「相談したい」と言いながら「愚痴」を言ってるだけよ、それ『お前は私じゃないし、私はお前じゃない 悩みが0になる人間関係術』

悩みを人に話す
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オネエと悩み相談の相性の良さ

以前、「元の自分に戻りたい」、これって元彼に執着するオンナと同じよ?『おネエ精神科医のウラ診察室』の記事で、オネエの方とお悩み相談とのジャンルの相性の良さに関して語った際に、カマたくさんの話題を挙げました。

カマたくさんを知らない方に簡単に説明しますと、カマたくさんはX(旧Twitter)のアカウント(@takuya_hyon)でハイテンションで世の中の不満をぶちまけたり、共感できる内容のショート動画を投稿して話題になった方です。

投稿されている動画を見てもらえば一発でわかりますが、声のトーンと動きがとてもインパクトがあり、頭に残るだけではなく心にも響く内容なので、初めてご覧になった方は強烈な印象を受けることでしょう。

今回ご紹介する本書の表紙も、カマたくさんの独特な感性が伺えます。

そんなカマたくさんが人間関係の悩みに関してズバッと切り込んでいるのが、今回ご紹介する『お前は私じゃないし、私はお前じゃない 悩みが0になる人間関係術』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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「で?あんたはどうしたいの?」

著者のカマたくさんは、冒頭で紹介した通りSNS上で有名なインフルエンサーですが、普段は歌舞伎町でゲイバーの店員として働かれています。

自身の今までの人生経験とゲイバーの店員として働かれている中で、自分自身だけではなくて多くの人の悩みに触れてきました。

本書の「はじめに」の章で悩みに関してご自身の価値観を以下の通り話されているのですが、そこでカマたくさんの悩みに関する向き合い方、及びワードセンスの鋭さを体感することが出来ます。

あと、悩んでいる人にすごく多いのが、明日にならなきゃわからないことで今すごく落ち込んでいるパターン。

もう言っちゃった後なのに、「私、何であんなこと言っちゃったんだろう~。やだやだ、どうしよう」とか、「怒られたらどうしよう、笑われたらどうしよう、嫌われたらどうしよう」とか、起こるかどうかもわからないこと心配しすぎだし、妄想しすぎだし、考えすぎ。

大丈夫だ!うんこして、寝ろ!

「まだ起きてもいないことに悩んじゃうなんて、どんだけヒマなの?」って、私は思っちゃうわけ。

それにね、たくさんの悩みを相談されるんだけど、正直本当に解決したくて人に相談している人ってあんまりいないな~って思うの。

「今の職場でいじめにあっているんです」って言ってきた人に、「うん、じゃあ辞めな」って言ったら、「いや、でも次の仕事が見つかっていないし、仕事内容は合っていて、うんうんうんうんうん」

あんた、本気で悩みを解決するつもりないでしょ!

みんなね、色々相談してくるけど、いろんな言い訳をして見事に行動しないのよ。

だから、私からひとつだけ言いたいのは、「お前の人生だから、お前が決めな」。

って、本文が始まる前に身もふたもないこと言っちゃったけど、でも、そうなのよ。

ぶっちゃけ、私が何を言おうと最終的に決めるのは自分。

今回は出版社さんから「人間関係の悩みについて切り込んでください」って頼まれたから、まぁ好き勝手言わせてもらいますけどぉ、でも、結局決めるのはあんただからね。

言うには言うけど、最後は知らないわよ。

自分のケツくらい自分で拭きなさーい。

じゃあ、行くわよー!

