執着を手放すには、「か・こ・よ・せ・て」の法則を意識しましょう『心を軽くする言葉 宇宙を味方の「か・が・み」の法則』

心理的な抑圧を緩和する
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「気分転換」と「気晴らし」の違い

「気分転換」という言葉があります。

「気分転換」とは、気分を切り替えることです。

嫌な感情を一時的にごまかす場合は、「気晴らし」や「憂さ晴らし」と言います。

「気晴らし」は問題から目を逸らす逃避の意味合いもありますが、「気分転換」は問題に対して好意的な気持ちに入れ替えることが出来ているので前向きな意味合いがあり、似たような言葉ですがニュアンスが異なります。

それならば、「気分転換」が出来るようになりたいですよね。

嫌な出来事があっても、すぐに気分を切り替えて前向きな姿勢になれれば日々を明るく過ごすことが出来ます。

そして「気分転換」とは、自分の心の中に気分を切り替えるスイッチをいくつも持っている状態だと、私は考えています。

「外を散歩する」とか「お気に入りのカフェに行く」などのスイッチを持っていれば、いざという時にそのスイッチを押してみて自分自身の反応を確かめられます。

具体的に例に挙げたのは行動ですが、切り替えるスイッチは行動だけではなく思考でも適応されます。

その思考で切り替えるスイッチを持つことに関してわかりやすく解説している書籍が、今回ご紹介する『心を軽くする言葉 宇宙を味方の「か・が・み」の法則』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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人生はオセロゲーム

著者の小林正観さんの主な肩書きは著作家と心学研究家です。

生前は全国各地で講演を行っており、年間で300回以上の講演を行っていました。

講演の内容は主に人生論に関してであり、この書籍では著者の人生に対する考え方や価値観を解説しています。

本書には頻繁に出て来る言葉があります。

それは「ものの見方を変える」という言葉です。

「この世の中で起こることは全て中立で、いいことも悪いこともありません。あるのは解釈の違いだけです。」と著者はそのように言葉の意味を説明しています。

いくつか例を挙げて解説していますが、「人生はオセロゲーム」という例えが私は特に印象に残りました。

「人生はオセロゲーム」とはどういうことか、以下の通り解説しています。

今日、「ああ、私は幸せ」と思えば、昨日までに体験した嫌なことが、今日の幸せに至るまでの原因とわかり、幸不幸とはオセロゲームのように白と黒がすぐにひっくり返るもの。

