NO.1しか生きられない生物の世界
「NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」
(『世界に一つだけの花』から引用)
言わずと知れた、SMAPの代表的な曲の「世界に一つだけの花」のワンフレーズです。
仕事や学業など何かと競争をしてナンバーワンを目指さないといけない社会人や学生など、どの世代にも心に刺さるような歌詞であり、競争の中で埋もれて意識して来なかった「自分らしさ」とは何なのかを改めて考えさせてくれる様な素晴らしい曲ですよね。
この曲がきっかけでそれまで花や木にあまり興味がなかった私も植物に目を向けるようになりました。
私が普段目にする植物と言えば道端に生えているタンポポぐらいの雑草ですが、曲が発売された当時はそんな雑草を見ても歌詞の影響で感動していたのをよく覚えています。
しかし、植物も含めて生物というのはナンバーワンしか生き残れないのだそうです。
そんな衝撃的な内容が記載されている本が今回ご紹介する「雑草はなぜそこに生えているのか」です。
Only oneにも存在は許されるのか
本書のテーマはタイトル通り雑草です。
雑草の話をする上で植物全般の基礎的な知識を理解しなければならないのですが、そもそも本書は中高生の若い読者に向けて書かれているので、説明が非常にわかりやすいのも特徴でスラスラ読めます。
雑草の言葉の定義から始まり、雑草に持たれがちな偏見、例えば「雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる雑草魂がある」などの一般的な雑草のイメージをことごとく覆すような解説が入ります。
どの解説も興味深く、大変面白い内容でしたが一番印象に残ったのがこの一文です。
生物の世界の法則では、ナンバー1しか生きられない。
(『雑草はなぜそこに生えているのか』から引用)
本書でもSMAPの「世界に一つだけの花」を話題に出した上で、この一文が続くので非常に衝撃をうけました。
ただ、その後にこんな文章が続きます。
しかし、不思議なことがある。
ナンバー1しか生きられないのであれば、この世には一種類の生き物しか存在できないことになる。
それなのに、自然界を見渡せば、さまざまな生き物が暮らしている。
ナンバー1しか生きられない自然界に、どうして、こんなにも多くの生物が存在しているのだろうか?
(『雑草はなぜそこに生えているのか』から引用)
ここまでの文章を読まれた読者の皆様はどう思われましたか?
本当にナンバーワンしか生存する価値が無いということなのか、それともオンリーワンにもちゃんと生存が許される確かな価値があるのか。
この答えは本書にありますので、興味がある方は是非あなたの考えた回答と照らし合わせてみてください。
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