「いろんな言い訳をして見事に行動しない」という言葉に、グサッと何かが心に刺さった感覚を持たれた方がいらっしゃるかと思います。

私自身も自分では抱えきれないほどの重い悩みを抱えていた時は、悩んでばかりで何も行動が起こせなかったので、当時の自分を振り返ってグサッときました。

このサイトに訪れてこの記事を読んでいるということは、何かしらの悩みをあなたも抱えていると思います。

ただ、その悩みと向き合って自分が本当はどうしたいのかを考えたことはあるでしょうか。

悩みと向き合ってみると「誰かに今自分が抱えている悩みを共感して欲しい」という思いが強すぎて、その先が見えなくなってしまっていることがあります。

「悩みを共感して欲しい」と思うことは全く悪いことではありません、私もかつてそうだったのでその思いにとても共感出来ます。

しかし、悩みを聞き入れてくれる人に対して、最初にその悩みに対して自分がどうしたいのかを話さないと聞き手側の相手が対応に困ってしまいます。

本書の第1章の『「相談したい」と言いながら「愚痴」を言ってるだけよ、それ。』で、「悩みを相談すること」と「愚痴を聞いてもらうこと」の違いに関して、次の通り解説しています。

お店で働いていると結構お悩み相談受けるんだけどさ、私だって「うん、うん」って聞くのよ。

恋愛相談とか、それこそ人間関係の悩みとか、色々ね。

こっちもそれなりにアドバイスしようとして、「で?あんたはどうしたいの?」って聞くわけ。

そうすると、「どうしたい、とは?」とキョトン顔。

悩みっていうのはさ、「どうしたい」っていうのがゴールにあって、でも今そうなれていないから発生しているわけでしょう?

だからその「どうしたい」って部分を聞いているんだけど、ないのよ、答えられない。

それって例えば、「ケイコちゃんが駅まで5キロ歩きました」って言っているのと同じことなのよ。

「へ?え?だから?」ってなるでしょ?

「速度を求めたいのか、到着する時間が聞きたいのか、どうしたいの?」って

「私、悩んでいるんです」って状況説明だけをしてくるお客さんはたくさんいらっしゃるんですけど、ゴールが見えていらっしゃらない。

そうなると、こっちとしては「知れねーわ」ってなるわけよ。

「知らない人の知らない人との知らない問題なんて知らねーわ」って。

現状をこうしたいとか、この人の関係をこうしたいとか、あなたが理想とするゴールが無ければ改善するための答えなんて一生出てきません。

人に相談する時も、自分で考える時も、自分がどうしたいのかを決めないまま悩んでいたら、悩んでいる状況がただただ続くだけです。

そういう人はずうっと現状で悩んでいてください。

何もかもを得ることは人生では不可能なので、何かを諦めることにはなるんです。

何もせずに、何も諦めずに現状の悩みを解決することは出来ないんだから、「で?どうしたいの?」ってところから逆引きするしかないでしょ。

なのに、「どうしたい」がない人が本当多い。

それなら、「悩みを聞いて」なんて言わないで、「愚痴を聞いて」と言ってちょうだい。

アドバイスをしたのに、「だって~、でも~」ばかり言われると、「フッ!」って気持ちになるから、アドバイスがいらない時は最初から「愚痴聞いて」って言いな。

「愚痴を聞いて」と言うことは悪いことではありません。

愚痴を聞いてもらうことによって、自分だけでは重たくて抱えきれない悩みが人と話す事で、感情と頭が整理されて気分が軽くなり、悩みに対して前向きに向き合えることが出来ることもあるからです。

ただ、相手に共感して貰うことだけが目的になって、そこから行動が起こせないと悩みは解決しません。

自分の抱えている悩みを相手に共感して貰えると感情と頭が整理されて気分が軽くなりますが、その後に自分がどうしたいのか向き合うことが大切です。

しかし、「どうしたいのか」が見つからない場合は何をすればいいのでしょうか。

本書の第1章の『「私は主役よ~、そこどきなさ~い」って堂々としてればいいのよ』に記載されている考え方が参考になります。

「自己中心的」に自分の人生を生きてみればいい

悩んでいる子って、ある意味優しすぎるし、考えすぎるし、周りの目を気にしすぎるのよね。

「こうならなきゃいけない」とか、「何かの為に生きなきゃ」とかそんなことばっかり。

でもね、それが悪いわけじゃないんだけど、それによって生き辛さを感じているのならなんとかしなくちゃいけないのよねえ。

「もっと自己中心的でいいのにな~」って、私は思っちゃう。

いつも他人に判断基準を置いているから辛いのよ。

だって、それって自分ではコントロール不能なことじゃない?