オセロゲームというのをご存知でしょう。

縦でも、横でも、斜めでも、白と白で両端を挟んだら、間に存在している黒の駒は全てひっくり返って白になります。

最終的には、盤面に白黒どちらかの石が多い方が勝ちです。

たった今、白を黒に裏返して「やったー」と喜んでいても、すぐに黒を白に裏返されることもあります。

幸不幸はこのオセロゲームによく似ています。

もし今日あなたが、「ああ、私ほど不幸な人はいない」と思ったとしましょう。

すると、昨日までの全ての過去、全ての出来事がみんな不幸の原因になってしまいます。

それまではよかったことでも、「あれがなかったら」、「あんなことが起こらなければ」とひとつひとつが怨みや憎しみの対象になってしまいます。

ところが、次の日に宝くじが当たったり、憎いと思っていた人から優しい言葉を掛けられたりすれば、昨日までの不幸が全て幸せになります。

失恋も、人との争いも、受験の失敗も、病気や事故などの全てが今日の幸せに至るまでの原因であったと言えます。

つまり、幸も不幸も絶対的なものではありません。

私の気分がひとつの現象を幸にも不幸にもしてしまうのです。

ここまでの話を読んで、「一喜一憂」という言葉を思い浮かべました。

この言葉は物事の結果や状況の変化に喜んだり心配したりする意味です。

喜と憂とは互いに対になるものです。

両者は互いに存在することが出来ず、盤面という心の中で多い方の感情の駒でその人の気分が決まります。

気持ちが落ち込んでいる人は、その人の心の中を見てみると憂の駒が盤面に多いということになります。

それなら、喜の駒を増やして憂の駒を減らしたいですよね。

しかし、ここからが実際のオセロゲームと異なるところなのですが、単純に喜の駒の数を増やして、憂の駒の両端に喜の駒を挟んでもひっくり返すことは出来ません。

なぜなら、感情には強弱という概念が存在するからです。

例え、喜の駒を増やしても憂の駒の方が感情が強ければひっくり返すことは出来ないようになっています。

上記の例えでも、「宝くじが当たったら」とか「憎いと思っていた人から優しい言葉を掛けられる」など喜の駒の内容が強いとは思いませんか?

これが「仕事終わりにアイスを食べる」とか「お気に入りの漫画を読む」ならどうでしょうか。

確かに普段はそこに喜びを感じられるからその行動は選択肢に入りますが、強力な憂の駒の前ではかき消されてしまうでしょう。

あなたも落ち込んでいる時に自分の好きなことをしようとしても、「今はそんな気分じゃない」と気が乗らなかった経験をされたことはあるかと思います。

では、どうすればいいのでしょうか。

その答えは憂の駒を弱体化させることです。

どの様に弱体化させるかというと、「か・こ・よ・せ・て」の法則を使うことです。

「か・こ・よ・せ・て」の法則

人が執着し自由になれないのは、勝ち負け・幸不幸・良し悪し・成功失敗・敵味方という「か・こ・よ・せ・て」の五つに縛られているから。

これらは分けるように教育されてきたけれども、実は分けられないもの。

勝ち負け・幸不幸・良し悪し・成功失敗・敵味方、この五つの頭文字を取ると「か・こ・よ・せ・て」イコール「かこよせて」となります。

これらは私達を執着で縛り、自由を手に入れることを妨げる要素です。

私達はこれらを対の言葉として考えますが、そう思うこと自体が囚われなのかもしれません。

どの要素も分けられないものということが出来ます。

エジソンが初めて電球に火を灯すことに成功した時、材料実験で三万回も失敗をしたと言われていますが、それを指摘されたとき彼は「誰が三万回も失敗したって?電気を通さない物質を三万個発見しただけだよ」と答えました。

彼の中には成功と失敗を分けるものは存在していなかったのです。

「か・こ・よ・せ・て」を「かこよせて」というのは、過去は押しやるのでなく、引き寄せて大事なものとして抱きしめるものと私は解釈しました。

それを愛し、感謝し、受け入れることで二つに分ける意味はなくなってしまいます。

これが自由になることであり、悟ることに通じるのだと思います。

(『心を軽くする言葉 宇宙を味方の「か・が・み」の法則』より引用)

強力な憂の駒に該当する過去は誰でも持っているものだと思います。

ただ、それを押しやったところで一時的に問題から目を逸らす「気晴らし」にしかなりません。

時間が経過して解決してくれるものではないので、一時的に喜の駒で埋め尽くしても、その憂の駒は盤面に必ずまた出現します。

それならば、引き寄せて大事なものとして抱きしめた方がいいのではないでしょうか。

そうすれば、憂の駒に対して好意的な気持ちで前向きに受け取れる「気分転換」になります。

何か嫌な出来事があると人は拒絶し、反発します。

ですが、反発し続けると執着になり、いつまでもそこから離れられず自由になれません。

そこでものの見方を変える必要があります。

それが「か・こ・よ・せ・て」の法則を意識することです。

愛し、感謝し、受け入れることで憂の駒は弱体化します。

受け入れてしまえば反発する力も弱まり、普段喜びを感じるような内容の喜の駒でもひっくり返せるようになります。

あなたが盤面上に憂の駒が多く喜の駒が少ないと感じているのなら、喜の駒の数を増やすことと、憂の駒を弱体化させるようなものの見方を身に付けられるように本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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