「誰かに助けて欲しい」と思えば思うほど、あなたの心の傷口は広がってしまいます『わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学』

心理的な抑圧を緩和する
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冗談を本気でそう思っている人の心理

「明日から本気出す」

言葉通り、今出来ることを未来に先送りする言い訳として使用されているネットスラングです。

現在ではインターネットだけではなくて、歌詞に出て来たりドラマの台詞に出て来たりと現実の世界でも見かけるようになりました。

大半の人は「明日から本気出す」という言葉を冗談で使っています。

「今はやりたくないから後でやろう」ぐらいのニュアンスで、この言葉の裏に深刻さはありません。

しかし、本気でそう思っている人もいます。

面倒なことを未来に先送りしたいと思うことは誰にでもあります。

しかし、本気でそう思っている人はその面倒なことをするどころか、直視することすら出来ないのです。

なぜ、直視することが出来ないのかというと「傷つきたくないから」です。

この「傷つきたくない」という思いは大なり小なり、私達の心の中に必ずあります。

心の中に必ず存在するので、「傷つきたくない」という思いの向き合い方と付き合い方を知らないとその思いに振り回され続けてしまいます。

「傷つきたくない」という思いに対して上手な向き合い方と付き合い方を指南してくれるのが、今回ご紹介する『わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学』です。

いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。

こちらの書籍はAudibleでもご利用頂けます。

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「誰かに助けて欲しい」という思いが心の傷口を広げてしまう理由

著者の橋本翔太さんは公認心理師です。

公認心理師として心理療法、栄養療法、音楽療法の三つの柱を通して活動する中で、いつも目指しているのはクライアントさんの自立だと本書で語っています。

ところが、自立が出来るようになるまで多くの問題にぶつかってしまいます。

その問題は私達にも共通して関わりがあり、以下の通り説明しています。

私達はいつも多くの問題を抱えています。

そのせいで苦しみ、思うように人生が運ばず、悩みます。

生きづらさや人間関係や仕事の悩みというマイナスを乗り越える問題。

夢を叶えて自己実現したいというプラスを目指す時に出て来る問題。

どちらの問題も早く解決して、手放して、早くなりたい自分に変化したい。

そう強く願っています。

なのに、なぜ上手くいかないのでしょうか。

この本では、その「なぜ」の理由を心の深いところまで探り、あなたも知らなかったあなた自身の謎を解いていきます。

それが本当の問題解決に繋がり、あなたの人生を飛躍へと導きます。

今抱えている問題は心の深いところが起因になっていることは、ここまでの文章で理解出来ました。

では、その心の深いところには何があるのでしょうか。

本書では、以下の通り続きます。

早速、その心の深いところについてお話しますね。

あなたが上手くいかないこと、あなたが問題を繰り返してしまうこと、あなたがなかなか解決出来ないこと、これらに大きな意味と目的がある。

そして、その意味と目的とは「あなたを守ること」。

そう言われたら、どんな気持ちがしますか?

今はまだ信じられないかもしれません。

実はあなたが抱えている問題、悩みはあなたを守るために存在しています。

早く解決して消去してしまいたい問題や悩みの裏側には、あなたを守るという役目があるのです。

それが問題の本当の姿。

あなたを守ろうとして、あなたの心が生み出したもう一人のあなたです。

あなたの心の防衛の役目を担っています。

このもう一人のあなたと今のあなた、それぞれの行き違いがいろんなことが上手くいかない根本、原因になっているのです。

いきなりそう言われても、ピンと来ないかもしれません。

ですが、読み進めるうちにご理解頂けると思います。

そして、これを解決出来るのはあなたしかいません。

あなたにしか、出来ないのです。

言い方を変えると、誰に頼るでもなくあなたがあなた自身を助けるのです。

あなたの中にあなたの人生を変える力が確かにあるのです。

あなたが悩みを繰り返してしまっていたり解決に向かわないのは、実はあなたを守ろうとしているあなたが原因だからです。

つまり、あなたとあなたを守ろうとするあなたの一人相撲が無意識下では行われていたわけです。

しかし、自分自身と力比べをしたところで結局は同じ実力なのですから、いつまでも決着が付かず疲弊するだけです。

決着が付かなければ、あなたを守ろうとするあなたは勝ったようなものです。

なぜなら、あなたが疲弊すると悩みに向き合わずに済むからです。

そこで、あなたは悩みが発生した際にこう思ったことはありませんか。

「誰かに助けて欲しい」と。

自分と自分を守ろうとするもう一人の自分が一人相撲をし続けて、いつまでも決着が付かずに疲弊してしまうだけなら、他の人を連れてきたらあっさり決着が付きそうですよね。

しかし、そう思えば思うほど悩みを解決する道のりはさらに遠くなってしまいます。

なぜ、遠くなってしまうのでしょうか。

その理由を以下の通り解説しています。

しかし、現代、本当に多くの方が自分自身の力を信じられなくなっています。

私もその一人でした。

そのせいで辛い思いを何度も繰り返していました。

皮肉なことに、ずっと孤独で頑張ってきた人ほど、一人で頑張ることに疲れ果て、自分の事を半ば諦めていたりします。

その反動で助けてくれそうな誰かを心の底ではいつも欲しており、頼れそうな他者が現れると時にしがみつき執着してしまうこともあります。

特に幼いころから辛い経験が多い人、あるいは養育者、主に親との関係で辛い思いをすることが少なくなかった人。

そんな人は自分を助けてくれる誰か、他者が現れることを大人になった今も切望しています。

言い方を変えると、理想の親になってくれる誰か、つまり自分を守り、導いてくれる、助けてくれるナイト、騎士のような誰かを無意識にずっと探し求めてしまうのです。

それをパートナーや友人に求めたり、心理カウンセラーに求めたり、時には占いやスピリチュアルの先生に求めてしまったりします。

その結果、パートナーや友人との関係が破綻してしまったり、人間関係や金銭のトラブルに巻き込まれてしまったりして、自己実現がさらに遠のき、ますます人を信じられなくなっていく。

「誰かに助けて欲しい」という気持ちは痛いほど、私もよくわかります。

なぜなら、私自身もかつてそう思っていた時期があったからです。

自分が苦しい時に何かに縋りたくなるのは人間の性です。

自然な物の考え方なので、そのように考えてしまう自分の事を責めてしまう必要はありません。

大切なのは、「誰かに助けて欲しい」という気持ちが芽生えていることに気が付くことと、その気持ちが芽生えてしまう理由を知ることです。

なぜ、私達は「誰かに助けて欲しい」と自分を助けてくれそうな他者を求めてしまうのでしょうか。

その理由を次の通り解説しています。

この助けてくれそうな他者を求めてしまうのには、もうひとつの理由があります。

「誰かにつけられた傷は、誰かに癒してもらわないと治らない」と、あなたの無意識が思っているからです。

それは心の仕組みとしては、当たり前の感覚です。

ですが、本来他者に求めなくてもいいのです。

もしも、あなたを助けてくれるナイト、騎士のような心強い存在があなたの中にすでに存在していたとしたら、あなたがその存在に気付いていなかっただけだとしたら、これからあなたの中にいるあなたを助け、守ってくれるナイトの存在に気付いてもらいます。

あなたの中の大きな力を知ってもらい、本当の問題解決の方法をご紹介します。

「誰かにつけられた傷は、誰かに癒してもらわないと治らない」と思っていることに心当たりがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

私もそう思っていました。

「人から傷つけられた心の傷は、人でしか癒すことは出来ない」と。

しかし、その「人」の中には自分自身も含まれています。

あなた自身にも、自分で自分の心の傷を癒す力があるのです。

その癒す力になるのが、あなたを助けてくれるナイト、騎士のような心強い存在であり、本書では「ナイトくん」と呼ばれている存在です。

「ナイトくん」に関して、以下の通り説明されています。

私達の心は自分を守るために、無意識の領域で驚くほど一生懸命に働いてくれています。

それはまるで外部の異物から体を守る白血球のよう。

あなたの心を防衛しようと、必死で働いてくれています。

この心を守る働きをするメンバーたちは、まるであなたの心の防衛隊です。

臨床での心理セッションなどを通して、私はクライアントさんの心の防衛隊を見つけることがあります。

その姿はその方を守ろうと頑張ってくれる不器用だけど、心優しき騎士の様にいつも感じます。

そこでこの本では、心の防衛隊を親しみを込めて「ナイト、騎士くん」と呼ぶことにしましょう。

上記の文章を読んで、あなたの心の中で心の防衛隊、通称「ナイトくん」の存在を感じられたでしょうか。

「ナイトくん」はあなたを守ろうとしてくれるけど、不器用。

この不器用さが、あなたがあなた自身に癒す力があることを、「ナイトくん」がいることを信じられなくなっている要因になっています。

もし、あなたが「自分が信じられない」とか「自分は頼りない」と思っているなら、確実にあなたの心の中には「ナイトくん」が存在している証拠になります。

「ナイトくん」のことをより詳しく知ることで、あなたがあなた自身を癒してくれるような心強い存在になってくれます。

「ナイトくん」の目的

心の防衛隊の目的はたった一つ。

あなたがもうこれ以上、傷つかないようにすることです。

ところが、このナイトくんたちはとても不器用なので、あなたを守ろうとするあまりに極端な行動をしてしまいがちです。

それが日々の生活の中で問題となって現れてくることがあります。

つまり、あなたのナイトくんがよかれと思って、あなたの心を必死で守ろうとするあまり、かえって問題が起きてしまっているのです。

人間関係、生活、仕事、お金、恋愛、家族、パートナーシップでの問題。

これらの問題は、実は不器用で一生懸命なナイトくんが原因なのです。

多くの人が抱えている様々な問題のほとんどが、ナイトくんによる自分自身の心を守る機能である心の防衛反応ゆえに起きているのです。

特に、何度もパターンとして繰り返してしまう問題、ずっと悩んでいる問題の多くがこの心の防衛反応と強く結びついています。

(『わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学』より引用)

「ナイトくん」が私達の「傷つきたくない」という思いを目的に働いているが、それが空回りしてしまっていること。

そして、ずっと悩んでいる問題が「ナイトくん」との結びつきが強いことであることがわかりました。

では、「ナイトくん」がいなくなれば悩みは解決するのではないかと思いませんか?

