メンタルには自分に合った概念で向き合いましょう『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』

心理的な抑圧を緩和する
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世間一般のメンタルの認識

「メンタルを強くする」

そんな言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。

Googleの検索フォームに「メンタル」と単語を打ってスペースを入れると、検索候補に「メンタル 強くする」とか「メンタル 弱い」など関連する言葉がセットで上位に表示されます。

このことから見て取れるように、世間にはメンタルに「強弱」が存在するという認識があるみたいです。

「メンタルが強い人」と「メンタルが弱い人」が存在しており、「メンタルが強い人」は困難があっても打ち勝つことが出来て、世の中で生きやすい人達である。

一般的にはそんな認識ではないでしょうか。

当たり前ですが、メンタルは目に見えません。

そこで様々な比喩表現を駆使して、メンタルに関する説明が多様にされています。

その中で最も一般的なのが、この「強弱」の概念でしょう。

しかし、「強弱」の概念ではいまいち理解出来なかった部分が、他の概念を知ることで腑に落ちることがあるかもしれません。

今回ご紹介する『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』は、目に見えないメンタルの世界を「強弱」ではない他の概念を用いて解説した本です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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メンタルを「容量」という概念で捉える

タイトルの通り、この本で使用されているメンタルの概念は「容量」です。

「容量」を使ってどの様にメンタルを捉えているのか、本書では以下の通り説明しています。

私達はみんな心のジャム瓶を持っていて、その中にはストレスに対する弱さのイチゴ、ストレスの原因のラズベリーが詰まっています。

ストレスに対して弱ければ弱いほどイチゴの量は増え、ストレスの原因が多いとラズベリーの量が増えます。

その弱さは人によって異なり、ストレスの原因はその時々で変わります。

このジャム瓶の比喩はストレスに対する遺伝的な弱さを説明するために、教授であり遺伝カウンセラーの肩書きも持つジェアリー・オースティンが提唱したものです。

しかし、心理学者である私はストレスに対する弱さには様々な種類があると考えるのがしっくり来ます。

例えば、生物学的な物、社会的な物、認知的な物、環境的な物、さらにはこれまでによる人生経験による物もあるでしょう。

人によって限界は自ずと決まっているので、ストレスの原因がジャム瓶の容量を超えると心の健康に支障が出ます。

しかし、周りの人に助けてもらう、良質な睡眠を取る、運動するなどの適切なストレス対処法を学んで実践することでジャム瓶の容量、つまり心の容量は増やすことが出来ます。

心の健康をこの様に捉えると色々なメリットがあります。

第一に心のケアと無縁の人はいないし、誰の心にも限界があるとわかります。

第二に置かれた状況次第で誰でも心を病む可能性があるとわかります。

第三に遺伝的な要素だけではなく、個人の背景や体験も考慮に入れているため、心の病気のかかりやすさやストレスへの弱さに個人差があることも説明出来ます。

そしてなにより、希望があります。

ストレスの原因を可能であれば管理し、適切な対処を取ることでストレスに対する適応力を高められるのですから。

この本では主にジャム瓶の容量を増やすと共に、ラズベリーを管理することで心をケアする方法について学んでいきます。

本書の『はじめに』の章から文章を一部引用して、「容量」の概念に関して説明しました。

著者のエマ・ヘップバーンさんはカウンセラーとして豊富な経験があり、その経験を基に本書では読者に自分専用のメンタルを整える道具箱と道具を提供する目的で、様々な考え方やエクササイズを紹介しています。

エクササイズとは、本書に添付されている付属の資料に実際に記入を行うことで理解を深めることを指しており、一例を挙げると図に描かれた波に浮かぶブイの中に自分をケアする小さな習慣を記入します。

これは何か困難な出来事に直面した際に、気持ちが沈みすぎないように日頃から自身をケアすることが出来る小さな習慣を身に付ける。

そしてその行為が、困難という名の荒波でも決して沈まないようなブイが常に浮かんでいる状態を頭の中で想像しやすいように絵で表現しており、その様子を想像しながらケアの内容をブイの中に書き込む。

