老若男女が活躍する職業
小学生がなりたい職業ランキングにYouTuberが1位にランクインしました。
YouTuberが1位にランクインするのは前回の2022年に引き続き、今回の2023年の調査結果でもランクインしたのでこれで2年連続になります。
もはやテレビ以上に私達の身近な存在になったYouTubeですが、その中で活躍されるYouTuberの方達の知名度とその影響力は年々増加しています。
YouTuberは本当に多種多様で配信者は子供からお年寄りまで年齢層が広く、活躍されているジャンルも多岐にわたります。
そんな方達が作成される動画を私もよく拝見して楽しませて貰っています。
私が好きなYouTuberの方が出された本が今回ご紹介する『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』というタイトルの本なのですが、著者はYouTuberともうひとつ肩書きがあります。
それがこのタイトルから想像できますか?
答えは住職です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。
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著者の大愚元勝(たいぐげんしょう)さんは『大愚和尚の一問一答』という名前のYouTubeチャンネルで動画を公開されています。
2024年4月27日現在のチャンネル登録者数は65.6万人で、動画の内容は「過去の出来事をずっと後悔し続けていて心が苦しい」とか「生きているのがしんどい」などの視聴者のお悩みに答える人生相談です。
2500人以上の相談者が今も順番待ちで回答を待ち続けており、そしてその数は年々増えるばかりなのだそうです。
近頃のニュースは悲惨な内容の事件が多く報道されており、私達が生きづらさを抱えやすいのも無理はないでしょう。
大愚和尚はそのような人の悩みに触れる中であることに気が付きました。
それは悩みの根源は同じところから始まっているのに、多くの方はそこに気が付いていないということです。
心に生じる全ての苦しみはあなたの頭の中の妄想から生まれています。
そこに他人は関係ありません。
他人は単なるきっかけに過ぎず、生じた苦しみや悩みは全てあなたの心が出所になっているのです。
そしてこのような時に役立つのが仏教です。
勘違いされている方が多いのですが、仏教、ブッダは信じれば救われるという宗教ではありません。
仏教のテーマは「心」です。
自分の心と向き合い、その動きや反応を徹底的に見つめ感情の移ろいを冷静に分析していくことで悩みや苦しみを手放し、安定した穏やかな心を養っていくことを目指しています。
今から2500年前以上に説かれた教えですが、実に合理的かつ実用的な内容で現代の私達にも取り入れられるものばかり。
この考え方を上手く利用すればどんな悩みや苦しみでも解消することが出来ます。
一筋縄ではいかないような重たい問題であっても、きっと解決の糸口を見つけることが出来るでしょう。
自分自身の心と向き合い、それを変えていくには勇気が必要です。
妄想や思い込み、他人と比較したくなる気持ちなど自分の中にある様々な壁を乗り越えていかなければなりません。
しかし、その壁を取り払い自分としっかり向き合うことが出来れば、あらゆる悩みや苦しみから解放されることが出来るのです。
仏教を正しく理解すると何が見えるのか
本書の「はじめに」の章から一部の文章を引用して著者の経歴と本書が取り扱うテーマを簡単にご紹介しました。
仏教は勘違いされていることがよくあるなと本書を読んで気付きました。
例えば、「仏の顔も三度まで」ということわざがあります。
このことわざの印象が大きいからか、住職の方は無礼なことをされても最初は怒ったり腹を立てたりしないのではないかと思われがちです。
本書でもこの件には触れられていて、「もし大愚和尚が見ず知らずの人に理由もなく殴りかかってこられたらどうしますか?お坊さんだから怒らずに冷静に対処しますか?」とよく質問を頂くのだそうです。
その質問に対して大愚和尚は「戦います。一発殴られたら倍返ししますというのは冗談ですが、攻撃されたら戦うか逃げるかの反応を示すのは当然のこと、自然界では一方的にやられることを受け入れたら死を意味するからです。」と返答しています。
このように仏教に関して世間一般に誤った認識を持たれがちな部分も取り扱い、正しい知識をわかりやすく解説しています。
そして自分自身の心に向き合うための心構えを教えてくださるのですが、その中でも特に印象に残ったのは仏教において「諦める」とはどのようなことを指すのかです。
「諦める」と聞くと悪い印象がまず出てくることでしょう。
「簡単に諦めるな」とか「諦めずに頑張ろう」など幼少期から大人や教師などの身近な大人だけでなく、映画やテレビドラマの登場人物などの創作物ですら多用されており、「諦める」ことそのものが悪いことであると教わってきました。
もちろん、やらなければならないことに対して面倒くさいからやりたくないといった怠惰によるものであれば悪いことです。
しかし、自分自身が物事に精一杯努力して向き合った結果としてならどうでしょうか。
その結果を受け入れられず絶望して立ち直れないのではないかと思われるかもしれませんが、絶望に対しても以下のようにして向き合えばいいと説かれています。
絶望に一切の救いはないのかというとそんなことはありません。
ポジティブに捉えることも出来ます。
絶望を迎えたということは限界を迎えた、さらに落ちることはない状況にあるということです。
であれば、絶望はつらいけれどもともと自分には手の届かないものだったと別の視点で捉え直してみたり、自分にとってそもそも必要のないものだったと考えることはできないでしょうか。
ひとつの方向性に対して望みが絶たれたということは、違う方向性に道が開けたということです。
絶望は自分にとって必要なものを見極めていくチャンスかもしれないのです。
(『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』より引用)
絶望と向き合うことで違う方向に光が差し込み次に自分が歩く道が見えるようになる。
望みが絶たれた道を歩まずに新しく開けた道に進むと決心することが「諦める」ことです。
そして仏教では煩悩的なことは全て諦めた方がいいと書かれています。
何か目標があって達成出来るように努力することは素晴らしいことですが、いつまでも達成出来なことを達成出来るようにとこだわっていては、「執着」となりその目標の達成だけが自分が幸せになれる唯一の手段であると錯覚し、達成できていない自分は常に不幸であると自分自身を苦しめるだけの呪縛になります。
本書ではこの他にも様々な事例を挙げて己の心と向き合うための方法を、仏教の観点から解説しています。
私たちの生活の身近にあって意外とよく知らない仏教の世界を知ることで、新しい発見が見つかるはずです。
仏教と聞くと堅苦しくて難解な印象がありますが、著者のYouTuberとしての経験から初心者でも理解しやすい工夫が随所にされており非常にわかりやすくなっています。
ここまでの文章を読んで興味を持たれた方は、是非本書を読んでみてはいかがでしょうか。
そしてYouTubeチャンネルの『大愚和尚の一問一答』のチャンネル登録と動画の視聴もこの機会に是非してみてください。
リンクはこちらからどうぞ大愚和尚とは (youtube.com)
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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