どんなに頑張っても他人に認められない場合もあるし、さほど頑張っていなくても他人が評価してくれることもある。

そこに自分の基準を置いていたら、疲弊するばかり。

だから、自己中でいいって思うの。

「自己中」という言葉だけを聞くと、わがままを通そうとしたり、平気で割り込んできたり、自分の過ちを認めなかったりと全然いいイメージがないかもしれないけど、それは「自己中」ではなくて「自分勝手」。

私の考える「自己中」は、自分はどう生きるか、どう生きたいかを優先すると同時に、自分の言ったことに責任を持って自分を認めること。

つまり、自分の人生の中では自分が主人公ということ。

「あの人がこんなことを言ってくる、この人にこんな風に見られている、こんな評価をされている」と他人の目ばっかり気にしてしまうから、あなたの人生なのにあなたが主役じゃなくて、他人が主役になっちゃているわよ。

それ、おかしくない?

一方で、主役だけだとあなたの人生は成り立たないの。

「準主役」は親友、「名脇役」は友達、「観客」はあなたを応援してくれる人、「エキストラ」はその他大勢の人。

どれもいなくちゃ困るの。

自分に害を与えてくる人は、そうねぇ、言ってみれば映画館や劇場に落ちている「ゴミ」かしら。

でも、自分の人生では自分が主役であるのと同時に、自分もまた別の誰かの人生のエキストラだったり、観客だったりするわけよ。

これがワンセット。

誰かと親しい関係になりたいと思うことは、その誰かの人生でのエキストラからスタートして、他の誰かから名脇役や準主役の座を奪うこと。

オーディションによって、そのポジションは変わっていくわけ。

自分がオーディション開催側になって生きるのと同時に、オーディションを受けている側でもある。

ただ、本当のオーディションと違って難しいのは、別の誰かがどんな物語にしたいのかわからないし、何ならオーディションを取る枠もわからない。

だから、エキストラから名脇役や準主役になるのはとっても難しいの。

合格しなかったら、つまりその誰かにとって必要がなかったら、「縁がなかったな」って思うしかないのよ。

オーディションって、ほとんどの場合、落ちた理由なんて教えてくれないんだから。

それでも、「私が一番輝いています!準主役は私です!」と食い下がろうとするやつがいるかもね。

それこそ、「自己中」ではなく、「自分勝手」。

どんな人でも人生は舞台なのよ。

くよくよしている時間などない。

舞台に邪魔なものを排除しながら、主人公になればいいのよ。

(『お前は私じゃないし、私はお前じゃない 悩みが0になる人間関係術』より引用)

あなたは今、自分の人生の舞台で「主人公」の座にいるでしょうか。

他人を気にしすぎて、他の人のことばかり考えてはいないでしょうか。

本書の言う通り、「こんなこと言われたらどうしよう」とか「あんなこと思われたらどうしよう」など、これって他人が判断基準になっていますよね。

人に愚痴を聞いてもらった後にどうすればいいのかがわからないのなら、まずはその判断基準を他人から自分に変えてみることから始めてみればいいと思います。

そして、判断基準を自分に変える方法は本書が提示している「自己中心的」で生きてみれば、その感性が磨かれていきます。

普段の生活で「自分がこうしたいからこうしよう」と考えて、判断基準を自分に置いて判断していることは意識を向けていないだけでたくさんあります。

洋服を選ぶ時やレストランでメニューを選ぶ時など、小さくても「自分がこうしたいからこうしよう」としてみたことを思い返してみてください。

意外と自分基準で判断していることの多さに気が付きます。

そして選んだ時は間違いなく、「他人が」ではなくて、「自分が」選んだことです。

その「自分が」選んだという感覚を大切にして欲しいのです。

「自分が」選んだという感覚の積み重ねが、あなたを「自己中心的」に生きる「主人公」の座に戻してくれます。

あなたが「主人公」の座に戻った時に「自分は悩みに対してどうしたいか」と自分自身に問いかけると、今までは見えなかったあなたなりの答えが出て来るはずです。

あなたが自己中心的に生きて主人公の座に戻れるように、本書を読むことを「自分で」決めてみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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