「数学的」に考えてみると話が伝わるようになります『説明がうまい人はやっている「数学的」話し方トレーニング 説得力が飛躍的にアップする28問』

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頭がいい人とはどんな人か

頭がいい人と聞くとどんな人を思い浮かべますか?

頭がいい人の代表的な特徴は話し方が上手な人だと私は考えています。

ニュース番組に出演されていたり、YouTubeの配信で質疑応答していたりと何かを伝える姿が印象的でそんな姿を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。

もちろん、学力が高い人も頭がいい人でしょう。

ですが、頭がいい人は総じて話し方が上手です。

それに学力の高さは見た目では判断出来ないので、聞いて判断しやすい話し方が注目されやすいです。

最近ではYouTube等の動画サイトで学習する人も増えて、話し方が上手な人が自分のすぐ身近にいるような感覚があります。

そんな方達と比較してしまうからか、話し方で悩んでいる人は多いです。

私自身も話し方にはかなり悩まされました。

仕事でもプライベートでも人と話すときは気を遣っているつもりなのですが、なかなか相手にうまく伝わらなくてもどかしさを感じることだらけでした。

もっと話し方が上手になりたい、でもその方法がわからない。

私自身もそう思っていました。

ですが、ある書籍に出会って話し方を学んでからは、今まで不明瞭だった話し方が上達する道のりを明るく照らしてくれました。

その明かりを灯してくれた書籍こそ、今回ご紹介する『説明がうまい人はやっている「数学的」話し方トレーニング 説得力が飛躍的にアップする28問』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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「数学」と「数学的」の違い

著者の深沢真太郎さんは国内唯一のビジネス数学教育家として、数学的な能力をビジネスに活かすビジネス数学を提唱し人材育成に従事しています。

活動の場は、主に大手企業やトップアスリートの教育研修、ビジネススクールの講義、そしてメディアでの発信、作家として実用書から小説まで手掛けビジネス数学の重要性を伝え続けています。

著者はビジネス数学教育家として活動されていますが、話し方を学んだことは一度もないと断言しています。

著者に話し方を教えたのは著者が学生時代に夢中になったという数学です。

数学を通してビジネスの場でも通用する話し方の技術を確立しました。

先ほどから「数学」と「数学的」と似たような言葉が2つ出て来ていますが、これらの言葉は意味は全く違います。

まず「数学」に関して、本書では次の通り解説しています。

数学的に考えるとはどういうことかを理解するためには、数学というものについてあなたと私で共通認識が図れていないといけません。

そこでまずは数学とは何かについて、本書における私の定義を説明させてください。

一言で言うとこうなります。

数学とは説明である。

もしかしたら、あなたは数学という言葉から計算問題や図形問題を解いて正解の数字を導く行為を想像したかもしれません。

確かにかつて学生時代に教育機関で体験した数学の授業とはそのようなものだったでしょう。

しかし、残念ながらその行為それ自体は数学ではありません。

少々乱暴な表現であることをお許しいただけるのであれば、それは単なる作業をしているだけで数学をしているわけではなかったのです。

では、数学をするとはどういうことか。

その答えが説明することなのです。

最も伝わりやすいのは「○○であることを証明せよ」といった類の問題に触れるときでしょうか。

このような問題は○○が正しいことを説明してくださいと要求されていることに他なりません。

筋道を立て、論理的にその問題を説明していく。

ビジネスパーソンであれば、必須の行為です。

そもそも著者は話し方に関しては相手が聞き取れる声で話せるのであれば、それでいいのではないかと考えています。

にもかかわらず、多くの人が話し方で悩んでいるとすれば、その奥深くにもっと重大な理由があるからだと推測しました。

その答えは話し方だけで評価されてしまうからです。

紛れもない事実として、話し方からその人の思考や考え方が透けて見えてしまいます。

だから、話し方を根本的に変える何かを変えなければならない。

そのためには数学的思考、数学的に考える頭になることが必要だと著者は主張しています。

では、この「数学的思考」、「数学的」とは一体何なのでしょうか。

それに関しては以下の通り本書で解説を行っています。

まずは数学的思考について定義をしましょう。

数学的思考とは数学をするときに頭の中でする行為のことです。

あなたはかつて学生時代に数学の授業を受けていた時、あるいは問題を解いていた時、何かしらの行為を頭の中でしていたはずです。

それを言語化すると実は次の5つに整理することが出来ます。

定義、分解、比較、構造化、モデル化。

この5つを組み合わせて物事を考えることが数学的思考なのです。

少し難しい表現や聞いたことのない言葉があるかもしれませんがご安心ください。

これらは決して新しく特別な思考法ではなく、あなたが日常で無意識にやっている行為のはずです。

この5つを公式に当てはめて本書でそれぞれの解説をより詳しく行っているのですが、その中で特に印象に残ったのが定義に関する解説です。

定義の重要性

定義とは「Aとは○○である」と定めることです。

数学は最初に定義をしないと始められません。

例えば、素数の研究をしたければそもそも素数とは何かを明確にしなければなりませんし、三角形の性質を明らかにしたければ、三角形とはどんな図形かを明確に定め、例外は認めないようにしないといけません。

(中略)

数学は定義されていないものは扱えませんし、議論で説明することは出来ません。

何が申し上げたいかと言うと、定義がされていない題材ではコミュニケーションを始められないというゆるぎない原則が数学にはあるということです。

現段階では、とにかく最初は定義が必要なんだというイメージを持っていただければ十分です。

(『説明がうまい人はやっている「数学的」話し方トレーニング 説得力が飛躍的にアップする28問』より引用)

上記は数学の定義の説明です。

それに対して数学的における定義とは「言葉を定義する」「場を定義する」の2つに分類されます。

「言葉を定義する」とは、相手が知らない言葉が出て来ると理解するのが大変なので、難しい言葉はあらかじめ言葉の意味に関して説明を行うこと。

「場を定義する」とは、場を定義するものとして「時間、前提、目的」の3つがあり、これらを話の本題に入る前に伝えること。

そして、これらは聞き手の「つもり」を設定する行為です。

例えば、「時間」だと話の冒頭で「手短にお伝えします」と伝えれば、相手は簡潔な話しを聞く「つもり」で話を聞いてくれます。

「前提」も「目的」も同様で、話の本題の入る前にどのような「つもり」で話を聞けばいいのかを決めてくれるのです。

話す前に話す側が内容が固まっていなければ定義をすることは出来ません。

とはいえ、日常会話でいちいち定義をして話している人はいません。

日常会話はなんとなくで行われているものだからです。

しかし、何か相談事があって相手に話そうとしたら、急に言葉が浮かんでこない場面に遭遇したことはないでしょうか。

これは「相談事がある」という目的の場の定義があるのに、本人が自覚しておらずいつもの調子で話を進めようとするから起こることです。

話す側と聞く側が同じ方向を向かなければいけないのに、お互いに本来向く方向ではない全く違った方向で話が進んでしまう。

この様な経験から、自身の話し方に苦手意識を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは私自身が正にそうだったからです。

話す前に内容を固めずに話し出して、まとまりのない話になってしまい相手に伝わらない。

そんな経験を多くしてきました。

話は内容によって話し方を意識しなければ相手に伝わらないことがあります。

話し方を身に付けることは、自分と相手との間に思いを届ける架け橋になってくれます。

架け橋にも様々な種類があると思いますが、まずは数学的な話し方という架け橋を試してみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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