周りの人達がみんな敵に見えるなら、敵リストを「素敵リスト」に変えればいい
職場でも、学校でも、家の中でも、周りにいる人達がみんな敵に見えてしまう。
人間関係で悩んでいると、そう感じてしまう時があります。
そんな時は敢えて、敵だと思っている人達を書き出す「敵リスト」を作ってみてください。
書き出したら、その一人一人が、自分に何を教えに来てくれた人なのかを考えます。
それが出来た時、敵リストは「素敵リスト」に変わります。
これは、作家のひすいこたろうさんが『3秒でハッピーになる超名言100』で紹介している方法です。
相手を無理に許す必要はありません。
「許せない」と思ったままでも、素敵リストは作れます。
本記事では、本書の二つの名言を交えながら、敵リストを素敵リストに変える考え方と作り方、そして許せない記憶との付き合い方をお伝えします。
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「みんな敵に見える」気持ちは、私にも痛いほどわかる
親子関係、職場の人間関係、夫婦関係など、悩みのきっかけが人間関係にあることは少なくありません。
私も人間関係で思い悩んだことはたくさんあります。
一番人間関係で思い悩んだのは中学生の頃でしょうか。
学校ではいじめに遭い、家では両親から「お前がいると金がかかるからいなくなればいい」という言葉を毎日浴びせられて、どこにも逃げ場がありませんでした。
なので、「周りにいる人達がみんな敵に見える」という気持ちも痛いほどよくわかります。
だから、「許せない」と思ってもいいんです。
私自身も長い間ずっとそう思っていましたし、敵だと思っている人達に対して「許せない」と思うのはあなただけではありません。
それに、「許せない」という思いを「許す」に無理に変えようとしても、苦しいだけです。
なので、まずは認識から変えてみましょう。
その手がかりになるのが、本書の第6章『人間関係をなめらかにする言葉 「自分らしさ」のつくりかた』で、72番目に紹介されている名言です。
敵リストとは:敵だと思う人が「何を教えに来てくれたのか」を考えるリスト
「敵なんてどこにもいなかったと気付くことが、私の栽培法の出発点です。」
木村秋則、農業家。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
これは、『奇跡のリンゴ』(幻冬舎)で知られる、青森県弘前市のリンゴ農家、木村秋則さんの言葉です。
本書によると、不可能だと言われていたリンゴの無農薬栽培に挑んだ木村さんは、何年経ってもリンゴが実らず、挫折の連続だったそうです。
八年目もうまくいかず、死を覚悟して近くの岩木山に入った時、足元の土から何とも言えない良い匂いがしたといいます。
その匂いのする、ふわふわの温かい土を作っていたのは、雑草と微生物でした。
そこから雑草と微生物の研究に明け暮れ、十一年目にしてついにリンゴの花が咲いたのです。
そして木村さんは、「敵はいなかった」ということに気付きます。
リンゴの葉を食べる虫を害虫だと決めつけていたのが間違いで、虫は葉が弱っていることを教えてくれていたのです。
本書はこの話から、私達の人間関係に問いを投げかけます。
さて、あなたが敵だと感じている人は本当に敵なのでしょうか?
許せない人はあなたに許すということを教えに来てくれた人であり、無理に何かを頼んでくる人は嫌なら嫌だと自分の意思を表示していいということを教えに来てくれた人です。
(中略)
あなたの敵リストを書き出そう。
そして、その敵たちがあなたに何を教えに来てくれた人なのか考えてみよう。
それが出来たとき、その敵リストはそのまま素敵リストに変わります。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
本書によると、「素敵」という字は、「敵」があなたを「素」晴らしくしてくれる存在だと教えてくれているそうです。
無理に何かを頼んでくる人は、嫌なら嫌だと伝えていいことを教えに来てくれた人だという見方は、人間関係で悩みたくないなら、他人のゴミを拾うのをやめましょうでお伝えした、自分と他人の間に境界線を引く話とも重なります。
素敵リストは、相手を許すためのリストではない
本書は、敵はあなたの人生を素敵なものにするために現れてくれたありがたい存在だ、とまで書いています。
ただ、ひどい言葉を浴びせてきた相手を、すぐに「ありがたい」と思うのは難しいことです。
だから私は、素敵リストは相手を許すためのものでも、相手に感謝するためのものでもないと考えています。
リストに書くのは、相手がどんな人かではなく、その経験から自分が何を学んだかです。
私達は、許せない人がした行動に意識を向けがちです。
許せない人を思い浮かべた時に、「あんなことをされた」「こんなことをされた」と、相手の行動だけに意識が囚われてしまいます。
ただ、その辛い経験から学べることも必ずあります。
酷いことを言われたのなら、「自分はこんな酷いことを他の人には言わないようにする」。
嫌なことをされたのなら、「こういうことをされると不快に感じるから、自分はしないようにする」。
許せない人達が何を教えてくれているのかを考える素敵リストを作れば、許せない出来事を思い出して相手の行動に意識が向いても、「勉強になった」で感情の落としどころを見つけられます。
「敵」を「素敵」と読み替えるのは、言葉遊びのように聞こえるかもしれません。
私も以前は、「見方を変える」というのは言葉遊びだと思っていました。
見方を変えることが言葉遊びではない理由は、感情を抑え込むよりも、見方を変えることで心に落ち着きを取り戻せますでお伝えしています。
素敵リストの作り方:された出来事と「だから自分は」を一行ずつ書く
素敵リストは、紙とペンがあれば一人で作れます。
誰かに見せる必要もありません。
- 紙の左側に、敵だと思っている人と、その人にされた出来事を一つ書く(名前を書くのに抵抗があれば「あの時の上司」のような書き方でも構いません)
- 右側に、その出来事から学んだことを「だから自分は〜する」の形で一行書く
- 「許せない」という気持ちが出てきたら、消さずにそのまま書き添える
一度に全員を書き出す必要はありません。
一番思い出してしまう出来事を一つだけ書くところから始めてみてください。
右側がすぐに書けなくても大丈夫です。
「まだわからない」と書いておいて、思い付いた時に書き足せばいいんです。
書こうとすると気持ちがあふれてまとまらない時は、悩みを言語化するには、心理的な抑圧を緩和するところから始めましょうでお伝えした、感情、体の反応、悩みの経緯の順に書き出す方法も参考にしてみてください。
どうしても許せない時は、その教訓を座右の銘にする
「許せない」と思えるような出来事は、そう簡単には忘れられません。
「忘れたい」と思っても、簡単に忘れられないから苦しいんですよね。
私も「許せない」と感じた出来事を不意に思い出してしまう時があるので、「どれだけ相手を許そうとしても、許せない」という思いもよくわかります。
そんなどうしても許せない人や出来事が頭から離れないなら、そこから得た教訓を座右の銘にしてみてはいかがでしょうか。
座右の銘とは、常に自分の心に留めている、生き方の指針や戒めとしている言葉のことです。
素敵リストの右側に書いた「だから自分は〜する」の一行は、そのまま座右の銘になります。
許せない思いが不意に出て来ても、「これが自分の座右の銘なんだ」と認識を変えることで、許せない思いを前向きに捉えることが出来て、トゲトゲしい感情を丸く出来ます。
許せない記憶が不意によみがえってしまうのを自分では止められないなら、そのままでいいんです。
それなら、思い出してしまった後の感情を前向きなものに変えてしまえばいい。
言葉を知ると、見える世界が変わる
本書のプロローグ「はじめに言葉ありき」によると、どんな風に世界が見えるかは、目ではなく言葉が決めるそうです。
本書はその例として、虹の色を挙げています。
日本では虹は七色と言われますが、海外では青と藍を区別しない国が多く、六色と言われることが多いそうです。
色を表す言葉がなければ、その色は区別されず、同じ色として見えてしまうのです。
言葉を知ることで初めて見えてくる世界があるんです。
(中略)
言葉が先に来て、意識が変わり、思考が変わり、行動が変わり、世界が変わるのです。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
新しい言葉を知ることで、今までは見えなかったものが見えるようになります。
その認識を広げることこそが、世界を変えてくれるのです。
「敵」と呼んでいた人を「素敵」と書き換えるのも、新しい言葉で同じ出来事を見直すことです。
もしかしたら今まで見落としていたものが、あなたが今抱えている悩みを解決してくれるものかもしれません。
「世界が変わる」とだけ聞くと、「大げさな」と思われたかもしれませんが、名言を知ることはそれだけ大きな可能性を秘めているのです。
しかし、名言をただ知るだけでは変われません。
大切なのは名言との向き合い方です。
名言は、何度も噛みしめるほど奥行きが出る
著者のひすいこたろうさんは、「幸せの翻訳家」を名乗る作家・コピーライターで、デビュー作『3秒でハッピーになる名言セラピー』はベストセラーになりました。
本書は、デビューから12年、「どうしたら人は幸せに生きていけるのか」を研究する中で出会った名言を100個選んだ、言わばベスト名言集です(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2018年1月刊)。
ひすいさんは、名言を富士山にたとえています。
名言とはまるで、富士山の様だと僕は感じています。
富士山の頂上を目指し、歩みを重ねていく内に見える景色は広がりを持ちます。
同じ言葉でも、人生の歩みを重ねるほどに、気が付かなかった言葉の奥行きが感じられてくる。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
この文章を読んで、私は子供の頃に梅干しが苦手で食べられなかったことを思い出しました。
5、6歳の頃に梅干しを初めて食べてみたのですが、あまりの酸っぱさが原因で嫌いになり、中学生ぐらいまでずっと避けてきました。
中学生になった時に「苦手な食べ物を克服したい」と思い切って食べてみると、苦手だと感じていた酸っぱさはそのままでした。
それでも我慢して噛み続けていると、酸っぱさの向こうに旨味を感じられて、そこで初めて「おいしい」と思えるようになったのです。
「言葉の奥行き」とはそういったことではないでしょうか。
名言を一度読むだけでは感じられなかったことも、何度も読み返し、咀嚼することで新しい味わいを感じられる。
素敵リストも同じで、書いたその日には「勉強になった」と思えなくても、何度か読み返す内に、違う味わいが出てくるかもしれません。
私も本書を読んでみて、そんな言葉の奥行きを感じられた名言にいくつも出会いました。
その内のもう一つ、許せない記憶を抱えている時に参考になるのが、本書の第8章『人生を変える言葉 笑って死ねる「人生」のつくりかた』で、89番目に紹介されている名言です。
過去の記憶は、服を脱ぐように手放していい
「作り直しの効かない過去なんてどこにもないんだよ」
寺山修司、歌人、劇作家。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
これは、青森県生まれの歌人で劇作家の寺山修司さん(1935〜1983年)が監督した、映画『田園に死す』の言葉です。
本書はこの名言に、「刹那」という仏教の言葉を添えています。
刹那は極めて短い時間の単位で、指を一弾きする一瞬に65刹那あると言われています。
本書によると、時間は連続しておらず、私達は一瞬ごとに生まれ変わっていて、引きずっているのは過去の記憶だけなのだそうです。
これまでの過去の記憶で生きるのではなく、未来ではこんなことをしてそうという未来の記憶で生きてみよう。
(中略)
これまでが君じゃない、これからが君だ。
(『3秒でハッピーになる超名言100』より引用)
そして本書は、手放していい記憶を、服を一枚ずつ脱ぐような仕草で脱いでみる「生まれ変わりの儀式」を勧めています。
大人になれば味覚が変わるように、何も変わらないように見えても私達は変わり続けています。
こうして記事を読んでいる内にも、あなたはどんどん変わっています。
それでもあなたが「変わらない」と思うのであれば、それは過去の記憶に囚われているだけです。
ですが、引用の文章を読んで、その認識は変えられるはずです。
なので、その変化を受け入れてみてください。
一回だけではなく、何度も読み返して咀嚼することで、次第に受け入れられるようになります。
そしてその変化を受け入れられた感性も大切にしてください。
過去の記憶は手放してもいいんです。
「許そう」としたり、「忘れよう」として過去の記憶と向き合い続ける必要はありません。
そんな時は「手放して」みましょう。
向き合い続けるから、「このままじゃダメだ」と今の自分を否定してしまうんです。
だから、手放せばいい。
すると執着がなくなって、苦しくなくなります。
素敵リストを書き出すだけで、もう十分向き合ったのですから、それ以上は向き合う必要はありません。
手放したと思っても、無意識の内にまた思い出してしまうこともあるでしょう。
そんな時は素敵リストをまた書き出してみればいいんです。
そうやって何度も手放していく内に、自分の元に戻ってくる回数も少なくなり、いつか完全に手放せる日が来るはずです。
洋服を一枚一枚脱ぎ捨てるように、過去の記憶も一つ一つ手放せます。
敵リストの次は、未来を照らす名言に出会う
過去への執着を脱ぎ捨てられたなら、次はあなたが「こんな未来が待っていたら嬉しい」と思えるような未来を思い描いてみましょう。
ここまで文章を読んでくださったあなたなら、未来を思い描ける名言にも、本書を読めば出会えるはずです。
残り98個の名言の中から、あなたの未来を明るく照らしてくれるような名言に出会うために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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こちらの記事は「心理的な抑圧を緩和する」に分類される記事です。
「心理的な抑圧を緩和する」に関して詳しく知りたい方は、まとめ記事一覧表(心理的な抑圧を緩和する)をご覧ください。


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