「死にたい」という思いが頭から離れないのは、脳の炎症が原因かもしれません『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』

心理的な抑圧を緩和する
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人生で誰もが通る道

「自分って、何のために生きているんだろう」

生きていれば、誰もが抱く疑問のひとつです。

生きていることにそもそも意味なんてありません。

意味なんてないからこそ、一人一人の存在が尊重されるものだと私は考えています。

理由なんてなくても、自分という存在はここにいていい。

それが大前提にあって、「それでは自分はどう生きたいのか」を自分なりに考えて行動を積み重ね続けるのが人生です。

しかし、「自分がどう生きたいのか」まで考えが進まず、「自分って、何のために生きているんだろう」という疑問から前に進めない人達がいます。

私もかつてはその前に進めない人達の中の一人でした。

そしていつしかその疑問は姿形を変えて、こう思うようになりました。

「死にたい」と。

もちろん今はそう思ってはいません。

昔の話ですが、しかしそう思っていた時期があったのも事実です。

詳しく話すのはここでは割愛しますが、私自身も過去に辛い経験をたくさんしてそのような思いが生まれてしまい、それも起きている間ずっとその思いが頭から離れずに苦しんでいました。

そんな当時の私にもし会うことが出来るのなら、励ましの言葉に加えて一冊の本をプレゼントしたいと思います。

そしてその本は当時の私と同様に今同じ思いを抱えて苦しんでいる方にも、きっと役に立つはずです。

その書籍のタイトルは、『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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「死にたい」に向き合い続けた精神科医が送る言葉

著者の平光源(たいらこうげん)さんは精神科医です。

精神科医として毎日「死にたい」と話す患者様に向き合い続ける日々を送る著者ですが、そんな著者にもかつて「死にたい」と強く思った経験があると本書で語っています。

著者が「死にたい」と思ったのは、22歳の時でした。

医学部の受験に二度失敗し、三浪が決まり予備校に通う為に地下鉄を待っていた時に、地下鉄の光を見て「この電車に飛び込んだら、どんなに楽だろうか」と考えるようになったと言います。

著者は自身の心に大きな傷を残した過去と向き合う為に、誘導瞑想という専門家と共に行う心理療法の一種により瞑想の中で過去に退行して、48歳の著者が26年前の自分に声を掛けます。

どんな言葉を当時22歳の自分に掛けたかというと、「もし本当にそう思っているなら、死んでもいいんだよ」という言葉を掛けました。

なぜ「死んでもいいんだよ」という言葉を選んだのか、その理由を次の通り説明しています。

その後、過去の自分に別れを告げて、誘導瞑想から現在の自分に戻ってきました。

とても肩が軽くなったと同時に、三浪当時の出来事がずっと深層意識にしこりの様に引っかかっていたことに気が付きました。

「死んじゃだめだ」という制限から、「生きなくてはいけない」という制限が生まれる。

つまり、「生きねば」に。

生きるからには、「よく生きねば」という制限が加わる。

さらに人と人との関わりの中で人間関係の制約が生まれて、「よく思われなければ」が生まれる。

続いて、「その為の価値を作らなければ」という制限が生まれて、自分の価値に悩み、価値が無いと絶望し、死にたくなる。

もし浪人中の私と同じ状況にいる方がいるなら、自分が本当に求めている物は何か。

それを知るために、死ぬということも含めて制限を外してみましょう。

今、あなたを制限している全てから解放されていきましょう。

そうすると、死んだように真っ黒になった心に血が通い出し、再び明るく輝き始めるでしょう。

そこまで来たら、自分のやりたかったことが見つかるはず。

後はその静かな情熱を大切に育てて、自分のワクワクする方向に進むだけ。

これはキャンプで行う火起こしのイメージです。

最初は小さな火種でも、それがいずれ大きな炎となっていくのです。

そうすれば、決して気持ちが死に向かわないはずです。

なぜなら私達人間は、生を体験する為にこの世に生まれてきたのですから。

「死んじゃだめだ」という制限から「生きねば」が生まれ、人は死にたくなる。

だから一度死ぬことすら制限を外してみる。

(『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』より引用)

死にたいと思うきっかけになった環境にずっと身を置いていると、その環境だけがこの世界の全てだと人は錯覚します。

上記の引用では、著者は三浪を経験したことから「死にたい」という思いが生まれましたが、例えばブラック企業に勤めている方を例に挙げるとわかりやすいでしょう。

過剰なパワハラやモラハラに遭い、勤務時間も毎日残業続きで疲弊した日々を過ごしていると、その会社の事だけしか自分の中に存在しなくなります。

そうやって次第に視野が狭くなり、自分が今置かれている辛い環境しか見えなくなってしまうと「死にたい」と思う動機付けを今度は頭の中で行い続けるようになります。

それを防ぐには著者の言う通り、「死んでもいい」と考えてみて制限を外してみたらいいのです。

「死んでもいい」と制限を外すと、何のしがらみもなく自分が本当にやりたいことが見えてきます。

著者であれば制限を外してみることで、医学部に行くのを止め、整体やカウンセラーなど他の医療の現場で働く未来を考えることが出来ました。

先程例に挙げたブラック企業に勤めている方が制限を外したなら、今の会社を辞めて就業規則がきちんとしていて人間関係が良好な次の会社で働いている未来を考えることが出来るようになります。

