日常でよく遭遇する場面
目の前にやらなければならないことがあるのに、他のことが気になって集中出来ない。
例えば、勉強をしなければいけないのに、普段は気にならない部屋が散らかっていることが妙に気になって部屋の掃除を始めてしまう。
そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。
もちろん、私にもあります。
では、何故やらなければならないことに対して私達はそこからつい目を背けてしまうのでしょうか。
今回ご紹介する『あなたはあなたが使っている言葉でできている』はそのような私達の普段の思考と行動に注目し、そこから様々な気付きを与えてくれる本です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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あなたが普段頭の中で思考している言葉に意識を向けてみると、どんな言葉が使われているでしょうか。
著者のゲイリー・ジョン・ビショップさんは哲学に関して研究を進めていくうちに言葉が持つ性質とその影響力を解明しました。
その性質と影響力に関して次のように述べています。
人はみな二種類の会話をしながら生きている。
他の人との会話と、自分との会話だ。
自分と喋ったりなんかしないと言い張る人もいるかもしれないが、実は人間の一番の話し相手は自分自身なのだ。
頭の中は誰にとっても、一番心地よいプライベートな空間だからだ。
誰もが多くの時間を自分と喋っている。
自分と何を話すかが人生の質を決定的に左右するということが、神経科学や心理学の研究で証明されてきている。
自分とポジティブな会話を行えば、気分が良くなり、自信が増し、生産性が高まるといった好影響が出ることが次々に解明されている。
言葉は幸せな人生を送る鍵になる。
ところが、その逆もまた然りで、自分とのネガティブな会話は気持ちを落ち込ませ絶望を招く。
人間の感情の大部分が思考から生み出されているのなら、感情をコントロールするには思考をコントロールすればいい。
もっと言うなら、心の中で思い描く文章、つまり自分との会話に使う言葉を変えればいい。
そもそも感情はそこから生まれているのだから。
これは現代心理学の父と呼ばれるアメリカの心理学者のアルバート・エリスの言葉だ。
エリスは体験の印象は、捉え方や話し方によって変わるということを発見した。
つまり、思考と感情は切っても切れない間柄にあるということだ。
さらにエリスは、人間は極めて非合理的な考え方をする生き物だということも発見した。
何か悪いことが起これば最悪だと考える。
後から振り返れば全然大したことない問題を大げさに騒ぎ立ててしまった経験があなたにもあるはずだ。
改めて考えると、そういった過剰反応が起こる直前にはネガティブな心の声が響き、そのせいで理性的な自分がどこかへ行ってしまったことに気付くだろう。
人間は常に理性的なことを言ったり、やったり出来るわけではないのに、私達はみな自分がいつも理性的だと思い込んでいる。
ちょっとしたネガティブな会話からも悪影響をこおむって、ネガティブな感情が呼び覚まされていることに気付いていない。
心の声はいつもはっきり聞こえてくるわけではなく、抑え目の時もあるがマイナスな作用は変わらない。
ネガティブな言葉は怒りや悲しみ、フラストレーションの呼び水になり、全く別の状況でそうした負の感情が爆発する原因になりかねない。
ネガティブな声は人生の大敵だ。
大変だと自分に言うほど、本当に大変な気がしてくる。
残念ながら、私達人間はそうした自動思考を常に耳にし、ネガティブな声が頭の中で鳴るのに慣れている。
そうした思考の影響に気付かないまま、頭の命じるがままに行動している。
脳を少しずつ鍛え直そう。
無意識が人生に影響を及ぼすというのは、何も小難しい心理学の話ではない。
思考によって脳の物理的な構造が変わりゆるということが、科学的にわかってきている。
この画期的な現象を神経可塑性(しんけいかそせい)と言う。
人は新しい物事を学び、経験しながら生きていき、脳もそれに合わせて神経の通り道を調整する。
人間の思考や行動をコントロールするこの通り道は、幸いなことに思考に注意を払うことで意識的に組み替えることが出来る。
一番簡単なのは意識的ではっきりとしたセルフトークを行うこと。
自分との力強い会話は道を切り開き、人生をコントロールする力をもたらす。
無意識にこなせるようになるまで繰り返した行為が習慣になるように、強力かつ積極的な言葉を使い続けることで、人生に決定的な変化が生まれる。
ポジティブシンキングを今すぐ捨てる必要はないが、幸せなことを考えていれば幸せが訪れるといった単純な話ではない。
あなたの全てが物理的な脳の構造に影響するのだ。
思考をコントロール出来れば、どんな気持ちになるかをコントロール出来る。
そして思考をコントロールするには、使う言葉を意識すればいい。
大切なのはオープンな心構え。
そして変わりたいという意志だ。
最初の一歩は自分の為にならない喋り方はやめて、為になる喋り方を意識することだ。
正しい言葉を使い、問題を別の角度から捉え直すことで、物の見方、世界との関わり方は劇的に変わる。
「自分なりの現実を作る」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
自分なりの現実は作れる。
たくさんの人が実践している。
何よりただ作れるだけではなく、そこで行動し、その中で生きられるのだ。
覚えておいて欲しい。
今の状況がどんなに辛く厳しいものでも、それをどう捉えどう向き合うかで結果は全く変わってくる。
答えは外ではなく自分の中にある。
話し方、考え方、周りの物事の捉え方はその人なりの現実の正に基盤となる。
本書の『最初に心に刻むべきこと』の章から文章を一部引用して、普段使用している言葉がどの様な性質を持ち、私達の思考に影響を与えているのかを解説しました。
言葉は思考だけではなく、実際の脳にまで物理的に影響を与えています。
それほど巨大な力を秘めていることが理解して頂けたかと思います。
ですが、頭の中で積極的な言葉を強く思い浮かべても人はなかなか行動に移せません。
これほど強い力を使用しても行動に移せないのは何故なのでしょうか?
