「元の自分に戻りたい」、これって元彼に執着するオンナと同じよ?『おネエ精神科医のウラ診察室』

心理的な抑圧を緩和する
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様々な背景を持つ人々が手を差し伸べるお悩み相談の世界

ネット上には様々な方々がお悩み相談のサイトを運営しています。

十人十色で色々な視点と切り口から、お悩み解決のアドバイスを行っている姿を見ると八百万の神のように姿形は異なれど、悩んでいる人を救おうという共通の目的を達成しようとしている姿勢に心が打たれます。

私も本来は悩みやすい性格で、自分の中にあるモヤモヤしている感情や考えがうまくまとまらず言語化することに苦しむ際はネット上でお悩み相談のサイトをよく検索しています。

そんな時に出会ったのが、現役で精神科医を務めつつ多数の書籍を出版してブログも運営しているTomy先生でした。

Tomy先生はゲイなのですが、オネエ口調でブログに寄せられたお悩み相談をとても切れ味のよい包丁のようにスパッと回答していきます。

そんなTomy先生のブログはこちらからどうぞ(精神科医Tomyオフィシャルブログ「毎日ひぐらし」Powered by Ameba (ameblo.jp))

前回の記事「言葉ってのはね、大事なことほど小声でささやくものなの。」で紹介した小説の『大事なことほど小声でささやく』に登場するスナックのママをしているゴンママはフィクションなので実在しませんが、Tomy先生はちゃんと実在するオネエの方です。

このオネエの方とお悩み相談とのジャンルの相性はとても良いのか架空と現実問わず、最近はよく見かけるようになりました。

X(旧Twitter)でハイテンションで世の中の不満をぶちまけたり、共感できる内容のショート動画を投稿しているカマたく(@takuya_hyon)さんもその一人です。

動画を見てもらえば一発でわかりますが、声のトーンと動きがとてもインパクトがあり、頭に残るだけではなく心にも響く内容なので強烈に印象に残ります。

話がそれてしまいましたが、今回ご紹介する『おネエ精神科医のウラ診察室』も表紙が一面ピンク色で背景がハート柄というとてもお悩み相談が題材とは思えないほどの派手さですが、見た目だけではなく内容もとても濃いです。

「元の自分に戻りたい?むしろ過去の自分と別れなさい!」

本書では仕事の人間関係から色恋沙汰、親との関係や人生の漠然とした不安に対するお悩みまでテーマは多岐にわたります。

その中でも特に印象に残ったのが、「弱い自分のままラクに生きましょ!」という章で取り上げられている「元の自分に戻りたい?むしろ過去の自分と別れなさい!」という項目の相談内容です。

相談者の方は中学生の頃までは典型的な優等生で、勉強も出来て明るくて友達も多かったのですが、高校を有名な進学校に進んでから次第に勉強についていけなくなり、なんとか高校は卒業出来たもののそこから自宅に引きこもって、ときどきアルバイトをしては、またやめてしまうという生活になってしまいました。

相談者の方は優等生だった中学生と今の自分を比較して、「元の自分に戻りたい」とこぼすことに対して、Tomy先生が回答したのがこの記事のタイトルに引用されている言葉です。

この言葉の後にTomy先生はこう続けています、

「過去に戻って元彼とやり直せたとしても、結局同じ理由で別れるのがオチでしょ」

(『おネエ精神科医のウラ診察室』より引用)

人は過去に成功体験があるとそれを基準にして物事を判断し始めます。

例えば普段はテストで40点くらいしか取れない生徒が、猛勉強してテストで90点取ることが出来た時に、「自分が本気を出せば90点取ることが出来る」と認識します。

認識自体はよいのですが、次第にそれが過剰に自分の中で評価され始めます。

その結果、次のテストで慢心して勉強せずに挑み、また40点に戻った際に「自分が本気を出せば90点取れるからいいや」と言い訳し始めます。

そしてどんどん怠惰により40点で現状維持しつ続けている自分と過去に90点を取ったことから過剰評価している自分を受け入れられなくなる。

これはあくまで例として挙げたまでですが、そんな成功体験を基準に物事を判断する様な経験をされた方も読者の中にはいるのではないでしょうか。

ただこれはTomy先生が言うように、元彼に執着する女性そのものです。

「元の自分に戻りたい?むしろ過去の自分と別れなさい!」という表題通り、いつまでもしがみつくのではなく、変わるためには決別する必要があります。

では、変わるためにはどのような心構えをすればいいのかは是非本書をお読みください。

他の相談に対する返答もTomy先生の秀逸で切れ味の鋭い返答で、読んでいてとてもさっぱりとした前向きな気分になれます。

私はオネエではありませんが、Tomy先生とオネエの方に敬意を持って、Tomy先生がブログの文章の締めによく使用されている言葉を引用してこの記事を締めさせて頂きます。

「この記事、参考になったかしら?」

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