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あなたの心の中にいる天使と悪魔の葛藤に意識を向けることで、コミュニケーション能力が高まります『精神科医がやっている聞き方・話し方』

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天使と悪魔の葛藤で大切なのは、どちらに従うかではない

「ダイエット中だけど、食べたい」。

そんな時、心の中で「食べちゃえ」とささやく悪魔と、「我慢しなさい」と止める天使が言い争いを始めます。

心の中で天使と悪魔が葛藤して、どちらにも決められないまま疲れてしまうことはありませんか?

先に答えをお伝えすると、この葛藤で大切なのは、天使と悪魔のどちらに従うかではありません。

両方の声を聞いたうえで、最後に決める「あなた自身」に意識を向けることです。

この記事では、精神科医の益田裕介さんの『精神科医がやっている聞き方・話し方』を手がかりに、心の中の天使と悪魔の正体と、その葛藤に意識を向けることで人との会話がうまくいく理由を、順番にお話しします。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

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心の中の天使と悪魔の葛藤とは

漫画やアニメでは、登場人物が迷っている場面で、心の中にその人の姿をした天使と悪魔が現れることがあります。

天使は正しい方へ、悪魔は楽な方へと登場人物を引っ張り、登場人物は板挟みになって、さらに迷ってしまう。

こうした場面を、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

本書では、この天使と悪魔にあたるものを、心の仕組みとして次のように紹介しています。

人間の精神構造は「自我・超自我・リビドー」の組み合わせで成り立っているという考えがあります。

(中略)

そして、超自我やリビドーを調整するのが自我です。

(『精神科医がやっている聞き方・話し方』より引用)

本書によると、超自我とは、良心や社会のルール、文化などの影響を受けて心の中に根づいた「こうあらねばならない」という見えない教えのことです。

リビドーは、食べ過ぎてしまう、お金を使い過ぎてしまう、見栄を張ってしまうといった本能的な衝動のことです。

そして、この二つの間で調整役をするのが自我です。

漫画の場面に当てはめるなら、天使が超自我、悪魔がリビドー、迷っている登場人物が自我だと考えるとイメージしやすいと思います。

なお、精神分析を始めたフロイトの理論では、本能的な衝動の源を「エス(イド)」、そのエネルギーを「リビドー」と呼ぶのが一般的です。

本書では、わかりやすさを優先して、本能的な衝動そのものを「リビドー」と呼んで説明しています。

天使の言うことだけを聞いていればいいわけではない

ここで注意して欲しいのは、天使の言うことだけに耳を傾けていればいい、というわけではないことです。

本書では、良い方向に働く超自我の例として良心を挙げる一方で、自分を厳しく律するあまり体を壊したり、うつになってしまったりするケースもあると書いています。

天使の声が強くなりすぎると、それはもう心を守る声ではなく、自分を追い詰める声になってしまうのです。

悩みを抱えている時ほど、この天使の声は大きくなりやすいのではないでしょうか。

「人に迷惑をかけてはいけない」「弱音を吐いてはいけない」という天使の声が強すぎると、悩みを誰にも話せないまま、一人で抱え込んでしまいます。

だから大切なのは、天使と悪魔のどちらか一方に肩入れすることではなく、中立を保つことです。

天使と悪魔の存在に気付いたうえで、両者が暴走しないように手綱を握る調整役、つまり自我に、意識を強く向けることが大切です。

決めるのは天使でも悪魔でもなく、あなた自身

心の中で葛藤が起きている時、人は天使と悪魔の両方の意見にばかり意識が向いてしまいます。

しかし、どちらの意見を聞くにしても、最終的に決めるのはあなた自身です。

「天使と悪魔の葛藤」と聞くと、両者の言い争いばかりに目が向きがちですが、最後に決めるあなたという存在を忘れてはいけません。

あなたという存在に意識を向けるほど、「天使と悪魔のどちらの意見にも従わない」という第三の選択肢が見えてくるからです。

ダイエットの例なら、「全部食べる」でも「我慢する」でもなく、「今日は半分だけ食べて、明日は少し歩こう」と自分で決める、という選び方です。

悩みを話す場面でも同じです。

「全部話す」か「我慢して何も話さない」かの二択ではなく、「最近ちょっとしんどいことがあって」と一言だけ話してみる、という選び方もできます。

自分で選んだことの積み重ねが自分で決められる人に近づく方法だということは、『7日間で自分で決められる人になる』の記事でもお話ししました。

会話の中でも、天使と悪魔は顔を出す

本書は会話の本なので、この天使と悪魔は会話の中にも出てくると著者は書いています。

僕達の普段の会話にも、超自我やリビドーが顔をのぞかせることがよくあります。

(中略)

自分の意識や自我を超えた行動や言動が、会話に与える影響は大きいのです。

(『精神科医がやっている聞き方・話し方』より引用)

