何かを伝えたいなら、二重人格になりましょう『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』

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松岡修造さんも認めた人格

「今日からおまえは富士山だ!」

「崖っぷちありがとう!最高だ!」

「イワナを見てみろよ。イワナはな、余計な味付けはいらないんだよ」

これらは元プロテニスプレイヤーの松岡修造さんが自分を鼓舞しようと発してきた言葉です。

ポジティブで熱い男のイメージが強い松岡修造さんですが、本当は心が弱く消極的なのだそうです。

そこでそんな自分を鼓舞するために上記の様な言葉を発して、自分自身を奮い立たせてきました。

これらの言葉にはもちろん深い意味があり、それを紹介しているのが『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』という本です。

興味を持たれた方はこちらからどうぞ。

この書籍の中にこんな言葉があります。

それは「二重人格は素敵だ」です。

当時、書籍の編集を担当した編集者もこの言葉に強く共感しました。

その強く共感した編集者こそ、今回ご紹介する書籍の著者です。

著者の柿内尚文さんはもともと話すのも伝えるのも超が10個付くほど苦手でした。

そんな性格だった著者がなぜこの言葉に共感を覚え、伝え方に関する書籍を執筆するまで成長を遂げたのか。

今回ご紹介する『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』は人に何かを伝える際の心構えから実践まで網羅的にわかりやすく解説した本です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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二重人格はなぜ素敵なのか

もともと話すのも伝えるのも超が10個付くほど苦手だった著者。

そんな著者が変わるきっかけとなったのが仕事での人との出会いです。

その出会いを本書でこう語っています。

そんな僕が変わることが出来たのはある言葉がきっかけでした。

仕事を始めて数年たった頃、僕に仕事や大人のたしなみなどいろいろなことを教えてくれた、少し古い言葉ですがちょい悪な師匠がいました。

彼に言われた一言が自分を変えるきっかけになったのです。

「仕事に恥ずかしさを持ち込んじゃいけない、性格と仕事は切り離せ」

目から鱗でした。

僕はそれまで自分の性格丸出しで仕事をしていたので悩むことも多く、たくさんの壁にぶつかっていたのですが、今思えばそれは全て自分の性格をベースに仕事をしていたからだと思います。

「仕事と性格を切り離せばいいということか」

これは大きな気付きでした。

仕事と性格を切り離すことを意識した著者ですが、切り離せるようになるとそれが伝え方にも応用が効くことに気付きました。

その気付きを次のように記しています。

僕自身、性格と仕事を切り離せるようになってから変わることが出来ました。

「これ、伝え方の話なの?」と思うかもしれませんが、伝え方の話です。

伝え方で最初に知っておいて欲しいのは、伝え方が上手くなるためには自分の性格を切り離して伝えるということ。

「こんなこと言ったら相手に嫌がられるかも」、「間違ったことを言っているのかもしれない」、「誤解されたら嫌だ」、そんな不安があると思いますが、だからといって伝えないままでいるとその事柄は相手にとっては存在しない事と等しいことになります。

存在を示すためにも、まずは伝えることが必要です。

伝えにくいなと思ったら、その時は性格を切り離して別人格になったつもりで伝える。

別人格になりきるには、自分がイメージする伝え方が上手い人を真似してみるのがお勧めです。

この別人格になりきる事こそが、松岡修造さんの「二重人格は素敵だ」に著者が強く共感を覚えた理由です。

お笑い芸人の方でも、テレビでは明るくて場を盛り上げるようなキャラクターで有名な方が、オフの日常生活では物静かで落ち着いた様子で過ごされていることは少なくありません。

本来の性格を変えるのは常に自分の性格に注意を向ける必要がありますが、別人格になりきるのは相手に何かを伝えようとするときだけの短時間で済みます。

もちろん、別人格の設定を決めたり実際になりきるのは練習が必要ですが、本来の性格を変えようとするよりはずっと気軽に挑戦できます。

そして伝え方にはもうひとつ大切なことがあります。

それは伝わる構造と伝わる技術です。

構造を理解して、技術を身に付ければ伝え方の精度が高まり、性格の壁を超えることも出来るはずだと本書では解説しています。

その伝わる構造とは7階建てのビルの様な構造であると著者は考えています。

伝わる構造の4階の役割

伝わるビルディングは7階建てで、それぞれの階ごとに役割があります。

1階「ゴール設定」、2階「納得感、理解する、腑に落ちる」、3階「相手ベース」、4階「見える化」、5階「聞く力」、6階「親近感」、7階「信頼感」。

どの階も重要ですが、特に印象に残ったのが4階の「見える化」です。

話がわかりやすいと言われている人は実は見える化の達人です。

上手い落語は景色が見えるということを落語好きの人に教えてもらったことがありますが、話がわかりやすい人も景色が見えるように伝えることが出来るのだと思います。

テレビに出ているグルメレポーターを思い浮かべてみてください。

上手なレポーターと下手なレポーターの差はどこにあるでしょうか。

「このカレー、めっちゃおいしい」

これだけだとカレーの魅力がわかりません。

このカレーのおいしさのポイントはどこにあるのか、他のカレーとどう違うのか。

見ている方はカレーのおいしさがイメージしにくいですよね。

一方で上手なレポーターはそのあたりが違います。

カレーのおいしさを見える化しています。

ポイントは次のように五感を意識して伝えているところでしょうか。

視覚、見た目、色、形、ボリューム、色など。

味覚、おいしさ、うまみやコク、甘味、塩分、苦み、酸味など。

嗅覚、匂い、香ばしい、甘いなど。

聴覚、音、肉が焼ける音、鍋がグツグツいう音など。

触覚、舌触り、とろける、噛み応えがある、サクサクした触感など。

こういった要素を感情と合わせて伝えてくれます。

するとカレーの景色が見えてきます。

頭の中に見える化させるというのはそういうことです。

(『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』より引用)

見える化と言えば、この伝わる構造をビルに例えていることも正にそうです。

頭の中で景色が浮かぶと伝えようとする内容の解像度が一気に上がって理解しやすくなります。

なので何かを伝える際には、相手が頭の中で景色が見えているか確認しながら話すとより伝わりやすくなります。

他の階の役割の詳細など、伝え方をより深く学びたい方は本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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