逆に言えば、日常生活のコミュニケーションがうまくいくことであなたの生活は豊かになるということです。
話し方の根幹から学ぶことで小手先だけのテクニックではなく、本質を理解出来るようになります。
話し方には全ての基礎となる大原則が三つあります。
その三大原則を以下の通り解説しています。
まず、「人は誰もが自分の事が一番大切であり、自分に一番興味のある生き物である」ということです。
想像してみてください。
皆で映った集合写真で真っ先に見るのは何でしょうか。
そうです、自分の顔です。
集合写真が手元に届いて他人の顔を確認する人はめったにいません。
まず、自分です。
つまり、一番興味のある相手自身のことを主役にすれば、自然に相手の感情は高まっていく。
自分を主役にしてくれるあなた自身のことを好きになるという簡単な心理です。
二つ目が、「本来誰もが自分の事を認めて欲しいし、自分の事をわかって欲しいと熱望している」です。
そして三つ目が、「人は自分の事をわかってくれる人のことを好きになる」です。
この三大原則を一言で言うと、相手の承認欲求を満たそうとすることではないでしょうか。
会話で相手の承認欲求を満たして話そうとする意識が、コミュニケーションを円滑にしてくれる潤滑油となります。
それを踏まえた上でお聞きします。
話し方において一番大切なことは何だと思いますか?
答えは聞くことです。
なぜ、聞くことが一番大切なのでしょうか。
その理由を次の通り説明しています。
それは話し方において一番大切なことは、聞くことであるということです。
「ちょっと待ってよ、私は聞き方ではなくて話し方について知りたいの」、そう思ったあなた。
そうです、本書は話し方の本です。
それなのに、なぜ聞き方が重要だというのか。
それは前項で紹介したように、人は誰しも自分の事に関心を持って欲しいと思っており、認めて欲しいと考えているからです。
そういった相手の自己重要感を高めるのに最も有効なのが、聞き方をマスターすることなのです。
聞くことは受け身な行為だと勘違いされがちです。
実際、自分から話さなくていいから楽だと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、聞くことは相手の承認欲求を満たす行為です。
これが受け身の姿勢だけで本当に満たせるのなら、SNSはここまで盛り上がってはいないはずです。
SNSの投稿にいいねやコメントなどの反応が来ることで、見た人から自発的な行動が返ってくるからこそ投稿者の承認欲求が満たされるのです。
このように相手側の立場に立ってコミュニケーションを考えると、自分が会話で何をすればいいのか自然とその道が照らされて見えるようになります。
本書でも相手の立場を理解することの重要性を知っているからこそ、最初に三大原則の話をしたのだと思います。
その重要性がわかる具体的な例として悩み相談を挙げてみましょう。
悩み相談を聞く側に立つと何が見えるのか
相談に来る人というのは結局のところ、とにかく話を聞いて欲しい、自分のことをわかって欲しい、共感して欲しいという思いが強いのです。
実のところ、解決策を求めている人はほとんどいません。
また、相談事というのはポジティブ、ネガティブで分けると多くの場合ネガティブな要素が多い。
だからといって、「ダメだよ、そんなネガティブじゃ。ポジティブに考えようよ。」とすぐにポジティブ論を持ち出すのは止めましょう。
その時点で、相談者はあなたに話をしなくなります。
相手が求めていることは「わかって欲しい、共感して欲しい」であって、必ずしもプラス方向に転換したいと思っているわけではありません。
また、感情的にネガティブになっている時にポジティブ論を展開すると、説教されていると捉える人もいて効果的ではありません。
つまり、良かれと思って話をすればするほど、相手はあなたの思いとは逆方向に気持ちが行ってしまうのです。
(『人は話し方が9割』より引用)
誰かに悩みを相談する際に、共感して欲しいという思いが強いのはとてもわかります。
私自身も精神的にかなり疲弊していた時に心療内科とカウンセリングを受診した経験があるのですが、その時に思っていたことが「誰かに話を聞いて欲しい」でした。
自分が今抱えている悩みが重すぎて、その重量感に押し潰されそうな時は抱えている悩みを少しでも軽くすることから手を付けるのがいいと、私の経験上そう考えています。
仮に、当時の私が最初にその悩みを解決する方法を教えられても、重量感で苦しんいる中で解決策を実践するのは難しかったと思います。
なので、まずは悩みを軽くしてみるところから始めてみる。
その軽くする方法が人に自分の悩みを聞いて貰い、共感して貰うことです。
あなたは何か悩みがあるから、このサイトを訪れてくださったのだと思います。
あなたが「悩みを誰かに共感して欲しいのか」、それとも「悩みに対する解決策を教えて欲しいのか」を最初にハッキリさせておきましょう。
ここを区別しておかなければ、相手にあなたの悩みを聞いて貰っても満足しない結果に終わってしまいます。
両方ともして欲しくても、最初は「悩みを誰かに共感して欲しい」に留めておくことがベストです。
理由は相手が自分の悩みを受け入れて共感して貰えたことを、自分の中で実感するのは時間がかかるからです。
もし「悩みに対する解決策を教えて欲しい」と思った場合には、気を付けなければならないことがあります。
これも聞く側の相手目線に立てば理解がしやすく、そのことに関して本書で次の様に説明しています。
時には、相手があなたにアドバイスを求めることもあるでしょう。
その時はあくまで客観的、かつ謙虚に答えることがベストです。
例えば「絶対にこうすべきだよ」ではなく、「これはあくまで私の一意見だけど、こんな考え方もあるんだと思って聞いてね」というところから始めると、相手の心にスッと言葉が入ります。
あくまで結論を決めるのは相手です。
どんなにあなたが「こうすればいいのに」と思ったとしても、そこはグッとこらえましょう。
あなたの意見を押し付けすぎると、相手はあなたに対して感情的になってしまい、結果的にあなた自身が後悔することになってしまいます。
「これが正しい」は相手にとっては押し付けになってしまうことが多いということを覚えておくといいと思います。
上記の通り、悩みを聞く側は断定してはいけません。
あくまで、悩みに対する解決の主導権を握っているのは悩みを話した側です。
解決策を教えて欲しいと思って相手から解決策を提示されても、それを実践するかどうかは結局、悩みを話した側が決めることです。
最後まで相手の意志を尊重し続けることが大切です。
人に悩みを相談をしたいと思った時は、自分がその悩みを聞く側になったと仮定すると今抱えている悩みに対して自分がどうしたいのかがわかります。
悩みを話している自分と悩みを聞いている自分が対面上にいる様子を頭の中でイメージするとわかりやすいかと思います。
悩みというものは、どうしても主体的な考えに陥りがちです。
主体的になってしまうからこそ、悩みに対して距離が近くなり、感情が溢れて「これも言いたい、あれも言いたい」と話がまとまらなくなります。
そこで「悩み相談を受けている自分」という客観的な視点を持つと悩みに対して距離が出来て、感情的にならないことで話す内容がまとまりわかりやすくなります。
この客観的な視点、話を聞いている側を自分の中にどのようにして落とし込むのかを本書で様々な事例を挙げてわかりやすく解説しています。
自分の中に聞き手を鮮明に意識させる考えを身に付ける為に、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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