「死にたい」と思っている時は未来を想像しても、「どうせ自分なんて」とか「未来でも失敗しているんだ」などと悲観的な考えが邪魔をして、悪い未来ばかり考えてしまいます。

そこで「死んでもいい」という思いを自分に投げかけることで、現在身を委ねている辛い環境から何のしがらみもなく切り離し、フラットな状態で未来に向き合えるようになるのです。

それに「今の自分がダメだから」といって、未来になってもその状態のままであるかどうかなんて誰にもわかりません。

「今の自分がダメだから、未来の自分もダメなんだ」と思ってしまうのは、これからも今の辛い環境で生きていくことに対する恐怖心が生み出した被害妄想です。

今生きていることが恐怖で満たされているのなら、「死んでもいい」と制限を外すことで「生きねば」から生じる恐怖心の呪縛も解き放たれます。

ここまで文章を読まれている方で、「言いたいことはわかるんだけど、頭の中で死にたいという思いが強すぎて受け入れられない」という方もいるかもしれません。

大丈夫です、その死にたいという強すぎる思いを弱める方法があります。

それは本書の第2章の『弱い自分をそのまま愛する。それが本当に強い人』から『心が弱いことと、うつは関係ない』で紹介されている次の内容が参考になるでしょう。

憂鬱な感情は脳の炎症が原因で生まれている

私も一応は医者なので、いわゆる感情について少しだけ学問的なお話をしますね。

感情の中でも、特に憂鬱な感情はウイルスと関係しているという研究成果が2020年の10月に発表されました。

これは慈恵医科大学の近藤一博教授の研究によるもの。

何でも、ヒトヘルペスウイルスの6型の遺伝子がうつ病の原因となるウイルスを作るというのです。

実は今までうつ病の原因となる人の遺伝子研究をしてきましたが、決定的な遺伝子を発見できずにいました。

そこで近藤教授は、「ひょっとして人そのものに問題があるのではなく、大多数の人に感染しているウイルスの方に問題があるのでは」と考え、地道に研究していたのです。

近藤教授はこの発表に関連して、「うつ病とは心が弱いこととは関係なく、自分の責任である病気では決してない」と話しています。

近藤教授、あっぱれですね。

憂鬱な感情と欲や興味の低下が二週間ずっと続いた時に、うつ病の診断は下ります。

もしこの持続的な憂鬱の感情ですらウイルスのせいだとしたら、私達が日々感じている憂鬱なんてもっとウイルスの元気具合に影響されているかもしれません。

また、2018年8月には京都大学の成宮周特任教授と神戸大学の古屋敷智之教授は共同研究において、うつとはあくまで脳の炎症であることを発表しています。

何でもストレスがかかると、脳の炎症担当細胞が活性化され、炎症物質が発生し、うつになるのだとか。

本来、炎症は細菌やウイルスをやっつける為のもの。

つまり、人間が生き残るために本能的にわざわざ起こしているという反応です。

ところが、この炎症という戦いによってその戦場は荒れ地になります。

つまり脳細胞が荒れ果て壊れ、もしくは働きが低下し、うつの感情が起こるらしいのです。

どちらの研究もその研究室でわかったと言っている段階なので、これから世界中の研究機関で追試がなされていき、医学的な真実になるには時間がかかると思います。

(『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』より引用)

