「答えをもらえない恋愛を繰り返してちゃあ、恋するなんて辛いだけよ。」『ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み豚に相談した?』

心理的な抑圧を緩和する
記事内に広告が含まれています。

お悩み相談を受け付けてくれるのは人だけではない

前回の記事「元の自分に戻りたい」、これって元彼に執着するオンナと同じよ?で私がお悩み相談に関するサイトをよく閲覧していることを話しました。

お悩み相談のサイトはウェブ上に数多くあって多種多様なのですが、その中でも特に異色でかなり独特なスタイルを貫いているのが、今回ご紹介する『ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み豚に相談した?』です。

思い込みが強い人が一歩踏み出すには

ロースおじさんはホームページ作成サービス「グーペ」の広報ブログ「とんかつ教室」を運営しており、飲食店の経営を務める傍ら相談者のお悩み相談に回答します。

ですがこのロースおじさんは本の表紙の通り、豚のキャラクターに加えて小学4年生が大好きという個性がかなり癖が強く、相談者の方も「使いたいドラクエの呪文は何ですか?」を筆頭にギャグに振り切った質問をして、それに全力でロースおじさんが乗っかり、回答をギャクで思いっきり打ち返す展開もよく見られます。

ただ、すべての質問にギャク一辺倒で答えていくかと言われるとそんなことはなく、アニメやゲームなどのサブカルチャーからグラフィックアート、老子、心理学に関する知識など幅広い造形があり、そこから相談内容に適した最もわかりやすい表現で回答する、不真面目さと真面目さのギャップが今までに無いお悩み相談のスタイルで衝撃を受けると同時に、暗い雰囲気を抱きがちなお悩み相談の印象が大きく変わりました。

本書ではキャラクターの癖の強さに反して割と恋愛系の相談が多く、ギャグが多めながらもロースおじさんらしい独特な観点からズバッと回答しているのですが、特に印象に残ったのが「好きな人を振り向かせたい」というタイトルの相談です。

相談者の方はいつも無理な男性を好きになり、お友達程度には仲良くなれるのですが、気持ちがバレバレで重いのかお付き合いまでには至らないので、相手にさりげなく興味をそそるような好意の示し方を教えてほしいという内容。

それに対してロースおじさんは相談者が自由に設定ができるペンネームの読み方が難解であることに対して「読めん!」っと切り込んだ後、そこから相談者が思い込みが強くて自己完結しがちな性格であることを見抜きます。

そして「お友達程度には男性と仲良くなれる」ということに対して、これは仲良くなった「つもり」、気持ちがバレたと「思い込んでいる」だけであり、相談者が意中の相手からちょっとメールが来ないとすぐに「どうせあたしなんか」といじけちゃうタイプであることを、相談者の名前と文章から的確な分析をした上で、そんなスタンスを取る相談者を「失敗するのを恐れて予防線を臆病者」だと煽り反論を促します。

そこで相手が自分の気持ちを口に出して吐き出させたことを確認した上で、ロースおじさんとのやりとりが完成したことを自覚させ、相談者の今までの恋愛は完成していない、終わっていないことを諭させて、言葉を続けます。

恋愛って自分の気持ちを口に出して相手に伝えなきゃ終わらないの。だからあなたの中で自分の何が悪かったのかもわからないまま、あれこれ想像を働かせちゃうのよ。ひょっとしたらあれが悪かったのか、これが悪かったのか・・・・・・。でもそんなこと全然意味ないよね。答えをもらえない恋愛を繰り返してちゃあ、恋するなんて辛いだけだよ。

(『ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み豚に相談した?』より引用)

自分の気持ちを口に出して相手に伝えるのは、恋愛に限らず大切なことですが難しいですよね。

もちろん自分の気持ちを相手に伝えた際に相手がどんな反応をするか、相手がそのことで傷つかないかどうかを相手の立場になって考えることは必要なことであり大切なことですが、そこで完結しているがゆえに行動を起こすことに一歩踏み出せないのは、間違っています。

相手の立場になって考えたところで、結局それは自分の中での考えの枠にとどまっているだけに過ぎず、行動を起こした後の実際の相手の反応が正解です。

自分が相手のことを必死に考え抜いて起こした行動は、例え相手が思うような反応を示さなくてもその反応は次に繋がる立派な答えではないでしょうか。

相談者の方の恋愛事情を整理した上で、これからのアドバイスをロースおじさんがするのですが、続きは是非本書を読んでお確かめください。

他のお悩み相談とは一線を画くロースおじさんの不真面目で面白おかしいギャクと、真面目で心にズシンと響く的を得た回答の癖の強い二刀流をどうぞご笑覧あれ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました