目標を文字化して夢を叶えた人
メジャーリーグで活躍しているプロ野球選手の大谷翔平さんが学生時代に書いていたノートが以前メディアを中心に話題になりました。
高校時代の監督からの指導によって、高校一年生の時に作成したこのノートは目標達成シート、またはマンダラチャートと呼ばれています。
まず9×9マスからなる合計81マス目があるシートの中央に自分が達成したい大きな目標を書き込みます。
次に、そのマスを取り囲む8つの枠にその目標を達成するために必要な要素を書き込みます。
最後にその要素の周りの9マスにその要素を身に付けるための行動や意識することを記入して完成です。
大谷翔平さんは「8球団からのドラフト1位」を中央の目標に書き込み、8つの要素を「体づくり、人間性、メンタル、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運」に構成しました。
その周りの9マスには普段から取り組むべき行動や意識していることが書かれているのですが、高校一年生にしてそのシートに本気で向き合い取り組んだ姿勢に多くの人が胸を打たれました。
「大谷翔平 ノート」で検索するとその当時書いたノートの画像が拝見出来るので、興味がある方は調べてみてください。
あなたは夢や目標を紙に書いてみた経験がありますか?
自分の夢や目標を紙に書いてみるだけでも実践されてみた方は少ないです。
身近で紙に書いて実践している方を思い浮かべようとすると、受験生の部屋に「○○大学合格!」という貼り紙を書いて机の前に貼っているイメージを思い浮かべた方は多いのではないでしょうか。
ましてや、大谷翔平さんのような目標達成に向けてより具体的な内容を文字にして書くことは挑戦してみようとしても難易度が高そうだと尻込みしてしまいます。
ですが、正しい方法と心構えがわかっていれば私達にも実践出来ます。
今回ご紹介する『思考は文字化すると現実化する』は実際に思考を文字化して現実化に成功した著者がその方法と心構えを教えてくれる本です。
いつも本サイトを訪れて記事を読んでいただき、ありがとうございます。
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著者の横川裕之さんはシステムエンジニアとして働いた後、生命保険会社の営業で働きますが四年半で退職。
その後自己紹介に関連する書籍を二冊出版して、三冊目となる今回の書籍を出版することが出来たのは「思考の文字化」をしたからだと述べています。
さらにそのノウハウをオンラインスクールでまとめて販売したところ、業種を問わずおよそ200名の集客に成功。
思考を文字化することで著者は自身の人生を変えただけではなく、オンラインスクールに参加された受講生も様々な分野で成果を挙げることが出来ました。
本書では著者や参加者の事例を根拠に、思考を文字化することで人生を変える方法を伝授しています。
本書のタイトル通り、著者は思考しそれを文字化することによって現実化に成功しました。
「思考は現実化する」の部分はナポレオン・ヒルの著書を筆頭に多くの成功者が似たような言葉を発言しているのを見たり聞いたりしたことがありますが、なぜそこに「文字化すると」という条件が含まれているのでしょうか。
そのことに関して本書では次のように述べています。
思考する考えるというと、頭の中だけでやっている人がほとんどです。
一方で結果を出す人達は思考を紙や画面にアウトプットすることをやっています。
つまり、文字化しているということです。
なぜ、思考を外に出した方がいいのか。
算数の計算を思い出していただきたいのですが、九九や二桁までの足し算引き算なら多くの人が暗算でも出来ます。
しかし、そろばん教室などで特殊な訓練を受けていない人は、二桁の掛け算や三桁以上の計算になったら暗算よりも筆算を選択するはずです。
なぜなら、暗算よりも筆算の方が正確だからです。
思考も同じです。
頭の中で考えるよりも、外に出した方が正確に把握出来ます。
書いた文字はその人の思考の表れです。
頭の中で思考出来ていないことは、文字にすることは出来ません。
そして、思考の量と文字量は正比例します。
たくさん思考している人はたくさん書けますし、逆にあまり思考していない人は少ししか書けません。
頭の中で思考はたくさんしているけれども、いざ文字にしようとすると出てこない。
こんな状態は頭の中がぐるぐると回っているだけで、残念ながら思考出来ていない状態です。
私達はテレパシーを使って相手に自分の頭の中身を伝えることは出来ません。
同じように相手の頭の中身を覗くことも出来ません。
頭の中身を伝えるには、言葉を使って相手に伝わるように整理しなければなりません。
頭が整理出来ないという人に限って、文字化することをせず、自分の頭の中で思考をぐるぐるさせてしまっています。
一度文字化してしまえば、そのことについて頭のリソースを使うことなく、そのリソースを使って他のことを思考出来るようになります。
脳は不思議なもので、外に書き出しているとその空いたスペースに新しいアイデアや考えを生み出してくれます。
本書の『なぜ思考を文字化する必要があるのか?』の章から文章を一部引用して、現実化するためには思考を文字化することの必要性を説明しました。
ただ思考するだけではなく、思考を文字化して見えるようにすることで正確に把握する。
そして、文字化した後に空いたスペースに新しいアイデアや考えが補充されるので、それが思考を現実化させるのに必要な行動を閃かせ、行動することによって達成出来る。
これが思考を文字化すると現実化が起こる一連の流れです。
冒頭で例に挙げた大谷翔平さんの目標達成ノートは、まず中心に「8球団からのドラフト1位」を書いてその目標を達成するために必要な要素を構成し、その周りに要素を得るための行動と意識を文字化することによって具体的に書き記し実践していました。
思考を文字化することは目標達成への道標を浮かび上げます。
文字化することの重要性は理解出来ましたが、ここで注意しないといけないことがあります。
思考を文字化することには乗り越えないといけない障害があることです。
その障害とは今の自分を変えたくないという無意識です。
現状維持メカニズムが文字化の妨げになる
人間の無意識部分の思考は現状維持が一番安全です。
これを現状維持メカニズムと言います。
この現状維持メカニズムが思考を文字化して現実を変えようとする私達の行動を妨げようとします。
本書では以下の通り解説しています。
もし、現状を維持せず急に変わってしまったらどうでしょうか?