うつは自分の意思には関係なく、脳にウイルスが発生していたり、炎症を起こしていることが原因なので「死にたい」という思いが自然に生まれてきてしまう。

そう考えると、頭の中で反発して受け入れられないという状況も納得します。

受け入れようとしている自分がいるのに、頭では強く拒絶している自分がいる。

それは自分の意思に関係なく、脳の生理現象として勝手に反発しているだけです。

それと「死にたい」という思いを一時的にでも抑える方法があります。

「死にたい」と思っているとき、呼吸が浅くなってはいませんか。

私自身も過去に辛い経験をして「死にたい」と思った時があるのですが、その時を思い返すと呼吸が浅く頭に熱があるような違和感を感じていました。

頭で「死にたい」と考えていれば考えているほど、他の事が考えられなくなり、呼吸も必要最低限になるので浅くなってしまうのだと当時を振り返るとそう思います。

なので、一度呼吸に意識を向けてみましょう。

今、この記事を読んでいながらでも深呼吸は出来るはずです。

脳に酸素が行き渡る様子をイメージをしながら、呼吸に意識を向けてしっかり深呼吸をしたら、本書で著者が見解を述べている次の文章をお読みください。

しかし大切なことは、「うつは心が弱いからなる」とか「うつは怠け病だ」と散々言われてきたことがひっくり返ったこと。

そう、心が弱いのとうつは関係ないかもしれないという事実です。

自分ではこれ以上出来ないというくらい努力しても結果が出ないとき、あなたは憂鬱になってしまいますよね。

そんな状態なのに、「努力が足りない」と責められた結果、憂鬱がひどくなり絶望しているかもしれません。

ちょうど浪人中の私も正にそのような状態でした。

二浪目で後がないという状態に追い詰められ、一日15時間勉強して、死力の限りを尽くしても不合格だったことがわかったあの日。

脳の中で生命の糸がバチンと音を立てて切れ、体が鉛の様に重くなり動かなくなりました。

「死んだ方がいいかな」と思うくらいの状態を振り返っても、その時の私はうつという感情に支配されていたように思います。

だから、今あなたの憂鬱がどんなに苦しくて、どれだけ解放されたいかわかっているつもりです。

それを否定するつもりは全くありません。

ですがこの憂鬱が私そのものではなく、風邪で喉に炎症が起きるようにストレスで脳に炎症が起きている結果だとしたら。

それに騙されて死んでしまってはもったいない。

そして自分はダメだと思考して、憂鬱という気分になり、死のうとするその行動がヘルペスウイルスのせいだったらもったいない。

うつはあなたのせいではありません。

その感情すら、あなたのものではないのかもしれないのです。

だからまずは死にたい気持ちを脇に置いて、風邪を引いたときの様に少し眠りましょう。

自分の免疫がおかしくなっているかもしれないので、それが正常化するのを待つため、一週間考えるのを止めにしてゆっくり休みましょう。

憂鬱な時の思考や感情はあなたそのものではなく、なりすましの可能性があります。

一旦それを休めて免疫の正常化に身を任せ、戦場の荒れ地が回復し、緑が茂って花が咲くのを待ちましょう。

きっと、本来の自分が戻ってくるはずです。

うつの原因はウイルスのせいかもしれない。

だから死にたい気持ちも、あなたのせいじゃないかもしれない。

(『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』より引用)

辛い出来事があると脳が反応して抵抗する為に憂鬱になり、「死にたい」という思いが生まれてしまうことを上記の引用から学びました。

もしあなたが憂鬱だと感じているなら、体を休ませることを優先してください。

憂鬱から生まれる「死にたい」という思いは持っているだけで、あなた自身のことを深く傷つけてしまいます。

死にたいという思いの裏には、「こんな自分はダメな人間なんだ」など自分を否定する言葉が隠れています。

死にたいという思いを持ち続けるのは、自分の事を否定し続けているのと同じです。

そんな精神状態では全く気が休まらないでしょう。

日本刀をイメージしてみてください。

日本刀は常に刃をむき出しのまま保管をしていませんよね。

日本刀には必ず鞘があります。

鞘があるのは、持っている人が傷つかずに日本刀を携帯することが出来るようにするためです。

「死にたい」という思いを持ち続けるのは、鞘がないむき出しの状態で日本刀を持ち歩いているようなものです。

周囲の人も傷つけてしまうかもしれませんし、何より日本刀を持っている自分が一番傷ついてしまう可能性があります。

死にたいという思いも同じです。

その思いを鞘にしまう必要があります。

そうすれば、上記の通り思いを脇に置いて体を、脳を休ませることが出来ます。

では鞘はどうやって入手すればいいのかというと、「死にたいという思いは自分の心が弱いからではなく、脳の炎症が原因である」と何度も自分自身に言い聞かせることです。

人はわからないという状況に陥ると恐怖心をどんどん増幅させます。

しかし、状況がわかれば感情が落ち着かせることが出来るようになります。

お化け屋敷はどの場所にどんなお化けが出て来るかわからないからこそ、怖いのです。

それが事前にわかってしまえば、恐怖心はだいぶ少なくなります。

なので、「死にたいという思いは脳の炎症である」という情報を脳に与え、状況を理解させることで、死にたいという思いを弱めて鞘に納めることが出来ます。

もしあなたが今「死にたい」という思いを抱えているなら、それはあなたのせいではありません。

脳の炎症の可能性があります。

決してあなたの心が弱いからとかあなたのせいではなく、自分の意思とは関係ない脳の生理現象が原因かもしれません。

そう思えば、「死にたい」という思いも弱まり、心に落ち着きを取り戻せるでしょう。

落ち着きを取り戻せて体をしっかり休めたなら、「死にたい」という思いに振り回されてあなた自身のことをこれ以上傷つけないために、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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