本書では、気に入られたいという気持ちが強くなりすぎて、会話の本来の目的を忘れてしまう例が挙げられています。

話に夢中になってつい自慢してしまった、相手のちょっとした一言につい怒ってしまった。

著者によれば、こうした「悪いあなた」が顔を出すのは、人が意識だけでなく無意識にも囚われて生きているからです。

自分の性格や特徴に気付かないまま話していると、せっかく会話の目的を決めていても、そこにたどり着けなくなってしまいます。

そこで本書が勧めているのは、「自分にはこうした傾向がある」と認識しておき、それが会話の中でマイナスに働きそうになった時に、意識して止めることです。

つまり、調整役の自我が働いていれば、会話で問題が起きるのを未然に防げるのです。

無意識の一言から、自分の傾向を見つける

何気なく言ってしまった一言が雰囲気を悪くしてしまったり、相手を傷付けてしまった経験は誰にでもあります。

もちろん、私にだってあります。

そのことに気付いて反省したら、もうそれ以上あなた自身のことを責める必要はありません。

大切なのは、「どうしてその一言を言ってしまったのか」をたどれることです。

例えば、場が盛り上がるかと思って言った一言が、相手を傷付けて、かえって場の雰囲気を悪くしてしまったとします。

その時の心の中をたどると、「周りに気を遣って、場を盛り上げたい」という思いがあったことに気付けます。

思いが悪い方向に出てしまっただけで、思いそのものが悪いわけではありません。

このように、無意識に口から出た一言の中から、自分でも気付いていなかった性格や特徴を見つけることができます。

それが、会話の中で天使と悪魔に振り回されないための「自分を知る」準備になります。

会話は才能ではなく技術。だから準備ができる

著者の益田裕介さんは、早稲田メンタルクリニックの院長を務める精神科医です。

診療後に動画を撮影してYouTubeで配信していて、チャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」の登録者は、2025年3月の時点で64万人を超えています。

本書は、精神科医が診察で使っている会話の技術を、日常会話や仕事にも使える形でまとめた本です。

著者は、会話力は生まれ持った才能ではなく、技術だと言います。

上手に話せる人は決して、生まれ持った才能だけで話しているわけではありません。

(中略)

しかし、自然体で話すためには、やっぱり準備や練習が必要です。

(『精神科医がやっている聞き方・話し方』より引用)

本書によると、プロの芸人さんはたくさんの準備をしてからステージに立ち、野球選手は力みなくバットを振るために膨大な数の素振りをしています。

私は映画のエンドロールを最後まで見る派で、特に制作の裏側を流すメイキングのエンドロールが好きです。

映像では一瞬しか映らないワンシーンのために、演者とスタッフが大掛かりな準備をしている姿には、いつも心を打たれます。

準備が必要なのは、どの分野でも同じです。

ところが会話だけは、「毎日していることだから」と準備をしないまま、ぶっつけ本番で臨んでしまいがちです。

「少人数なら話せるのに、大勢の前だと緊張してうまく話せない」のも、才能ではなく準備の問題かもしれません。

会話の準備とは、自分の傾向を知っておくこと

本書では、友人同士の「最近の調子はどう?」といった日常会話なら準備は要らないが、「こうなりたい」という目的がある会話には準備が必要だとしています。

目的が生まれた瞬間に、急に普段どおりに話せなくなってしまう人がいます。

例えば、仲良くなりたい相手を前にすると、意識しすぎて普段の会話すらおぼつかなくなり、頭の中で「自分は普段どんな風に話していたっけ?」と考えてしまう。

目的が生まれてから普段の話し方を思い出そうとしても、もう遅いのです。

だから、会話の準備とは、話す内容を用意することだけではありません。

普段の会話で自分にどんな傾向があるのか、つまり心の中の天使と悪魔がどんな声をかけてくるのかを、前もって知っておくことです。

今日、一つだけ試してみてください。

最近の会話で「言わなければよかった」と思った一言を、一つ思い出します。

その時、心の中の天使は何と言っていて、悪魔は何と言っていたか。

そして最後に話すことを決めたあなたは、本当は何を大事にしようとしていたのかを、紙に書き出してみてください。

書き出した言葉の中に、次の会話であなたの手綱を握ってくれる「自分の傾向」が見つかるはずです。

あなたが会話の前に自分の傾向をしっかり掴めるように、そして心の中の天使と悪魔の声を聞き分けられるように、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

また、著者が診療後に撮影して配信しているYouTubeチャンネルのリンクを下に載せました。

興味を持たれた方は、気になった動画もぜひ視聴してみてください。

そしてもしよろしければ、視聴した動画の高評価とチャンネル登録もよろしくお願いします。

精神科医がこころの病気を解説するCh – YouTube

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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