この一連の流れを行うことによって、目には見えないメンタルを整える道具を、概念として捉えやすくなります。

この道具は随時入れ替えて構いませんと著者は明言しており、道具の一部に錆が出てきて更新が必要になることもあれば、人生の新しい局面を迎えて道具を一新しないといけないこともあるかもしれないのでただ概念を身に付けて終わりというわけではなく、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

この様に本書では様々な考え方とエクササイズを通して、目に見えないメンタルを比喩表現により頭の中でイメージしやすくしてくれます。

比喩表現を用いて、メンタルを想像上で可視化させることはなぜ大切なのでしょうか。

想像上でメンタルを可視化すると何が変わるのか

先ほどメンタルを容量に例えて解説しました。

メンタルを容量に例えることで、「器はどのくらいの大きさなのか」や「その中に何がどれくらい入っているのか」など、想像を膨らまさせて可視化させることは、今抱えている心の苦しさを解きほぐしてくれます。

そこから、「現在の自分の精神状態はどんな状態か」とか「そして今後はどうすればいいのか」など考えが進むことによって、俯瞰的に自分自身を見る視点が生まれるからです。

俯瞰的に自分自身を見る視点が生まれることによって、「辛い」とか「しんどい」といったネガティブな感情に距離を置くことが出来ます。

抱えていて苦しさを感じるネガティブな感情は自然と距離が近くなりやすく、ネガティブな感情と同化してしまうことで、さらにその性質が強まる特性があるため、ネガティブな感情とは一定の距離を取って離れた方がいいのです。

例えば、仕事で大きな失敗して上司から叱責を受け、辛い気持ちになったとしましょう。

帰宅してからもずっとそのことばかりを頭の中で考えていて、自分のせいにしたり他人のせいにしたりするなど、自分を責めたり必死に仕事で失敗してしまった言い訳を考えたりしています。

これはネガティブな感情が大きくなりすぎて、思考に大きな影響を与えていることが起因となっています。

頭の中で何度も何度もその場面を繰り返していると、ネガティブな感情もどんどん強くなるため、悪循環に陥ります。

なので、まずはそのネガティブな感情を小さくする必要があります。

では、どうすればネガティブな感情を小さく出来るのかというと、先述した通りネガティブな感情と距離を置くことです。

「容量」の概念を使用することで自らの心理状態を自己分析し、俯瞰的に自分の状況を見れるようになるまで距離を離すことで、ネガティブな感情との同化を防ぐことが出来ます。

冒頭で紹介した「強弱」の概念では、自分と他人を比べてしまいやすい特徴があります。

帰宅してからも、ずっと仕事の失敗を落ち込んでいる自分はメンタルが弱い。

同僚は同じような失敗をしても、次の日には気持ちを切り替えているからメンタルが強い。

だから、自分も早く気持ちを切り替えないといけないと焦るが、それが失敗してしまったことに対する意識を余計に強めてしまい、ますます自分を苦しめてしまう。

上記の通り、「強弱」の概念は意識のベクトルが自分ではなく、他人に向いてしまいがちになっています。

そこで比較してしまい、さらにまた落ち込んでしまうといった悪循環に陥りやすいのです。

ですが、「容量」の概念は他人との比較がなく、意識のベクトルが自分に向きやすい考え方です。

自分自身の感情に意識を向けやすい概念を使用することで捉え方の視点が変わり、徐々にメンタルを安定させることが出来るようになるでしょう。

ここまで「強弱」と「容量」の二つの概念を説明しましたが、どちらの方が向いているかは人それぞれです。

「強弱」の概念でも、それが自分の感性に合っていて、その捉え方で日々を充実して過ごしている方も多くいらっしゃいます。

あるいは、今回ご紹介した以外の他の概念の方がしっくりきて、受け入れやすい方もいるでしょう。

それでいいのです。

メンタルを理解するのは「強弱」の概念だけではなく、違った視点で見ることが出来る概念も存在することを認識して探していれば、おのずと自分に合ったメンタルの概念に出会えることでしょう。

「強弱」以外の他の概念を知る機会として、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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