例えば、あなたが昨日はとっても暗い人で、今日は信じられないほどはしゃぐ人で、明日は感情を爆発させ怒りまくっている人になっていたらどうでしょう?
あなたの周りの人達だけでなく、あなた自身も相当戸惑ってしまいますよね。
身体面でも現状維持は働きます。
暑ければ汗をかいて体温を下げようとしたり、寒ければ身ぶるいして体温を上げようとするでしょう。
これは体温を一定に保とうとする現状維持の働きです。
つまり、この現状維持メカニズムの仕組みはあなたを守るために、出来るだけ今のあなたの状態を維持しようとするのです。
これは自動です。
現状維持メカニズムは自動的に働きます。
善も悪もありません。
現状維持メカニズムの電源をオフにすることも出来ません。
そういうものだと割り切るしかないのです。
新しいことに挑戦していても気付いたらやめてしまっていたというのも、この現状維持メカニズムが働いているからです。
この現状維持メカニズムはあの手この手で現状を維持させようとしてきます。
(『思考は文字化すると現実化する』より引用)
現状維持メカニズムは生命の維持にとても重要なものです。
異変を感じるようなことには全てに適応され、常時オンになっているのが普通です。
場面ごとに使い分ければいいのですが、「そういうものだと割り切るしかない」と説明されている以上、受け入れるしかありません。
もし、現状維持メカニズムを無視して行動を続けるとどうなるのでしょうか。
例えば、新しいことを始めると体調不良になる人が多いです。
体調不良になったときにどう考えるかというと、「新しいことに取り組んで心身の疲れが出て体調不良になったんだ、これは休みなさいという天のお告げに違いない」と言って休むのです。
健康が第一なんだから体調不良になったら休むというのは当たり前に聞こえますよね。
でも、その当たり前が現状維持メカニズムの正体です。
体調不良はもっともらしい理由ですけど、ここで休んでしまうとせっかく培ってきたものが一気に始める前に戻ってしまいます。
体調を崩したとしても本当に自分を変えたいと思うなら、小さなことでいいのでその体調で出来ることを続けなければいけないのです。
体調を崩してでも取り組んでいると、無意識部分の思考もだんだんと行動している方に慣れてきます。
体調を治すのを最優先にしながら、同時にその体調でも出来ることにトライし続ける。
「ストイックだ」と思うかもしれませんが、あなたにそう思わせて頑張らなくてもいいという発想にさせるのも現状維持メカニズムの仕業なのです。
(『思考は文字化すると現実化する』より引用)
新しいことを始めようとして続かなかった経験は誰でもあります。
もちろん、私にだってあります。
むしろ続けられなかったことの方が多いです。
その時に体調不良まではいかなくても、その日は気分が乗らずに新しいことをやめたら続けること自体をやめてしまっていたことは枚挙に暇がありません。
ですが、それが現状維持メカニズムが起因しているとわかっていれば、その状態からでも抗おうとするはずです。
例えその日は行動に起こせなくても、何も出来なかったことに対して心が折れません。
それどころか「明日は少しでも行動するぞ」と意気込むでしょう。
「新しいことを始めたが体調不良になった」という出来事が起こっても、これでその原因と対策を立てることが出来ました。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」です。
思考を文字化させる事と現状維持メカニズムをより詳しく知ることで、思考を文字化して現実化されてみたい方は本書をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
本記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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