例え宇宙に行っても、人生観とはそう簡単には変わりません『どう生きるかつらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』

心理的な抑圧を緩和する
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つい最近宇宙を身近に感じさせてくれた人

2021年12月8日、前澤祐作さんが搭乗したロケットが宇宙に向けて発射しました。

前澤祐作さんと言えば「お金配りおじさん」としてTwitter(X)でフォローとリツイートで応募して、当選した人にはお金を渡すという方法に賛否両論ありましたが、斬新なプレゼント方法で注目を浴びました。

その他にも普段から積極的に様々なことに挑戦しており、YouTubeにその様子を動画にして投稿しています。

レースに挑戦したりゴルフに挑戦したり、つい最近では釣りで51キロの巨大なイシナギを釣り上げてニュースになっているのを見た方も多いのではないでしょうか。

どの動画内容もとても印象的ですが、その中でも最もインパクトがあるのが宇宙に行ったことでしょう。

ロシアで宇宙訓練を行った後、宇宙に行き12日間宇宙空間に滞在したのですがその様子をSNSに上げたりYouTubeに動画投稿して世間の注目を多く集めました。

今から約2年半近く前のことですが、私もその動画を見て宇宙から見た地球の美しさに感動したことを今もしっかり覚えています。

「旅に出ると価値観が変わる」とよく聞きます。

特に海外に行き、現地で何らかの刺激を受けて帰ってきた人達がこの感想を口にしている印象があります。

海外で価値観が変わるなら、旅先が宇宙だと価値観どころか自分の人生観が丸ごと大きく変容してしまいそうな気がしませんか?

ところが、宇宙に行っても人生観は変わらないのだそうです。

これは今回ご紹介する本の『どう生きるかつらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』の著者の宇宙飛行士の野口聡一さんの言葉です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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宇宙飛行士がよく聞かれる質問