最初に行動を起こすことによって適した思考が形成される
人間の考えている事と行動する事は必ずしも一致しない現象が起きてしまうのは冒頭でも説明した通りです。
一致しない場合はどうすればいいのでしょうか。
本書では次の様に説明しています。
ベットから出たくない、仕事に行きたくない、責任を引き受けたくない日は誰にでもある。
しかし、最終的にあなたはそれをやっている。
どうしてもやりたくないことに取り組んでいる。
それはつまり、今のあなたにも思考と独立した行動を取る力があるということだ。
私がクライアントに言うように、気分じゃなかろうがとにかくやるしかないんだ。
もちろん、正しい心持ちや気構えは大切だが、心が完璧に整うのを待っていたらいつまで経っても何も始められない。
気分じゃなかろうがとにかくやるしかない。
私はこれまで完璧な精神状態をずっと待って過ごしている人に、それこそ何千人と会ってきた。
インスピレーションやモチベーションは確かに人を刺激するが、どちらも気まぐれな友人だ。
必要な時にやってくるかもわからない以上、あてにするのは難しい。
(『あなたはあなたが使っている言葉でできている』より引用)
一致しなくても無理やりにでも行動に起こすと脳もその行動に沿った思考に順応してくれます。
一見力技のように見えますが、「自分には思考と独立した行動を取る力がある」と認識すればそこに意識が向いて行動が取りやすいようになります。
行動に起こすことも思考の言葉に意識を向けることと同様に大きな力を秘めています。
その力に関して以下の通り解説しています。
様子見ではなく行動を選び、自動思考を振り切って動くと面白いことが起こる。
悩んでいたことを忘れていくのだ。
これは単純に行動していると他のことをする時間が無くなるからだ。
忙しく動き回りながら、同時に心の中の不安や嘆きに集中するのは難しい。
勢いもある。
一旦動き出してしまえば、その後動き続けるのはそう難しくない。
すごく長くて恐ろしげに見えた道のりも、スピードが出ているときはかすんで見えなくなる。
しかし、それにはまずキーを指し、エンジンをかけ、ギアを1速に入れなくちゃならない。
車は自力では走れない。
あなたが乗り込むのを庭でじっと待っている。
ここは勘違いしがちなところだ。
人は誰しも早くドライブをしたいと思っている。
前向きな気持ちになれば誰か別の人運転手が人生を動かし、自信を持てば物事がもっと簡単に進むと思い込んでいる。
しかし、目的地へたどり着くにはあなた自身がハンドルを握らないといけない。
準備が出来ていなくてもシートベルトを締めて、アクセルを踏まなければいけない。
今日から今までと違うあなたになって欲しい。
ネガティブで非生産的な思考から切り離された行動を取って欲しい。
今すぐ目の前のタスクに着手しよう。
自分がどう思うかなんてどうでもいいから動くんだ。
心がやる気になるのを待っていてはいけない。
自分を駆り立てる魔法のような感覚をいつまでも探していてはいけない。
ただ動こう。
思考はわきに置いて進もう。
心の準備が出来ていないときもあるだろう。
常に正しい行動を取れるわけでもないだろう。
それでも動こう。
(『あなたはあなたが使っている言葉でできている』より引用)
やらなければならないことに対してあなたの中で納得していても様々な思考が頭の中によぎります。
そういった思考を振り払うために行動が必要なのです。
実際に最初に行動に移してしまえば、思考を振り払って前に進めます。
逆に思考に囚われてしまうと冒頭の例で挙げたように、勉強しなければならないのに部屋の掃除を始めてしまうなど違う行動を取ってしまいます。
やらなければならないことがあったら、まず行動してみましょう。
そこから思考をどんどん形成させることによって自分の中に定着し始めます。
思考の力は強力なので、自分のやらなければならないことに合った思考を身に付けられれば思うように進められます。
ですが、思考というのは一日に約数万回も考えられており、自分がやらなけらばいけないことを思考してもあっという間に他の思考に埋もれてしまいます。
なので、やらなければならないことを認識した瞬間に行動して、思考を強制的に意識を向けなければなりません。
行動と思考、この二つの特徴をよく理解して上手に嚙み合わせることが出来ればやらなければならないことから目を背くことがなくなります。
さらに両者の特徴の理解を深める行動として、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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