実は「ナイトくん」は不器用ながらも、私達の心をちゃんと守ってくれている大切な存在なので、いくらあなたが「ナイトくんはいらない」と思っても離れられないのです。

私達の「傷つきたくない」という思いを目的にして働いている「ナイトくん」ですが、具体的にどんな働きをしているのかを以下の通り説明されています。

ナイトくんの目的は損失を回避することにあります。

それは一体、どんな損失なのでしょうか。

私が臨床での心理療法や栄養療法を通して多くのクライアントさんと接する中で、あらゆる問題の背後に隠されたメリットの共通項目はたった一つであることに気が付きました。

それは「もうこれ以上、自分を傷つかないように自分を守ることが出来る」というメリットです。

つまり、傷つくという損失を回避することです。

このように言うと、「心が傷つくことくらい根性や気合でどうにでもなる」という人もいるかも知れません。

しかし、心が傷ついたとき、つまり精神的な痛みに対して、脳は肉体を殴られたり蹴られたりするのと同じように感じるのだそうです。

メンタル面でのストレスと簡単に言いますが、脳にとって精神的な痛みは肉体の傷みのように苦痛を伴うものなんです。

その心の傷をかばい、傷を守る無意識の働きが心の防衛反応です。

それを行うのが私達のナイトくんです。

心の傷つきからあなたを必死に守ろうとしています。

ナイトくんはあなたの傷を思い出したり、自覚したり、これ以上傷ついたりしないように働いてくれています。

これらは無意識で起きている働きなので、自分ではなかなか自覚出来ません。

あなたのナイトくんは無意識下で、あなたが傷つかないように日々の生活の中で、「これ以上ストレスに晒されないように、無理がからないように」とものすごく強力に心を守ってくれています。

誰にとっても心が傷つくことは絶対に避けたいことなのです。

特に過去に心が傷つく経験をし、その傷がまだ完全に癒えていない人は「同じような経験で傷つくことは二度としたくない」と無意識で強く強く思っています。

肉体の傷を例にとってみるとよくわかるでしょう。

例えば、あなたの右手に実際に傷があるとします。

その傷がまだ治っていない場合、その上からさらに傷をつけられたら、その痛みは非常に強いものですよね。

普段は右手の傷のことを意識上では忘れていても、傷はずっとそこにあって意識を向けるとまた痛み出します。

そうであれば傷に触れることはもちろん、意識を向けることも避けようとするのは当然です。

心が傷つく場面は人生で必ず起こります。

その時に傷が深くならないように守ったり、傷を癒す役割をしてくれるのが「ナイトくん」です。

無意識で行われている心の防衛本能なので、心臓の働きを止めようとしても止まらないのと同じで自らの意識ではその活動を止めることが出来ません。

「ナイトくん」は名前の通り、私達が傷つかないようにずっとそばにいてくれる存在なのです

記事の冒頭で話題に出した「明日から本気出す」いう言葉に関して、本書でも以下の通り触れられていますが、本気でそう思っている人は「ナイトくん」が次の様に働いているからです。

「今日は忙しいけれど、明日から本気出す」と思っているということは、本気を出せばいつだって結果は出せるという可能性の中で生きられるということです。

「やってみたらダメだった」という傷から心を守ることも出来るのです。

例えば、起業したい、漫画家になりたい、海外旅行したい、でも今は忙しくて行動出来ないという場合、もし起業するためや漫画家になるための行動を起こしたら、うまくいくか失敗するかのどちらかの結果が明確に出ます。

その結果を見るのが怖いので、「いつかやれば出来る」という状態にしておきたいのです。

実際に行動を起こしてその過程で嫌な思いをすることや、結果が出てしまうことよりも、「やれば出来るはず」という可能性の中で生きていた方が傷つかなくて済みます。

自分の実力と向き合いたくない、知りたくない状態とも言えます。

上記の考え方は、「ナイトくん」の心の防衛本能が強く働いているから本気でそう思っていることがわかります。

「明日から本気出す」という言葉は冗談で使われがちですが、人々の共感を呼んでいるところからも見てわかるように、冗談とはいえ本当にそう思っている割合もあるから浸透された言葉なのではないでしょうか。

発言者の気持ちがわかるということは、私達もまた「ナイトくん」の働きを心のどこかで感じ取っている証拠です。

ここまで「ナイトくん」の目的とその働きに関して見てきました。

「ナイトくん」が私達の心を守る重要な役割でありながら、その不器用さゆえに悩みの問題そのものになってしまっていることを理解しました。

「ナイトくん」の不器用さを理解した上で受け入れることが、あなたの「傷つきたくない」という思いと上手に向き合い、これからも付き合っていくことが出来ます。

「ナイトくん」についてもっと詳しく理解を深める為に、本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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