野口聡一さんはJAXA(宇宙航空研究開発機構)で31歳で宇宙飛行士候補に選ばれ、2022年に57歳でJAXAを退職。

その間、宇宙飛行士として合計3回宇宙に行っています。

初めて宇宙に行ったのは2005年、40歳の時ですがそれから今まで何度となくある質問を受けたと本書で語っています。

その質問は「宇宙に行って人生観は変わりましたか?」です。

質問に対する答えを本書でこう述べています。

宇宙から帰ってきたばかりの僕には、宇宙で経験したことの意味を理解することが出来ませんでした。

特に最初のフライトは2週間だけであり、地球では絶対に経験出来ない様々な出来事に感情を揺さぶられ、ミッションに追われている内に終わってしまった感覚がありました。

しかもその後、すぐに2回目のフライトの為の準備が始まったため、宇宙へ行って自分の何が変わったのかを落ち着いて考える余裕がなかったのです。

それでも「宇宙に行って人生観は変わりましたか?」という質問には肯定的な答えを用意し、内面的な成長を見せなければいけない、当時の僕はそう思っていました。

それが多くの人が僕に望んでいることだからです。

宇宙に行って、はたして自分の人生観が変わったかどうか確信が持てないけれど、人々の期待に応え「変わった」と言わなければならない。

違和感を抱えながらも2回目のフライトの準備に忙殺され、2009年僕は再び宇宙へと飛び出しました。

本書の『はじめに』の章から文章を一部引用して、「宇宙に行って人生観は変わりましたか?」という質問に対する著者の答えと思いを綴りました。

宇宙には誰しも一度は思いを馳せて憧れたことがあるでしょう。

ですが、今も昔も宇宙に行けるのは本当に限られたごく一部の選ばれた人達だけ。

選ばれた人しか行けないと聞くと、なおさら興味関心が湧いてより宇宙が神秘的に見える。

実際に行った人達ならさぞかし強烈な衝撃を受けて人生観にも響いたに違いない。

多くの人はそう考えます。

ですが、強烈な衝撃を受けたとは感覚としては残っているのだけれども、それを上手く言葉にして伝えることが当時は出来なかったことがわかります。

忙しかったから実感を感じられなかったわけですが、その後時間が出来て向き合った時に著者が感じたのは私達の予想に反する感情でした。

宇宙に行っても人生観が変わらない理由

その時の感情を本書ではこう述べています。

ところが、これ程の体験をしたにも関わらず最初のフライトを終えて地上に戻ってしばらく経った時、僕の心の中に「こんなものだったのか」という気持ちが芽生えてきました。

宇宙へ行く前、僕は宇宙に行けば「人生観が変わるはずだ」と思っていました。

宇宙体験は強烈なインパクトを僕の内面世界に与え出し、それがなければ今の自分がないことは間違いありません。

でも、宇宙船を操縦する、船外活動をするといった体験のリアリティがあまりにも大きすぎて、それを自分で客観的に評価したり、自分なりに消化したりすることが出来ず「意外とあっさり終わっちゃったな」と思っていたのです。

立花隆先生も「宇宙からの帰還」の中で次の様に書かれています。

体験は全て時間と共に成熟していくものである。

とりわけそれが重要で劇的な体験であればあるほど、それを体験しているまさにその瞬間においては体験の中に身を委ねる以外に時間的余裕も意識的余裕もないから、その体験の内的外因を掴むことが出来るのは事後の反省と反芻を経てからになる。

(『どう生きるかつらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』より引用)

旅に出れば人生が変わるというのはフィクションと現実の世界でもよくもてはやされる話題です。

実際にそういった映像作品を見たり、実体験をした人の話を聞くとまるで自分も同じ体験が出来るのではないかと期待に胸が膨らんだ経験をされたことはあるでしょう。

ですが、実際に旅をしてみてあなたは価値観や人生観が変わりましたか?

感動は間違いなくしたことでしょう。

普段とは違う環境に身を置くことで新鮮な気持ちが味わえた感覚は確かに心に残っているはずです。

例えばしし座流星群が見たくてよく見れるスポットに行ったとか、その動物園でしか出会えない珍しい動物に会いに行ったなど、旅の目的を果たしたときは間違いなく心が満たされます。

ですが、その心が大きく揺れ動いた瞬間を「感動した」の一言で済ませてしまいがちです。

それって非常にもったいなくないですか?

心が揺さぶられるほどの貴重な体験をそんなありふれた一言だけで丸のみせずに、咀嚼して何度も何度も嚙み締めれば違った味が必ず出て来ます。

反省と反芻を経るということはこのようなことであり、その体験をした時の自分自身の心の動きを鮮明に思い出し観察するということです。

反省と反芻を繰り返しながら著者はひとつの答えを見つけます。

それでも人生観は変わらないと答えており、何が変わったのかはこう答えています。

おそらく皆さんは宇宙飛行士に対し、「宇宙に行った人はきっと人生観が大きく変わり、他者と自分を比べたり、日常の些細なことで悩んだりすることはなくなるのではないか」といったイメージを抱いているのではないでしょうか。

確かに立花隆先生が書かれているように、宇宙体験が宇宙飛行士の意識構造に深い内的衝撃を与えること、宇宙飛行士の多くが宇宙で意識の変容体験をするのは確かだと僕は思います。

ただ、そこで得られるのは人間的な成長というよりは視野の拡張に過ぎません。

宇宙体験が人生の全ての悩みや苦しみを解決してくれるわけではないのです。

(『どう生きるかつらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』より引用)

貴重な体験をしても、それが根本的な性格と思考にすぐに反映されるわけではないのがこの引用を読んで理解出来ることでしょう。

人というのはそう簡単には変われないのです。

食べ物を食べた時に、咀嚼し食道を通り胃で消化され体に栄養が行きわたるという一連の流れには時間がかかります。

体験も同じでその瞬間に人が変わるわけではなく、時間をかけて向き合い続けることで少しずつ変容していくものではないでしょうか。

著者は2回目のフライトの後、燃え尽き症候群になり喪失感に10年ほど苦しんだと言っています。

そこから立ち直る際に宇宙で体験したことを反省と反芻を繰り返し、自身の考えを見直して再び立ち上がります。

自身が体験したことをどの様に反省と反芻を経て、そこからどう学び取り今後の生き方に反映させることが出来たのか。

その方法を本書を読んでみて、実践してみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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